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ふしぎな出会い方。

今日はお昼すぎに『声で逢いましょう』というオンラインの場をひらいた。

今回で5回目。はじめて参加者ゼロかなと思ったら、3分前に一人参加してくれた。

彼ははじめ何も話さなかったが、彼のいるところから鳥や犬や子どもの声がしていた。他の人が話すときに「そうだそうだ」というようにワーッと鳥が鳴く場面もあって、なんだか興味深く聴いていた。

彼以外は全員知り合いで、彼だけが新参者だからどう入るかは難しい。鳥や犬や子どもの声は、そんな彼が入れる導線をつくったように感じたし、実際「この鳥の声、どこでしてるんだろう?」という話題から彼は輪の中に入ってきた。

面白いのは、電話回線を介して鳥や犬や子どもの声が聞こえていることを彼だけが知らないという事実。彼のいる場所の音と電話を聞いている僕らの音が違うのだ。実際、彼のところでは飛行機が大きな音で飛んだりしていたらしいが、LINE はその音は拾わなかった。

そして、LINE が拾う偶然の音は、彼を輪の中に招き、彼の印象を鳥や犬や子どもたちと結びつけた。

自分の預かり知らぬところで起きていることが、自分の印象を決めている。『声で逢いましょう』では、そんなふしぎな出会いが起きている。

でも、実際に会うときにもそうなのかもしれない。そのとき吹いていた風や背景で鳴っていた音とともに僕らはその人を印象づけるのかもしれない。会うときには顔も見えるし、情報がたくさんあるから気づかないだけで。

それに鳥や犬や子どもの声がまったく偶然入ったとも思えない。なんとなく彼の人柄とそれらの音はとてもマッチしていたように思えたから。僕は実際に彼に会ったことがあったけれど、もしかするとこっちの彼の方がより彼らしいかもしれない、とすら思った。

そんな出会い方をしているせいか、僕らは子どもに戻ったような感じになって会話をたのしんだ。顔も知らないだれかとたった一時間弱しゃべっただけなのに、そんなことってあるんだな。

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