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影の一族。

自分というのは、もしかしたらいままで出会ってきた多くの人の影響が集まっているだけなのではないか、とふと思った。

なんでそう思ったのかはもう覚えていない。
でも、きっかけになったことは、いくつかある。

一つは、新しく音楽の先生になってくれた人が言ってくれたこと。
サザン、ミスチル、B’z……好きなミュージシャンの歌い方を真似るうちに、どうしても同じにはなれずに、その人から吸収したかったものだけが濾過されるように残っていく。だから真似することは否定しないという話。

それで思い出したのが、元ブルーハーツ、ハイロウズ、現クロマニヨンズの甲本ヒロトのこの言葉だ。

えっと、月や星は輝いていないよね?反射してるだけだよね。ロックンロールの星たちも輝いてるんじゃなくて反射しているんだ。光っているのは太陽じゃないか。

ローリング・ストーンズが光ってるんじゃなくて、ブルースが光ってる。マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフが光ってるから、その光を受けたローリング・ストーンズが反射してるだけじゃないか。

(略)

そんで、その輝きをあなたも受けています。今誰かを「カッコいいな」と思ってる人たちも、その輝きを今受けています。

だから反射させてみてください。あなたはきっと輝く。自分が感動したっていうことは、人を感動させる力を持ったという証拠だから。勇気をもって楽しく生きて欲しい。

だから「楽しいな」と思ったらもう勝ちだよ。だからどんどん反射させようぜ、輝きを。
(『ロックンロールが降ってきた日』P.280-281)

大好きな言葉で、いま読んでも最高だな、と思う。
僕らは惑星で、本当に光っているのはブルースやロックンロール。同じことが僕たちの心惹かれるものにはあるのだと思う。光源は決して自分たちではないという意味で。

冒頭で僕は「いままで出会ってきた人たち」と書いたけれど、本当は影響ってそれだけじゃない気がする。

訪れた場所、なにげなく耳にした曲、昨日食べたもの、飛んでいた鳥。

のみならず、自分の両親や祖父母、ご先祖様がどんな環境に育ち、生きてきたかも自分の中に川のように流れ込んでいる気がする。

そんな無数の光源から照らされて、影になった場所で僕という「自分」が反射している。

なんだか急にそんなことを思った。
なんでそう思ったのかはおぼえていない。

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