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足関節後方インピンジメント症候群について

医学については全くのド素人が書く、足首が痛くなる病気についてのメモくらいに思ってください。


僕の競技遍歴

僕は現在、福岡県の九州産業大学でフィンスイミングという大きな足ヒレを履いて泳ぐ競技に取り組んでいます。

数年前に炎の体育会TVでお笑い芸人のオードリー春日さん達がやっていた競技です。


僕は高校一年生の11月ごろにこの競技を始めました。もうすぐで5年目になります。フィンスイミングを始める前は長らく競泳をやっていました。

そのため、高校の間は競泳の練習をメインで行いながら、週に一回程度フィンスイミングの練習を行うというような練習パターンでした。

愛媛県というほとんどフィンスイミングが認知されていない環境での練習だったので、練習場所まで車で往復4時間ほどかかっていました。

それでも一度の練習の中で頭をフル回転させ、様々な人に支援していただいたおかげで、高校2年生の時にはワールドカップで優勝することが出来ました。


元々は、高校卒業後は楽しみ程度に続けることができればいいかなぁ、と思ってたのですが、ワールドカップに出場してから、本気で続けたいという、覚悟にも似た感情が湧くようになり今に至ります。

現在は大学で週に5日程度練習時間を確保でき、自分で言うのもなんですが、日本一恵まれた環境で練習を詰めていると思います。



足の故障について

それでは本題の足の故障について書いていこうと思います。


足関節後方インピンジメント症候群

僕の両足には「過剰骨」と呼ばれる、10人に1人くらいが持っている余分な骨があります。

その骨は本来他の大きな骨に引っ付いているのですが、運動や怪我などの衝撃が加わると剥離してしまい、足首の中でちょこまかと動いてしまうのです。

こちらが実際のレントゲン写真になります。
脛の骨と踵の骨の間にある小さな骨が、今回問題になっている過剰骨です。

小さいとはいえ、大きさ的には成人男性の小指の第一関節までくらいの大きさがあります。

このサイズの骨が剥離して動き回るので、足首の曲げ伸ばしをするだけで痛みが走っていました。

このような、足首の後部組織に炎症や痛みが発生する症状のことを「足関節後方インピンジメント症候群」というらしいです。


発症の経緯

フィンスイミングという競技の競技特性上、かなりの高負荷がかかった状態で足首が伸展するので、足を蹴り下ろすたびに組織が傷んでいたのだと思います。

僕はこのインピンジメント症候群を両足で発症しました。
大学一年の終わり頃に左足の後方部、大学2年の終わり頃に右足の後方部で発症しました。

どちらも同時期、大体11月ごろに痛みが出始めて、12月の終わり頃には痛みに耐えられないほどになりました。

個人的には、気温の変動による筋肉や筋の強張りが誘因となっているような気がしています。


治療法としては、リハビリ等による保存療法と、手術による治療があります。
僕の場合、すでに癒着瘢痕化(炎症が起こり固まってしまうこと?)している組織がかなり多かったため、両足共に手術を行いました。


手術について

手術は内視鏡を用いた方法で行われたため、足首の2箇所に1センチ程度の切開をするだけで終わりました。

こんな感じの小さな傷です。

手術時間はおよそ1時間から2時間。
全身麻酔と、太ももから下のブロック麻酔で行われました。

比較的リスクの少ない手術だったので、不安やストレスも少なかったような気がします。


リハビリ(入院中)

術後はリハビリに勤しみました。
術後数日は寝たきりの状態でのリハビリです。
理学療法士さんが病室に来て、指を動かしたり足の軽いストレッチをしてもらっていました。

この期間はトイレに行く際も看護師さを呼ばなきゃいけないので、不便さよりも申し訳なさが勝っていました笑

僕の場合は3日目辺りで車椅子での移動ができるようになりました。ですが、術部に血液が溜まらないように、なるべく寝たきりで生活するようにしていました。
同じく3日目あたりからシャワーも浴びれるようになりました。

1週間ほどで抜糸が行われ、その時期にはリハビリ室でのリハビリへと移行されていました。

最初は足を下ろして、座った状態で指をグーパーしたり、じわじわと荷重を加え、痛みが出ない範囲を探っていました。
僕はなぜか治りが早く、この段階で体重の半分の荷重をかけるくらいは軽くこなせていました。(つまり、両足立ちが出来ていました)

この時期から松葉杖での移動に変わりました。
松葉杖歩行がなかなかきつくて、いい体力回復になっていたような気がします。


その後1週間ほどかけて全荷重や、軽い歩行の練習をしました。
荷重をかけることよりも、足の蹴り出しによる筋の伸縮がかなり辛かったです。(超母子屈筋とかいうやつが痛むらしい)

2週間ほど経つと歩行はそれなりにできるようになり、階段歩行の練習を行いました。
意外と登りはスイスイ行けるのですが、下りがえげつないほど辛い。めちゃくちゃ筋が痛くなりました。

ただ、2〜3日練習を続けるとこれも余裕になり、晴れて退院することができました。

本来は、退院後もリハビリに通うのが理想なのですが、1度目の手術の際はあまりにも治りが良かったので通うことなく終わりました。

その影響もあってか、いや、まさしくその影響で2度目の手術が必要になりました。

2度目は慣れていたのもあったので、すんなり手術→退院と進みました。


リハビリ(退院後)

2度目は流石に学んで、退院してからもリハビリをすることにしました。
けれども大学生活が多忙すぎて、退院後3ヶ月ほどはリハビリを開始することが出来ず、結局5月の日本選手権が終わってから通院するようになりました。

入院中は生活復帰に向けてのリハビリでしたが、退院後はスポーツリハに切り替わります。

最初は痛みを抑えるために、足の細かな関節の可動性や位置関係の調節を行ってもらっていました。
今でも練習や歩行の際など、普段の癖で歪んでしまう関節を調整してもらっています。



だんだんと痛みが治まると、軽い筋トレ等を行うようになりました。
超母子屈筋等の、足指に繋がる筋肉をメインに鍛え、他にも股関節などの可動性を高めるトレーニングも教えてもらっています。


梅雨特有の痛み

ただ、梅雨時期に入った頃、気圧の変化に伴い足に鈍い痛みが出るようになりました。
元々、雨の日なんかは偏頭痛が起こりやすい体質だったので、強く影響を受けていたのだと思います。

座っている状態から立つと、ズーンと痛みが出たり、冷房なんかで足首が冷えると痛みが強まったり、と言った具合でした。

その時期はもちろんまともに泳ぐこともできず、気分も滅入ってしまっていました。

基本的にはストレッチのみ。
皆んなが泳ぐ姿をうらめしそうに見つめながら涎を垂らしていました。

梅雨が明けると徐々に鈍痛も治まり、普段通り動かせるようになりました。

そして今現在に至ります。



個人的な解釈

自分は、両足首でインピンジメントを発症しましたが、経緯が少々異なっていました。

実は(というよりおそらく)、左足首に関しては小学生の頃に発症していました。

もともと存在していた過剰骨が、小学生の時にサッカーをして捻挫した際に剥離していたのではないかと考えています。


それにはいくつか根拠があって、左足首の痛みというのは中学校の頃に競泳の練習をしていた際にも感じていたのです。

その頃はフィンスイミングはやっていないので負荷が軽く、重症化には至りませんでしたが少なからず痛みを感じていました。

また、手術前の時点で右足首と左足首を比較した際に、左足首の方が可動域が広かったのです。

自分は、左足の過剰骨が成長期以前に分離していたために、過剰骨摘出時と同等の可動性を発揮していたのではないかと推測しています。


対する右足については、左足首の術後10ヶ月ほどで痛みが出るようになりました。

この術後10ヶ月というのは、ほぼ完全に足首が治り、練習量も故障前より多くできるようになってきた時期でした。

左足首については手術を行い、痛みも消えていたので違和感すらなかったのですが、先述しているように、元来右足首よりも可動域が広かったのです。

フィンスイミングにおけるモノフィン種目では、両足を固定してドルフィン動作を行うため、両足首において同等の可動性を求められます。

そのため、左足首の可動性に右足首が追いつけなくなり、右足首の後方でインピンジメント発症+過剰骨の若干の剥離が起こってしまいました。


これらのことから、
左足首は、後部の可動域には問題がなく、前部の靱帯に若干の伸びが見受けられ、
右足首は、前部には問題がないが、後部の可動域が狭いため拡張の必要性があるのではないかと考えています。


現在は、右足の術後半年ということで、ある程度回復している時期ではあるのですが、まだレースペースで練習したりすると痛みが出てしまいます。
また、練習が重なると左足首の前方に緩みが生じ、痛みへと繋がってしまいます。

左足首については、可動を制限するための補強を行い、右足首は可動性を出すためのストレッチング・補強を行う必要があると考えています。


過剰骨摘出後もインピンジメント症候群は再発する可能性があるようです。
再発を防ぐためにも、リハビリをしっかりと行う必要があると感じます。

約半月後に行われるワールドカップに間に合うかは分かりませんが、自分の競技人生をより長く継続するためにも、ここは慎重に治していこうと思います。

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