すばらしき極彩色の夜。
すばらしい夜だった。
昨晩開催された『BAR 白と黒と極彩色』のことだ。
心のサブタイトルを「孔雀たちのララバイ」にしたのだけれど、そんな感じで来てくれた一人一人にスポットライトが当たり、歌とギターと踊りと食事を愉しむ夜になった。
僕は長らくライブをするのが苦手だったのだけれど、それはもしかしたら「演者」としてずっとスポットが当たるのが不自由だったからかもしれない。
時に演者になり、時に観客になり、時にごはんを食べる人になる。
そんなふうに融通無碍に行き来できる状態に昨日はなれた。
そして、この日スポットライトを当てていたのは、僕でもお客さんでもなかったように思う。
ある時には連れて来てくださったお子さんの手話を交えた舞にみとれ、ある時には伴奏しながら陶酔して寝そうになり、ある時には奥さんが雷鳴に打たれたように泣いていて、ある時にはただおにぎりとみそ汁をいただく。
そんなふうに過ごす中に、いくつもの名場面が現れては消えていった。
そしてこれは僕の経験にすぎなくて、他の人に聞いたらまだ別のことが印象深く残っているのだと思う。
そんなふうに、それぞれの人が好きなものを見て聴いて、歌って、踊って、食べて過ごしている。にもかかわらず、偶然とは思えないようなタイミングで歌と人とが重なる。
その瞬間、全員のスポットライトが誰にも指図されずに「そこ」に当たっていたりする。それはとてもリアルで「ライブ」だった。
その一瞬一瞬を「ライブ」すること。
昨日はそんなふうに過ごせた夜で「僕がしたかった音楽って、なんかこれだよ」と静かに興奮している。
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