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納期の話-無理なく頑張る-

先日Twitterに流れてきたとあるブログを読み感化されたので自分も同じようなテーマで記事を書いてみようと思う。(本記事は自分の職場を基に書くものであり、下記に引用させていただいた方とは前提が異なることにご留意いただきたい)




1.法務にとっての納期とは

自分は製造や開発などの業務に携わったことがないので単なる想像で書かせてもらうが、おそらく、このあたりの分野で働いている方々は日々この言葉と戦っているのだと思う。また、他の部門であっても、通常は期限のようなものがあり、それまでに仕事を完成させなければならないというのが普通だろう。

翻って、法務はどうだろうか。

確かに依頼部署から「~日までに回答ください」ということはよく言われるが、実際にその日までに絶対にやらなければならない案件というのはそこまで多くはないというのが実感である。よくよく聞いてみれば「先方から急かされている」「自分たちの計画ではこの日までに確認する必要がある」程度の理由で「至急案件」といわれることもままある。

そもそも、依頼部署が提示してくる納期は、彼らの都合で決められたものであり、こちらの意向が考慮されていないのが通常である。こちらが了承したわけでもない納期を呈示してきて、その納期を過ぎたから催促するというのは何とも理不尽ではないだろうか。

ただ、そうはいっても法務はあくまで間接部門であり、他部署の方々が稼いできた収益で飯を食っている以上はあまり偉そうなことも言えない。彼らはいわば「客」であり、客の無理難題に答えなければならないのが社会人のつらいところである。また、仕事のスピードを上げるのはいずれにせよやらなければならないことなので、きつめの納期を意識して仕事を完成させるというのも良い訓練になる(ということにしておく)。

だらだらと書いてきて結局何が言いたいのかというと、厄介なものではあるが、法務であっても納期と無縁でいることはできず、守らざるを得ないということである。


2.納期を守るためのコツ

では具体的にどうやって納期を守るのか。端的に言ってしまえば仕事を早く終わらせるのが一番だが、そういった実力的な部分は時間をかけなければ身につかないので、口で言ってできるようになるものではない。そこで、自分が納期を守るうえで意識していることを書き出してみる。これを意識するだけで少しは納期に合わせて仕事を完成させることができる(ようになるかもしれない)。

①案件が来たらまず見通しを立てる

納期を守るためには重要なのは、まず、その案件を終わらせるのにどれくらいの時間がかかるのかを把握することである。その案件が難しいのか・簡単なのか、作業量が多いのか・少ないのかといったことを始めに判断できると納期までの時間配分を管理できるようになり、案件をコントロールしやすくなる。

実際には、案件をぱっと見て所要時間を想定するのはある程度経験を積まなければできないが、この作業を最初にやるかやらないかで安定感がだいぶ違ってくる。手元の仕事が忙しいからと来た案件を一切確認せず放置していては、後になってテンパること必至である。

②必要な作業の確認

案件によっては依頼者の説明が不十分で事実関係や質問事項が明らかでないことがある。このような時、不明確な部分をそのままにしておくと、前提にできる事実があるのにその事実がないものとして余計な検討をしてしまったり、回答しなくてもよい質問に対して回答を作成してしまったりする可能性がある。

勝手がわかっている相手なら問題ないが、相談することになれていない相談者も多い。適切なコミュニケーションを通じて事実関係や質問事項をなるべくクリアにし、無用な検討をしないようにするだけで効率よく作業を進めやすくなる。

③不測の事態はあるものとする

どんなときもアクシデントは訪れるものである。期限まであと5日あるなら、4日で完成させるくらいのつもりで進めておかないと、ある日突然急ぎの案件を命じられるなどして、「これがなければ予定通りに行ったのに・・・」というのを繰り返すことになる。

3.納期を守れないときの対応

と、自分が短い経験で学んだことを書いたが、実際に納期を守れないことは多々ある。これは私見だが、同じように期限を過ぎるとしても適切な対応をするかどうかで、相手の不満の溜まり方が変わってくるように思う。特に法務部は依頼部署と長い付き合いになることも多いので、成果だけではなく相手との関係性も意識して立振る舞うのも大事だと思う。(自分が頼んだ仕事を期限までに終わらせてくれなかったとき、相手にどうして欲しいかというのを考えてみると分かり易いかもしれない)

①早目に言う

期限当日になって「すいません間に合いませんでした」はやめましょう。

②「どこまでできたか」を報告する

「期限に間に合いそうもありません」で終わりにするのではなく、あとどれくらいでできそうなのか、現時点での方向性はどんなものなのか、このあたりを伝えられるだけで相手はその後の計画を立てられるし、こっちもちゃんと仕事してますよアピールができる。

③無理なものは気にしない

今までいろいろ書いてきたが、案件を終わらせるのにどのくらい時間がかかるかは、ほぼ100%案件の性質による。案件によっては早く終わるものもあるし、どうしても時間がかかるものもある。納期を守ろうと努力し、納期が守れないときは依頼者に迷惑が掛からないようにすることは大事だが、できないものはできない。無理して他の仕事や自分自身に悪影響があってもよくないので、どこかで割り切りは必要である。


4.おわりに

自分も仕事を始めた頃は、依頼部署から催促をされるたびに申し訳なさでいっぱいだったが、今では大して何も感じなくなってきた。これを成長と呼んでもいいのかは謎だが、結局のところ、一つ一つの案件につき然るべき対応をする以外にできることはない。粛々とやっていきましょう。


#法務

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