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五感を意識してケアしよう

あんそくです。

今日は人間のもつ五感を意識したケアについてお話したいと思います

利用者の五感を意識してみる

五感。視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚 ですね。

この五感から得られる情報から脳は体の外の世界を自分なりに定義して、行動の判断をします。

自分なりに・・・と書いたのは、判断基準が固体で違うからです。


どうしてちがうのか?

簡単なことで、それまでの経験してきたことが、人それぞれ違うからです。

経験したことをその固体が必要と思った事を記憶として蓄積。(この選別も人それぞれです。)

記憶の作られ方


蓄積されたデータと、五感から入ってくる入力情報を照合。
自分なりに最良と思われる行動を選択。
感情を作成⇒自分でそう思ったように感じさせる
行動

というステップをふみます。


蓄積されたデータ = 生活歴やその人の性格、焦ったときの行動の仕方

になり、これはその人の歩んだ人生なので変えようがありません。

だから、同じように笑顔で対応しても、嬉しいと感じる人もいれば、

こいつ胡散臭いと感じる人もいるわけです。


でも、五感からの情報は、現在なので変更可能です。

なので、五感から伝える入力情報を意識して変更して、どのような蓄積データと照合されて、行動されるのか、考えるだけでもケア内容は大きく変わります。


視覚

視覚情報は、目でとりますよね。

ここでびっくりなのが、色を認識する目の細胞は中央にあるぐらいで、両端にはほとんどなく、色補正を脳がおこなっているということ。

歳をとると細胞数は減るので、色の識別も難しくなります。

なので、食器や道具など色のはっきりした物を使うようにしましょう。

認識度が上がります。


さらに周辺視野も制限されていきます。

ほぼ前しか認識できなくなります。

なので、後ろから声をかけるとびっくりします。だからやっちゃだめです。

横からもダメ。

介助者が認識してるだろうと声をかけても、認識できていない場合が多いのでびっくりされます。

基本正面からです。正面から声をかけましょう。

目線は同じ高さから声をかけましょう。

聴覚

耳も遠くなります。

また、言葉の音入力ができても、意味ある言葉に変換できないことがあります。

そのときは、音の長さを調節します。

要は、文章を単語で伝えるのです。

どのくらいのセンテンスであれば、理解できるのか人それぞれなので、それは探ります。

また、絵文字、ジェスチャーで補うと

視覚+聴覚 情報になるので、理解度は上がります。

認知症が進んだり、失語症が重いときは、音としての言葉の入力はせずに、

ジェスチャーや文字だけに絞って、集中して処理できるようにする場合もあります。

味覚

味覚も鈍磨します。

美味しくないと感じる事もしばしばです。

でも、人間の脳は勝手に補正をかけてくれます。

事前に美味しいという情報が入ると、味覚で感じた味に、聴覚で得ている情報を上乗せして判断するんです。

逆に まずい、苦い などマイナスの情報が先に入っていると、味覚もそのように感じます。

上手くつかってください。


嗅覚の情報も大切です。

いいにおい + 見た目の美味しさ に 実際の味覚からの情報が入ると、これも上乗せ情報となり、美味しいという判断になります。

触覚

認知症になるとびっくりすることが増えます。

情報乏しくなります。でも、体が動かれる方であれば、座る動作の前、動く動作の前に何かに触れて、分かって、動き始めると安心がえられるので、積極的に活用しましょう。

一番分かりやすいのが、移動時、何かにつかまる、握る です。

介助者のペースで立たされたり、座ったりさせられると、利用者は怖いのです。

介助者ペースでは早いのです。

だから、怖いので、何かにつかまり、手を離さない、介助者は「離して 離して」と叫ぶ。

と悪循環に入っていきます。

だったら、最初から何かにつかまれる状況をつくる。

さらに、単語で何が起こるか伝える

視覚情報で、介助者を認識してもらう

を重ねると、触覚 + 聴覚 + 視覚 情報がプラスされて、

安心度もまして、利用者も怖さで力まなくてもいいので、

お互いに無駄な力比べをしなくてすみます。

嗅覚

嗅覚は昔からある感覚なので、脳と直結しています。薬でも脳と直結しているので、鼻から吸って、脳に届けるっていう薬もあるくらいです。

アロマの効果はあると思います。リラックスしますしね。でも、好きな香りは人それぞれなので注意。

それと、アロマだけで解決するってこともないです。あくまでもプラスアルファの部分ってこと。関わりがだめなら、いくら好みの香りを匂っても、落ち着かないのは当然ですよね。

食べ物のいい香り、お風呂のいい香りなど、その場面の前に体感できると、期待が膨らんで、「○○したい!」と感じで、食がすすんだり、お風呂にはいりたくなったりする場合もあります。

まとめ

脳は五感からいろいろな情報を得て、判断し、補正をかけて、行動にうつしています。

なので、どのような情報が受け取りやすいのか、どのように判断されるのかを調べてケアに活かしましょう。


認知症ケアについて考えるときに、池谷裕二先生(経歴は調べてね)の本は大変勉強になりました。是非、読んでみてください。

認知症の人の行動理解につながると思います。

認知症ケアだけの本を読むより、脳のシステムを分かるほうが近道だと思います。

小難しく書いている脳の本とか、一部分だけ書いている本はたくさんありますが、私みたいな素人でも、脳の事がわかるように書いてくださった本です。

一読あれ!

いろいろ、ゆったりと書いてきまーす。