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日記 2024.5.27(月) 離れて暮らしていても安心を作っていくことはできる。

大波乱のくんせいの日から一夜明け、おだやかな朝。今日は台風の接近もあって朝から雨だった。雨どいからびちゃびちゃと雨が流れる音がして外がにぎやか。

しぱしぱの目のまま今日も台所まで走って行って目を覚ます。暗くて少し肌寒い。でも雨が降ってくれると畑がうるおうし、水やりの必要もなくて嬉しい方が大きい。今日は畑を休んでいいのだな、体を労わることができるな。

と言いつつも小雨になったところでお母さんの手伝いで一度畑に出た。雨粒のついた木々、草がなんともみずみずしく美しい。庭から見える霧のかかった山々の景色も最高だなと思ってしばらく散歩をしてみる。

よし、今日は家の中でできることをしようとまずはお母さんの虫食いニットの穴を埋めていく。おんなじ色の糸で目立たないようにやってみる。繕いものは畑に出られるときはついつい後回しになってしまう。あと少しお母さんの冬物が残っていたものを洗って干したら今度こそ衣替えが完了する。お父さんも着ていない服を処分したりしていたし、さっぱりして夏を迎えられるだろう。

みんなでかけてひとりになった時間を利用して本を読んでみる。実家にあった絵本、「銀河鉄道の夜」を開いてみる。童話や詩をたくさん残したという宮沢賢治さんに想いを馳せる。文章から彼の願いや気持ち、思いやりがずきずきと伝わってきた。そういえば久しぶりに本を開いたような気がする。わたしはやっぱり昔から本を読んで本に助けられ、本から考えるきっかけをもらってきたのだったと思い出した。宮沢賢治さんの故郷を訪れてみたくなった。

お昼ご飯の準備をする。茹でて水につけて保管してあるたっぷりのたけのこをどうにかしなくては。一部は今日のお昼ご飯にわかめと炊いてみるのと、オリーブオイル漬けももう一回作ってみる。オイルを敷いてニンニクをこんがり焼き香りを移したところに薄切りにしたたけのこを入れて炒める。うっすら焼き色がつくまでしっかりと炒めたら塩こしょうをして熱いうちに保存瓶に詰め唐辛子も入れてオイルを注ぎ蓋をする。1ヶ月くらいは持つらしいからしばらく楽しめそうだ。そのまま食べてもパスタの具材にしてもいいと書いてあった。ひと瓶わたしの家に持って帰ってみたいと思う。

お昼はわかめとたけのこの炊いたのと、昨日いただいた牛肉を焼いてレモンに塩こしょうと焼肉のタレでシンプルにいただく。牛肉はやっぱり美味しかったけれど、たけのことわかめの炊いたのんも山椒を添えてむちゃくちゃ美味しかった。煮物の味付けも少しずつ体が覚えてきて楽にできるようになってきた。

お昼になったら雨もやみ、だんだん天気がよくなってきた。そういえばと思い出してお母さんに一山超えたところにある古民家カフェのやっているパン屋さんへ行ってみないかと誘ってみたらもちろん行くと返事が返ってくる。
途中の山の中で何度か立ち止まり写真を撮ったりしながら向かう。わたしはこの雑木林の中をゆく道が大好きだ。時々車で通ることはあっても立ち止まることがない場所なので、車を降りてみると目新しく面白い。山の空気を体いっぱいに吸い込む。山アジサイらしき花と、よもぎを採取した。

実家から近いのに機会がなくてなかなか訪れることができない古民家カフェ。今度こそお父さんと3人で予約してランチに行こうと言いながらカフェの前を通り過ぎパン屋さんのある場所へ向かう。通り沿いにあるパン屋さんの店内はとっても広々としていて開放的だった。元々何かのお店だったような佇まい。店内に誰もお客さんはいらっしゃらなくてわたしとお母さん、じっくりとパンを選ぶことごできた。
わたしはライ麦のカンパーニュを選んでお母さんは全粒粉入りの食パンと柔らかそうなくるみとレーズンのフォカッチャのようなパンを選んだ。うちはやっぱりパンもシンプルなものが好きなのだ。帰り際に見かけたスタッフの方の疲れた表情が少し気になりつつ帰った。

山越えのこの道は車一台がギリギリ走れるくらいの道幅しかない。それでもいつもはあんまり対向車と鉢合わせることもなく進めるのだけれど、今日は何故だか何度も車に出会ったのだった。珍しいよね、とお母さんと笑い合いながらのんびりとした楽しいドライブだった。

帰って食べてみたパンは少し酸味のあるしっかりと硬さのある力強いパンだった。久しぶりのパンで嬉しい。さっそく明日の朝ご飯はハチミツとバターパンにしようということになった。

わたしは実家にいる時、お父さんとお母さんの行動やクセを注意深く観察している。掃除した場所がどれくらいで汚れてきそうか、いつも使う物がお母さん、お父さんにとって使いやすい場所に置いてあるかどうか、細かくみていく。使いにくそうな場所は相談して場所を変えたりアイデアを出してみるし、掃除が行き届かなそうな場所はなるべく汚れにくい工夫をする。次に帰って来た時にどういう変化があるかもみていくとどんどんと実家を快適にしていくことができるのではないだろうか。わたしは実家の環境整備を担当している。

すぐに飛んで帰ってこられない場所に住んでいてもお父さん、お母さんの力になることはできる。離れている時間も安心してわたしの時間を過ごせるようにしたい。実家の環境整備はわたしのためにしているのだと思う。

毎日変化のある実家での暮らしからまたしばらく離れることになる。安心して行って来ますが言えるように力を尽くす。

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