足らぬ足らぬは自省が足らぬ

1.失敗の本質

私は大学受験に失敗した。
問題集を解いていき、わからないところを書き留めて、反復することを勉強としてきた。
問題集を完璧に終わらせる、という1つ1つの小さな目標は達成されたが、合格するという大きな目標を達成できなかったのは、何か理由があるはずである。

この理由をある本に託すことにした。
太平洋戦争で、日本が敗北した理由を考察した『失敗の本質』である。

2.目的のあいまいな作戦は必ず失敗する

山本連合艦隊司令長官は、ミッドウェー海戦の主眼は、ハワイ奇襲(真珠湾攻撃のこと)で撃ち漏らした米太平洋艦隊の空母を捕捉撃滅することだと考えた。
しかし、山本は第一機動部隊の南雲にこれを十分に理解、認識させる努力を怠ったため、ミッドウェー攻略が主目的であるかのような形になってしまった。
これにより、十分な索敵がなされず、日本は主要な4空母を失う敗北となった。

『失敗の本質』

これは、組織として上意下達の重要性を示す例であるが、目的に沿う行動を遂行することの重要性を示す例でもある。
ミッドウェー攻略ではなく、米空母を撃滅するという目的に沿う行動をしていたら、結果は変わっていたかもしれない。
もう一つこの例を出そう。

ガダルカナル島の海戦で三上艦隊は、敵の重巡洋艦4隻を撃沈、重巡1隻、駆逐艦2隻を大破という大戦果を挙げたが、作戦の主目的であった輸送船団に一撃も加えず引き揚げた。

『失敗の本質』

ガダルカナル島の戦いの結果を知っている者にとって、これがどれだけ致命的だったかわかるだろう。

3.人事を尽くしてから天命を待つ

米軍の戦闘プロセスは、まさに論理実証主義の展開に他ならなかった。
たえず、質と量のうえで、安全性を確保した上で攻勢に出たのである。
<中略>
各般の上陸作戦で行われたこの戦術は、演繹、帰納の反覆による愚直なまでの科学的方法の追求であった。
他方、日本軍は「戦機まさに熟せり」「決死任務を遂行し、聖旨に沿うべし」「天佑神助」「神明の加護」「能否を超越し国運を賭して断行すべし」などの抽象的かつ空文虚字の作文には、それらの言葉を具体的にまで詰めるという方法論がまったく見られない。

『失敗の本質』

何かをなすのには、現況を具体的に考察し、論理的に解決策を導かなければならない。

4.私事

では私はどうだったか。
問題集を解くにしても、どのような技術を伸ばすために行うのかという目的を設定せず、無闇やたらに解いていた。
簡単な問題から難しい問題を解いていけば、合格できると考えてしまっていたのである。
そこにおいては、目的が欠如し、現状の把握という観点がすっかり抜けている。

日々学ぶ上で目的意識を持ち、現況の能力を把握することで、どのような1日を歩むのか決定する。
これは、日本軍が怠ってきた事であり、私もそれを怠ってきた。

去年の1年から多くのことを学んだ。
自分が行ってきたことから目を逸らさず、何が足りないかを意識して成長し続けなければならない。

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