学生はNotionで論文管理しよう vol.2 ~論文執筆編~

半年前にNotionでの論文管理法と、そのテンプレートを公開しました。
これは「読んだ論文」や「これから読む論文」を管理するもので、いわば「論文を読むための管理ツール」でした。

実際に論文を書く時に面倒なのが、引用文献の管理とそのフォーマットです。
それを解決するために「引用文献まとめテンプレート」を作成しました。

テンプレートは以下にあります。
自由に複製・カスタムし使ってください。

引用文献まとめテンプレート

・・・

1. 論文での引用のめんどくささ

論文では過去の研究だったり、論拠となる本や記事を最後にまとめて一覧で掲載することが多いです。
特に卒業論文などでは引用件数が要件として含まれている場合があり、そのデータを管理する必要があります。

また、論文を書く際はあらかじめWordやTeXのテンプレートが用意されていることが多いですが、引用のフォーマットは学会などにより様々です。以下に3つ例を示します

情報処理学会: 著者名. 論文タイトル. 会議名/雑誌名, 年. vol, no, p.
電気情報通信学会: 著者名. 論文タイトル, 会議名/雑誌名, vol. no. p. 年.
ACM: 著者名. 年. タイトル, 会議名/雑誌名, vol, no, p, doi.

これらのフォーマットを把握したうえで、提出前にすべての引用が正しい形で記述されているかチェックする必要があります。
これは引用件数が多いほど大変な作業です。

今回やりたいことをまとめると

1. 引用文献をリスト化して管理したい
2. 引用フォーマットに従って自動整形したい
3. 英語文献の件数を把握しておきたい*1

となります。

*1: 卒論の要件にあったため。

2. それできるよ、そうNotionならね

Notionにはデータベース機能があります。
これを以下のように使うことでやりたいことをすべて実現できます。

1. 引用文献のリスト化 → 全部データベースに入れるだけ
2. 自動整形 → Formulaを使う
3. 英語件数 → Checkboxを作ってカウント

そしてできあがったのがこちらになります。
今回は打ち込むためのType View(下の画像1枚目)と論文にコピペするときに使いやすいReference View(下の画像2枚目)の2つのViewを作成しました。

タイトル、著者名、会議名(雑誌名)、vol、no、ページの始まりと終わり、年を入力することで、引用のフォーマットに自動整形します。

論文によってはvolやnoがなかったり、ページが1ページのみだったりする場合があるので、Formulaを工夫することでそれに対応しました。
なので、Formulaの式自体はかなり気持ち悪いことになっています。

prop("Authors") + ". " + prop("Title") + ", " + prop("Conference or Journal") + ((not empty(prop("Year"))) ? (", " + format(prop("Year"))) : "") + ((not empty(prop("Vol"))) ? (", vol. " + prop("Vol")) : "") + ((not empty(prop("No"))) ? (", no. " + format(prop("No"))) : "") + ((not empty(prop("p(start)"))) ? (", pp. " + format(prop("p(start)")) + ((not empty(prop("p(end)"))) ? ("-" + format(prop("p(end)"))) : "")) : "") + "."

ただ論文に貼り付けるときは少し注意が必要です。
Notionの仕様上、Formulaの列は選択するとFormulaの編集がポップアップされてしまいます。

なので、コピペしたいセルを選択後、Escキーを押し、Formulaの編集を解除してCtrl + Cでコピーする必要があります。
ちょっと手間ですが手動でフォーマットチェックするよりかはマシです。

3. 自分が使う形にフォーマットを変えるには？

先ほど触れた通り、引用形式は学会や雑誌によって異なります。
そのため、多くの場合テンプレートのフォーマットをカスタムする必要があります。
やりかたとしては「Formulaの形式を変える」の一択です。
しかしFormulaは慣れないと少し大変です。
今回のは文字列を+でひたすらくっつければいいので慣れてしまえば簡単にできます。
Formulaに関して詳しいことは、Notionのありとあらゆる知見の集まったサイト「Npedia」内の公式ヘルプ日本語版に、詳しく書いてあるのでここを参照することをおすすめします。

関数機能 | Formula

・・・

今回はNotionを使って論文の引用文献の管理と自動フォーマットするテンプレートを作成しました。
これは自分の卒論で大活躍したので、ぜひ使って見てください。

また学生はNotionのPersonal PlanをFreeで使えるので、ぜひNotionを活用してみてください。
授業板書とかにも使えると思います。

他にもいろいろなテンプレート(日本語)がNpediaに公開されているので、他のテンプレートも触ってみてください。

日本語テンプレート | Npedia