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新味脱落。

今朝の離乳食に「おいしそうなのがあったから」と奥さんがカブを用意した。『おおきなかぶ』でうんとこしょ、どっこいしょと引っぱるあのカブである。

赤ちゃんは、それを受け付けなかった。
ぱくっと口にして、神妙な顔をした後、複雑な表情になり、その後はすべての離乳食に口を閉ざした。大好きなおいもさえ、食べてもらうのにしばらく時間がかかった。「これはカブじゃないだろうね?」とでも言うかのように口を真一文字にしたまま、大きな瞳で見つめられたからだ。

奥さんは大いに動揺した。どうやら先を見越して一週間分のカブを調理していたらしい。僕が離乳食をあげている間、奥さんは別のところで化粧をしていたのだけれど、赤ちゃんの反応を伝えると「ウソ!?」と言って駆け寄り、信じられないといった表情でカブを与えようとする。しかし、反応はおなじだった。

奥さんは落胆のあまり、スプーンを落とし、床にカブとおかゆの汁が飛び散った。漫画のようなリアクション。「カブショック」と僕は思った。

諦めきれない奥さんは夕飯にもう一度、カブを与えてみようと構えていたけれど、今度は赤ちゃんがすやすやと眠ってしまった。すごいガード力。こりゃあ、うんとこしょ、どっこいしょでも、ちょっとむりかもしれない。好き嫌いってすごいもんだなあ。

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