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ふしぎなコップ。

昨晩、寝る直前に妻が興奮して「ねぇねぇ、これすごいよ!試して!」と言ってきた。申し訳ないけれど、早く寝たかったので「また明日ね」と言って寝た。

試してほしかったのは、このコップ。これで赤ちゃんが水を飲む練習をするらしい。

今日、朝の散歩のあと、実際に使ってみた。
「飲んでみて!」と妻がいうので中の水を飲もうとすると、なにも出てこない。それどころか、さかさにしても水滴ひとつ落ちない。

「すごいけど、これ、飲めないんじゃないの?」
ところが、コップのふちに唇をつけてチューチュー吸ったら、水分が出てきた。いままでにない不思議な感覚。コップにはフタがされていて、水の出てくるところは見えない。でも吸えば出てくる。なんだこれ!?妻は「すごいでしょ」という顔でこちらを見ている。

感心しながら赤ちゃんの前にコップを置いてみた。すぐに興味を持って触ったり転がしたりしはじめる。コップはボールのようにごろごろ転がっているけれど、水は漏れない。大したものだ。赤ちゃんは噛み噛みばかりして、なかなか吸おうとしない。哺乳瓶にもスプーンにも似ていないから、水が出ることが想像できないのかも。結局、初回はしばらく転がして遊んだのち、飽きてどこかへ行ってしまった。

二回目はずり這いのまま、横向きに倒れたコップの上のふちをぱくっとくわえた。最初は噛み噛みだったが、しばらくするとチューチューと吸う音がした。真横になったコップの上から水分なんて出てこないだろうと思ったが、チューチューがじゅるじゅるという音に変わる。そっから水が出てんの?!もう訳がわからない。

もしかしたら、よだれの反芻だったのかもしれない。でも、それにしては量が多かったから、やっぱり水を飲めていたんじゃないかと思う。真実は本人のみが知る。いずれにせよ、いままで40年以上経験してきた「水を飲む」とはぜんぜん違う飲み方だった。

いまの赤ちゃんにとってはサイズが大きいため、まだコップを手で持って飲むことはできない。でも練習していけば、そのうちごくごく飲めるようになるだろう。なにかができるようになる過程はいつだって不思議に満ちているが、それにしてもこのコップは不思議だった。

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