見出し画像

さくらももこ展でまる子に会いに行ってきた

ある日
小さなまるが来て
「いっしょにあそぼう」
と言ったので
わたしはとてもうれしくて
そのまるとずっとずっといっしょに
あそぶことにしました。

「さくらももこ展」キービジュアルより

さくらももこ展のキービジュアルに添えられていた一文。これを読んで私は泣いた。さくらももこがまる子と遊んでいたからだ。

公式サイトで発表されたのが2022年の7月1日。その日から今か今かと待ち望みようやく5月に横浜にやってきた。待ち望んでいた割には平日の休みを取り忘れ、混み合う土日に行く羽目になったのだがそれは自業自得なので仕方がない。

冒頭に紹介した一文、実は「まる」がどんどん「まる子」になっている

その前に私とさくらももこについて少し書いておく。

学校から帰ってきた小学3年生のある日、母親にプレゼントされたのが「ちびまる子ちゃん」の単行本だった。母親がこのマンガを選んだのは同い年の女の子の話だったからだろうか、真相は定かではない(覚えてないと言われるだろうから聞いていない)。

小学生の話なんだけど、作中に出てくるナレーションがずっと冷めており、面白さが増す要素のひとつになっていて、それがすごく大人びていてかっこよく、ここで私は冷静に客観視することを身につけたような気がする。

ロマンチストでおっちょこちょいで、ちょっとせこいけど心の優しいまる子の話と、巻末の読切のエッセイ漫画に出てくるちょっと大人になったまる子の話が本当に好きだった。小学生時代は影響を受けまくり、漫画家になるのが夢にもなった。まる子のことが大好きで、さくらももこも好きになった。

そんな感じでさくらももこ好き歴30年は超えているのだけど、「コジコジ」「富士山」「神のちからっ子新聞」などあらゆる著書を網羅しているわけではない。本気のファンの方からしてみれば中途半端かもしれないけれど、とにかく私はまる子が好きで好きで仕方がないのだ。

横浜そごうへ向かった

さくらももこ展は横浜そごうの6階で開催されている。会場に着くと、チケットを購入する列でごった返していた。やっぱり土日はひとが多い。混雑を予想して、ネットでチケットを購入しておいたから、幸いにもすぐ入ることができた。

そごう1階にて

さくらももこ展は

序章「さくらももこができるまで」
第1章「ももことちびまる子ちゃん」
第2章「ももこのエッセイ」
第3章「ももこのまいにち」
第4章「ももこのナンセンス・ワールド」
第5章「ももことコジコジ」
終章 アトリエより

で、構成されている。原画や原稿、私物など、全て見応えがある。見せ方も愛情がこもっていて素敵だった。その中でも1番の見どころは序章にあったたまちゃんとまる子の卒業文集だったと思う。たまちゃんは実在している。小学6年生も同じクラスだったようで、卒業文集は上がたまちゃん、下がさくらももこだった。ふたりとも、たまちゃんとまる子の姿が浮かび上がってくるような、そんな文章だった。

なかでも小学6年生のさくらももこは、当時から文才があったのがうかがえた。あったことを書くんじゃなくて、目の前をすっと通り過ぎてしまうものをしっかりと目に焼き付けて想像力を働かせるような、まる子の世界観そのものだった。やっぱりまる子はさくらももこで、さくらももこはまる子なのだ。もうnote書くのやめようなかと思いかけるくらいに圧倒された。

撮影OKのスペース

第1章の「ちびまる子ちゃん」の原画をたっぷり堪能すると、続く第2章で撮影がOKな展示が出てきた。同じテーマの話を漫画、小説、原稿で見ることができる。

ノストラダムスの大予言の話。当時、小学生だった私もノストラダムスを大変恐れていたのでこの回でかなり救われた。

エッセイになってももちろん面白い。

この章はさくらももこの原稿が壁一面に貼られていた。さくらももこの字って、一発でさくらももこって分かるからすごい。大好きなフォントだ。誰でも使えるように、アプリみたいなものをつくってくれないだろうか。そしたらただの日記も面白く見えそう。

他には、書き初めの話(おどし王)や賞状をもらうときにおしっこを我慢している話、かみしばい屋の話などが展示されていて、来場者は、きっと何度も読んでいるはずなのに、私含め笑いながら読み入っているひとでいっぱいだった。

第3章「ももこのまいにち」で見たもの

あと、もうひとつ印象深い展示があった。さくらももこと息子のめろんくんの共同制作「おばけの手」という絵本。

独特な発想がおもしろくて絵も素敵だった。ふたりでつくっていると思うと微笑ましい。今回の展示で知ることになったけど、原画を見ることができたのは貴重だっただろう。買おうかな、買っちゃおうかな、甥っ子か姪っ子に買っちゃおうかな。

また、息子のめろんくんとの日常も垣間見えて、さくらももこの別の姿を見た気がする。この章もとってもよかった。

ここで知ることができた作品

前途で述べた通り、私はさくらももこの作品を網羅しているわけではないので、ここの展示で初めて知る作品といくつか出会うことができた。名前は知っていたけど読んだことがなかった本、「ももこのいきもの図鑑」だ。

さくらももこの「ももこのいきもの図鑑」の解説には、

この本に載っているいきもの、全部もう死んでいるので「しにもの図鑑」になってしまいました。

みたいなことが書かれており、不謹慎なんだけど絶対買おうと心に決め、外の物販ですぐに購入した。

どの「いきもの」の話もすごく面白かった。狂っていた。90年代だったから許されるであろうちょっと不謹慎な話も満載だ。1番すごいなと思ったのは、「小学生の時」の話と「先日」の話がランダムに載っていて、どっちかわからなくなることだ。冒頭に先日って書いてあっても後半になって、あれ?これって小学生の時の話だっけ?となるのだ。さくらももこが、ずっと「いきもの」を無邪気に愛していた証拠だと思った。

そんな感じでコジコジの原画(漫画ちゃんと読もうと思った)やエッセイ、さくらももこの私物や直筆のイラスト、絵画、詩(ポエム)、ご本人のラジオなどに触れつつ最後の章へ。

撮影可のイラスト

ここに飾られていた小さなイラストたち、私は森永で販売されていたちびまる子ちゃんのチョコレートのおまけのカードだと思ったんだけど実際はどうだったのかな。そのカード今も実家で宝物として大切に保存している。チョコレートも美味しかったな。

物販で買ったもの

先ほど紹介した「ももこのいきもの図鑑」に加え、値段も見ずに買ったものたち。今回の展示会の図録(内容豪華すぎた)や絵葉書セット、私の記憶にもある『りぼん』の付録だったレターセット、巾着袋やバンダナ、シール、キーフォルダー。

キーフォルダーはたくさん種類があったが、とっても共感できるこちらを選んだ。

わかる、ほんとそうだよね

本当はTシャツとかお茶っ葉とかバッグとかも買いたかったけど、苦渋の決断でやめた。

1番最初に買い物袋に入れたバッチ。どこに出てくるものかご存知だろうか?

こうやって売ってた

「まるちゃん 年賀状を書く」のひとコマだ。布バッグにつけようかブランドのバッグにつけようか、Tシャツにつけようか、どう使うかは考えていないけれど、買って本当によかったよ。プラスチックじゃなくて布なのが良い。

横浜は28日までだけど、次は静岡で6月17日から開催されるみたい。ちびまる子ちゃんランドついでにもう一度行くのもいいな。生の桜エビとか食べて、清水市巡ったりして。まる子が住んでいるところへ遊びにいく、そんな旅もしたいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?