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それぞれに物語がある『スヘルデの戦い』

昨日戦争映画を見たので、忘れないうちに感想文を書く。

戦争映画が好きで、見たその日は眠れなくなるくらい辛くなることもあるのにどうしても見てしまう。特に第二次世界大戦は、関わっている国が多い分エピソードも多く、涙なしには聞けない事実を知っておかなければという使命感もあったりするのかも。

どんなに苦しくても見たくてたまらなくなるのは、誰かから言われたわけじゃないけど、前世か何かが戦争に関わっていたんじゃないかなと思っている。

昨日見た映画はこれ!

『スヘルデの戦い』

まず、スヘルデって何?というところから。私はこの映画を見るまで「スヘルデ」が何なのか知らなかったのだが、どうやらオランダ、ベルギー付近に流れる川のことらしい。戦場はスヘルデ川の河口地帯、港湾だったようだ。港湾の占領は物資の供給などのためにも、かなり重要で優先すべきことなんだろう。

ノルマンディー上陸作戦でナチスドイツ軍が後退した1944年、ドイツ軍の占領下だったオランダは、当然スヘルデ川の河口地帯、港湾もドイツに支配されており、連合軍がノルマンディの次にどうしてもドイツから奪いたい場所だったようだ。

この物語は、スヘルデの戦いが始まる直前に、それぞれの場所、立場で生きる3人を焦点に当てながら進んでいく。

・オランダ市役所で働く医者の娘(17歳の弟がレジスタンス)
・ナチスドイツの軍隊に入ったオランダ人の若者
・連合軍の最高官の息子であり、パイロットのイギリス人の若者

それぞれ修羅場があり、このままじゃこっちの心が持たないよというタイミングで別の人物の場面になるので、割と平常心を保てながら観れると思う。シーンの切り替わりが多いので、分かりづらさは多少あるが、気が短くてすぐスマホを触ってしまう人にもおすすめだ。

ドイツにもオランダにも連合軍にも生きる理由があり、戦う根拠がある。それぞれの生き様を贔屓目なしに客観的に映し出しているところは良かったと思う。

ドイツ軍に抵抗するレジスタンスは、この時代の話には確実に出てくるのだけど、ドイツ軍は徹底的に弾圧するので、激しめな拷問や処刑など、そういう目を覆いたくなるシーンが出てくる可能性が高い。そんなレジスタンスに属する弟と、父親と姉の運命は…。

そしてドイツ軍に配属するオランダ人の若者。ドイツ軍に入隊となって、家族や周りにはかなり非難されたようだ。ドイツに占領されて嬉しいわけないし、オランダにとって確実に憎い国だから。それでも軍に入ったのは、生きていくための手段だったんだろうと思う。彼のシーンは1番多い気がするのでなんとなく3人の主人公の中でちょっとリードした存在なのかな。知らんけど。

最後に連合軍の最高官の息子。最高官の息子ゆえに世間知らずで自信家で無鉄砲。最初、彼を見て、唯一なんか、物語が終わるまで生きててくれそうな、ちょっとホッとするオーラを感じた。…のだけど、戦地の空き家で仲間が酒瓶を見つけ、夜な夜な酒を酌み交わし、今までに抱いた女性の自慢話が始まった時は、死亡フラグ的なものを感じ、やめてくれよと思った。実際どうなったかは見てのお楽しみ。

歴史を話すと、カナダ軍中心の連合軍はスヘルデの戦いに勝利する。戦闘シーンはさすがネトフリクオリティというか、あの破壊力は本当にお金がかかっていることだろうと思う(今ネットで調べたら、1400万ユーロって出てきたよ。20億だって、20億…)。リアルだし見ていて苦しいけれど、瞬きを忘れるほどの興奮を覚えた。障害物のない開平地での戦闘だったゆえ、犠牲者がとんでもない数だった模様。どのような戦いだったのかという解説の中で犠牲者の数などがエンドロールでも流れる。

この映画を見て、ヨーロッパの地での第二次世界大戦の知識を1つ増やすことができた。ネトフリは戦争などのアクション映画やシリアス映画が豊富なので、これから見る戦争映画を、私なりの解釈で、友達にすすめる軽さで紹介できたらなと思う。



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