爪を塗る

面倒くさがり屋の私が「爪を塗る」ことを憶えた。
モノトーンの服しか手を出さない私だけれど、マニキュアについては
率先して、あまり衣服では身につけない色に手を伸ばしている。

しかし面倒くさがり屋なので、一度マニキュアを棚に戻してしまうと、
その存在を忘れてしまう。
それに気が付いた私は、注ぎ足しのように、禿げては塗り直しを繰り返す。
そう、いつの間にか、全てを落とすことが面倒くさくなってしまったのだ。

するとどうだ。爪が伸びなくなった。爪が折れるようになった。
久しぶりに剥がすと、あからさまに貧相な爪が現れた。
まったくもって不細工で、再び色を重ねてしまった。
どんどん弱っていく爪。それを見て見ぬフリする私。

いつまで繰り返すのだろう。
チラリとマニキュアを見ると、もう底がみえるほどだった。

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