Ninny

心を動かす人、もの、できごとについて。文章を書いたり、写真を撮ったりします。

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最近の記事

そこにあったのは幸せだった。

2017年 ヘルシンキ世界選手権 観戦記 フィギュアスケートのファンは幸せだ。 そう思うことは、これまでも何度かあった。 選手が、ノーミスで滑り終えた時、ベストスコアを更新した時、 課題としていた技が決まった時。 そのガッツポーズに、その涙に、ともに歓喜し、 ファン同士喜びを分かち合う。 それが応援している選手ならば、感動も尚更だ。 他のアスリート同様、フィギュアスケーターの多くも、怪我やスランプなど様々な障害にぶつかり、それらを克服しようともがいている。 ファンはそ

    • 彼と私たちの「羽生結弦」

      何度も考えた。 そして今も、考えている。 どうして、こんなにまで「羽生結弦」に惹かれるのか。 性別も、世代も、国境をも軽々と超えて、 こんなに多くの人々に愛される存在を他に知らない。 才能、実績、人格、そして、その姿の美しさ。 彼を讃える言葉なら、数え切れないほど聞いてきた。 それも、多くの違った言語で。 アスリートの世界では、強さは何よりの魅力だ。 絶対王者が一番の人気を集めることに何ら不思議はない。 強者の圧倒的な力に、人は感服し、憧れる。 私にとってもそれは「羽生結弦

      • じっとしている。

        今日も、じっとしている。 少しでも動いたとたん、大きな波に飲み込まれそうだから。 ついた傷跡から、血が流れ出しそうだから。 だから、息を潜めて、じっとしている。 いつまでもこうしていられないのは、わかっている。 一歩踏み出せば、助けを呼べば、安心できる場所へ逃げ込めるだろう。 それでも今、足の運び方を、声の上げ方を思い出せない。 起きたことすべてに意味があるーー。そんなことを私も思っていたっけ。 起きたことがすべてーー。意味なんて考えなくて良かったのに。 ただひたすら、受け

      そこにあったのは幸せだった。