たったひとつの物語。

だれかとふかく
知り合って
そのかけがえのなさに
触れると

ひとはその人にしか
生きられない
たったひとつの物語を
生きていることに
気づく。

街をあるくと
そのたったひとつが
たくさんたくさん
歩いていることに
気づく。

そのひとりひとりが
それぞれに
たったひとつの物語を
生きている。

たったひとりと
ふかく知り合うと、
世界ぜんたいが
広くなる。

ひとりの深さは
なぜか横にも広がって
世界の途方もなさに
つながるらしい。

だから知れば知るほど
ひととひととは
実は
はなれているんだ。

その遠い遠い
距離をへだてて、
ぼくら、
さよならと手を振る。

帰ってきて
家についたら
缶ビールを開けて

たったひとり、
きみだけが知る勝利の
祝杯をあげる。

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