日記 2024.7.9(火) 一年前にはなかったもの。
エアコンをつけっぱなしで寝てみた。わたしはエアコンのわずかな音も気になるほうなのでつけっぱなしで寝たことなんてこれまでなかったと思う。なんでも実験的に試してみる。
昨日は早く寝たこともあり4時ごろに目が覚める。エアコンもつらそうな音を鳴らしているので一度消してあげよう。4時台はまだ涼しいので窓を開けて扇風機で過ごす。やっぱりこのほうがまったくもって気持ちがいい。もう一度うとうとして7時に起き上がる。
ほぼ予定通りに生理がやってきた。お腹周りが重い。生理の時はずっと体の中にもやもやするものがいる。調子は良くてもなんだかずっと曇り空を抱えているみたいだ。
お弁当を作る。今日もカレーの残り。じゃがいもの味噌マヨネーズ和えがもうそろそろあやしい。今日はまだいけそうなので朝ごはんにぜんぶ食べた。じゃがいもで一度ものすごくあたったことがある。火を通したじゃがいもは早く食べるべし、身を持って学んだ。ちゃんと自分で経験するといい。ちゃんとわかるから。
外に出ると曇り。わたしとおんなじだね。今日はまだ風があるので過ごしやすくありがたい。昨日はほんとうにほんとうに暑かったのだ。
今日は一日課題の日。液晶に集中するとやっぱり頭痛がしてくる。お昼までなんとか耐えて、お昼ご飯を食べたらなんとかおさまってくれた。トマトの赤、カレーの黄色、紅しょうがの薄ピンク、ザワークラウトの若草色、自然の色がわたしを助けてくれたのだと感じる。わたしの作ったものたちにいつも助けてもらっている。
課題は無事に提出し終わった。時間が余って最後に変なことしてしまったけれど、時間配分もよくスムーズに終えられた。自分の好きなようにやっていいと言われるのが大好きだ。自分で組んだ段取りに沿ってやっていくのは実に楽しいし、わたしはこれからもそうして生きて行きたいと思う。
たくさん仕込んだザワークラウト、ひとつは発酵がうまくいかず茶色く変色して腐ってしまった。ザワークラウトを失敗したのは初めてのことだったので少しショックだった。夏場はクーラーの中でも常温で発酵させるのはちょっと厳しいのかもしれない。重量の2%の塩しか入っていないからというのもあるだろう。塩と発酵の関係もいろいろと見えてきて面白い。
帰りに今日はこだわりの八百屋さんへ寄る。駅を出ると雨が降ってきた。傘を持ってきてよかったねと小さな子どもが玉虫色のカラフルな傘をひらく。わたしは面倒くさくて濡れながら八百屋さんまで進んでいく。夏の雨は好きだ。あつあつのアスファルトの温度が下がっていくのが嬉しい。
八百屋さんでは大根一本となめこ、ミニトマト、お魚ソーセージ、またしても新生姜を買った。新生姜の紅しょうが、こうなったらとことん漬け続けてやるぞ。黒酢と梅酢の組み合わせに新生姜のはじける美味しさがなんとも言えない味わいで食べ始めると箸が止まらなくなる。
八百屋さんから出て歩き出す頃には雨はやんでいた。お魚ソーセージをかじりながら歩いて帰る。図書館の前を通るとセミが鳴いていた。夏の音がする。もうあっという間に夏なのだな。
今日はあんまり食欲がなかったので食べられるものを探したらわたしが大根となめこがいい、と言ったので買ってみた。夕飯はナスとわかめ、大根となめこのお味噌汁を作ったら美味しくできてするすると食べられた。お味噌汁は明日の朝の分も少し残しておこう。お味噌汁が美味しくできるとすごく嬉しい。今年の秋からは自分の作ったお味噌でお味噌汁が食べられる。待ち遠しいけれど、この待っている時間が何よりも愛おしい。
去年の7月はもう無職だった。あの時は得体の知れない不安の中にいたけれど、同時にわくわくもしていた。さあこれから何をしよう、やりたかったことぜんぶやってみたい、ひとつひとつやってみたいものからやっていこう。わたしには何にもない、何もないから自由に動ける、なんて身軽なんだ、そんなふうに感じていた。
わたしはまず絵を描き始めた。うまくいかなくて挫折したパステルをまた手に取って描き始めた。まっさらな紙に指で色をのせる。そこからわたしの継続する日々は始まったのだ。継続することが苦手だと思っていたわたしだけれど、好きなこと、気持ちのいいことならいつまでも続けられると分かった。わたしって面白い、わたしのこともっと知りたいと思えるようになった。自分に興味を持てるようになったのも無職になれたから。
わたしは無職の日々に満足し感謝している。暇でよかった、無職になることができてよかった。ほんとうに思う。
一年経ってわたしはわたしへの投資を始めた。あとどれくらいこのままでいられるかはだいたい計算できている。継続する日々は続けつつ、これからは自分への投資をばんばんやっていきたい。いまのわたしには一年前にはなかった魅力がある。行きたいところへ出向き、作りたいものを作りこれまでよりも少し大きく動いてみたい。わたしだけの小さな空間に安心安全を作ることができたいまだからできることがなにかある。まだまだ続く、この実験の日々。
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