見出し画像

コロナ感染で精子は減ってしまう?コロナ禍の不妊治療に関するよくある質問を小塙理人先生が解説

医療法人小塙医院 小塙理人先生をゲストにお迎えしてお送りする、妊活ラジオ 〜先端医療の気になるあれこれ〜 新型コロナウイルス感染症の妊娠出産・不妊治療への影響は?ERA・EMMA&ALICE検査についても、詳しくお伺いしました。

妊活ラジオ」は、FM西東京にて毎週日曜あさ10:00~放送中です!アイジェノミクス・ジャパンのYouTubeチャンネル「妊活研究ラボ」でも、アーカイブ配信しています。

医療法人小塙医院について
小塙医院は1974年10月、小塙理人先生の御祖父さまの代に開業され、現在まで約40年を経ている茨城県小美玉市の婦人科・不妊治療クリニックです。不妊治療は1990年に開始されました。茨城県で最初に本格的な生殖医療を開始した施設のひとつです。

小塙理人先生について
小塙理人先生は2013年に千葉大学医学部を卒業。初期研修後、慶應義塾大学病院の産婦人科教室で産婦人科研修を経て、生殖医療を学び、2019年から小塙医院で婦人科・不妊治療の診療に携わっておられます。

アイジェノミクスのTRIO検査を導入している小塙医院

茨城県で長い歴史を持ち、最初に本格的な生殖医療に取り組み始めた小塙医院ではERA検査をはじめ、アイジェノミクスのさまざまな検査を利用されています。

小塙医院では着床不全の患者さんで、特に2回以上、よい胚・胚盤胞を戻しても妊娠しない患者さんにERA検査、TRIO検査(ERA・EMMA&ALICE)を勧めています。

着床期がずれている患者さんは世界的に25〜30%くらいいるといわれています。2、3回移植を行っても妊娠しない、着床不全の患者さんを対象にした場合、小塙医院のデータによると40%もの方に着床期のずれが見つかるそうです。

小塙医院では胚移植の前に子宮鏡を行っています。しかし、炎症がない患者さんでも着床しなかったり、炎症があっても妊娠したりする患者さんもいるため、子宮鏡検査だけでは子宮内の環境は把握しきれないと感じているのだそう。

そこで、小塙医院ではERA検査と併せてEMMA&ALICE検査という子宮内フローラ・細菌叢の検査を行っています。

ERA・EMMA&ALICE検査は、着床の窓と子宮内フローラを一度の検査で調べることができる、アイジェノミクスの検査です。

胚移植がなかなか上手くいかない方は、ERA検査だけでなく、子宮の中の乳酸菌の量や細菌バランスを調べるEMMA&ALICE検査を同時に行うというのがおすすめだと小塙理人先生はお話くださいました。

新型コロナウイルスの妊娠や不妊への影響は

「コロナになると不妊になってしまうんじゃないか」「ワクチンでも不妊になってしまうんじゃないか」「コロナに罹ってしまって精子が全くゼロになるんじゃないか」小塙先生のところにはさまざまな質問が寄せられます。全く根拠のない情報と正しい情報、様々な情報が錯綜している感じがするそう。

妊娠中に新型コロナウイルスに感染するとどうなるのか?という質問もよく聞かれるとのことで、2020年の9月頃に報告された学会論文をご紹介くださいました。その報告では、コロナに感染した192件の研究データのうち73%の妊婦さんが無症状だったということです。

コロナ感染の症状は倦怠感や息切れ、鼻づまり、吐き気など、妊婦さんにもよく見られるものが多いため見分けがつかないのでは、と考えられているそう。ただし、疑わしい症状がある場合にはきちんと検査を受けましょう。

SARSやMERSが流行した時にはウイルス感染によって免疫状態が悪くなり、流産されたという事例が報告されていました。

コロナ感染に関しては、妊娠中、特に妊娠初期のデータがまだ少ない状況ですが、流産のリスクが上がるという報告もありました。ただし、この件に関しては今のところ結論は出されていません。※2021年10月時点の情報です。

少なくとも、熱が出て、また炎症を受けることによって子宮収縮が起きるので、流産のリスクにはなり得ると考えられます。妊娠中はなるべく罹らない方がよいですし、罹った場合には早めの対処が大切ですので、必要に応じてきちんと検査をすべき、と小塙理人先生はお話くださいました。

コロナに感染したら精子に影響がある?

男性に関してはウイルス性精巣炎(精巣に起こる炎症)によって精子が減ってしまう、精子の運動率が下がるという文献が出ていおり、男性不妊に影響する可能性があると言われているのだそうです。

小塙医院にはコロナウイルスに罹って入院された方、無症状だった方、様々な患者さんがおられます。コロナ感染から回復した男性の患者さんの精液を調べると、全く無症状だったにもかかわらず、精子の運動率がかなり落ちてしまった方もいたとか。

もちろん、その逆に、入院・感染前後で精子の所見に全く変化がなかった方もいらっしゃり、人によって影響は異なるようです。感染後は精液検査で精子の数や運動率を確認するのが望ましいでしょう。

小塙理人先生は、性交渉とコロナに関する研究についてもご紹介くださいました。先生が調べた文献によると、精子からはコロナウイルスの検出が確認できたが、膣の分泌液からウイルスが検出されることはないとのことで、性行為そのものよりも、キスやハグによる接触感染が多いと考えられているそうです。

ワクチン接種はしても大丈夫?

ワクチン接種が開始された当時は、ワクチンを打つことで不妊になるのではないか、妊娠は出来るのかとかそういった質問も多く寄せられたそうです。

小塙理人先生のご意見としては、基本的にはワクチン接種が不妊に影響することはなく、妊活中、いつの時期でも接種はして良いとのことです。

ワクチンが出る前は、感染対策のために自粛をされる方が多く、不妊治療もお休みされていましたが、ワクチンが出てきてからは、積極的に治療を再開してくれる方が増えてきています。

疑問・質問は小塙理人先生に相談を

海外を中心とした既存の報告では、妊娠中の女性はそうでない女性よりもコロナに感染した場合の重症化リスクが多少高いと言われています。

コロナ感染は、ご自身だけじゃなく、赤ちゃんへのリスクにもなり得るという点に留意して、ワクチン接種や感染予防を考える必要があります。

小塙医院のウェブサイトでは新型コロナウイルスや、妊娠・不妊の情報が随時更新されています。疑問があれば、小塙理人先生に相談してみましょう!

小塙医院のウエブサイトはこちらから


体外受精を始める前に。不妊治療で悩んだときに。
不妊治療のための遺伝子検査ラボ アイジェノミクス

不明点・ご質問のある方は、この記事のコメント欄やウェブサイトまたはフェイスブックツイッター等各種SNSよりお気軽にお声がけくださいませ。アメブロでは、よくある質問などにもお答えしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?