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離乳食教室へ行く。

「離乳食をはじめるのは生後5〜6ヶ月から」と聞いて、親子三人で区の保健所が主催する離乳食教室に参加した。

「講堂」と呼ばれる会場に入ると、大きめの会議室に20組ぐらいの親子が座っている。そのうち、お父さんが来ていたのはうちも含めて3組。「この子たちみんな同じくらいの月齢なのか」と思いながら見ていたが、うちの子がダントツで髪がふさふさで、一人だけ留年した先輩のようだった。

赤ちゃんが参加する会ということで、出入り自由になっていて、話の途中でも席を立ってもいいことになっている。後方にはパーテーションで仕切られた授乳コーナーも設けられていて、親子連れのイベントってこんな感じなのかと感心した。

どんな話が聞けるかなと楽しみにして着席。ところが、開始早々にほかの赤ちゃんが泣き、それを聞いてうちの子も泣きはじめてしまった。

赤ちゃんの世界には「Aka-chan NeTwork(通称:ANT)」という乳児だけが聞けるラジオのようなものがあって、その回線を通じて、最初の一人が「気をつけろ」と呼びかけたのではないか。そう思うくらい、その後、同時多発的に赤ちゃんの泣き声が響いた。

というわけで、抱っこひも担当の僕は席を立ち、あとを奥さんに任せて退出した。歩く振動で落ち着くようだったので、最初は保健所の中をうろうろしていたけれど、外の空気が吸いたくなって近くの本屋に出向く。

今日は雨が降ったりやんだりの不安定な天気で、本屋を出ると「降ったり」の方になっていた。傘は持っていない。自分一人なら濡れて戻るのだけれど、赤ちゃんもいたので、何十年かぶりに雨やどりをした。なんにもすることがない。新鮮だった。

ようやく雨足が弱まって会場に戻ると、この頃には赤ちゃんもすうすうと眠っていて、講演の後半を聞くことができた。

母乳とミルクしか飲んでいない赤ちゃんにとって、ドロドロ、ザラザラしたものが口に入ってくることは怖いことであること、「甘味」「塩味」「旨味」は羊水で経験しているけれど「酸味」と「苦味」は初体験であることなど、はじめて聞く話ばかりで面白かった。

最初はドロドロのおかゆから、その後、野菜がふえて、それ以外のものに広がって。その一つ一つを口に入れることが大冒険だということも教わった。いま当たり前のようにいろんなものが食べられるのって、全部練習してできるようになったことなのだ。

それにしても、本当に「食べる」ことがはじまるんだなあ。
これから長く続く食の旅のはじまり。そう思うと、ちょっとどきどきする。うまくお手伝いできたらいいなと思う。

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