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日記 2024.4.14(日) 休日を特別な日にしない。

5時ごろ起きてまいちゃんにメッセージを送る。今日はまいちゃんのお誕生日。目が覚めたので少し携帯を見てから二度寝。太陽が眩しくて起きたら9時をまわっていた。日曜日らしい空気を感じる。
のんびり休みの日を過ごそうと思ったら結構やることがある。ひとつひとつやっていこう。
洗濯機を回して小豆をたっぷり入れてご飯を炊く。番茶を淹れる。フリマサイトで売れた商品を梱包して発送準備。あっという間に11時になる。洗濯物を干す。昨日も洗濯したから今日は少なめ、すぐに干し終わる。物干し竿のスペースが余ったので毛布も干しておく。大根の皮も外に出して干す。ご飯が炊けて火を止めて、発送のためにポストへ向かう。いい天気。今日は半袖で出かけられそう。

YouTubeを聴きながら絵を描く。カーテンを開けて外の緑を時々眺めながら描く。窓を開けて気持ちのいい空気を部屋の中に取り込むと、この小さな部屋の見え方が以前とまったく違って見えていることに気づいた。きらきらしている。おだやかな安心感があたたかな空気と一緒に漂う部屋。しあわせで泣きそうになる。こころの状態によって、おんなじ部屋でも空気も見え方も変わってくるのだなと思う。しあわせを感じるセンサーが敏感になっている。描く喜びが指先を通して全身に広がる。ブランクーシ展で出会った『新生Ⅰ』という作品を写真に撮ってきて描いてみた。卵形の磨かれたブロンズの作品。つるっと金色でぷっくりとしたお米のような姿が美しかった。パステルに金色はないけれど、色を重ねていくうちになぜか金色が現れてきて自分でも驚く。この色が出したいという気持ちだけで描いたら辿り着いていた。どうやって、何色を重ねていったかは思い出せない。黄金に輝く球体を描くのが気持ちいい。わたしは球体を描くのが好きだということも知る。そういえば泥団子をつるつるにまんまるにつくるのもわたしは好きだったと思い出す。小学校一年生の時に初めてやった陶芸では水辺に浮かぶカモの背中をつるつるに仕上げることだけに集中して作ったこともあった。靴を磨くのもシルバーアクセサリーを磨くのも好き。わたしは磨くのも好きなのだった。

炊き上がったご飯をポーションしていく。お父さんと一緒でわたしも小豆入りのご飯が好きだ。炊き上がる時の小豆のほっくりあまい香りがいい。ラップを使い終わってから買い足さなかった。無漂白のさらし、さささを切って水に濡らしてかたくしぼり、ご飯を包んでいく。さらしに巻いたご飯はちょっとひっつきやすいのだけれどふかふかの見た目が大好きだ。お昼ご飯を作っていく。ご飯には納豆と大根おろしをのせる。お味噌汁はニラとねぎと菜の花を仕上げにばさっと入れて春を演出する。塩気が強かった麦味噌も時間が経つにつれてだんだんやわらかくフルーティーな香りになってきたなぁ。

なんだかんだで14時過ぎて外へ出る。途中でどら焼きをふたつ買って吉祥寺へ。井の頭公園の桜はもう葉桜だろうけれどまだきっと人は多いだろうな。公園に行く前に産直市場でハチミツをふたつ買う。父の日、母の日用。先に買い物も済ませようとスーパーへ。ここは黒ごまが安い。ふと野草茶が目に入った。モリンガ、松葉、はとむぎ、どくだみ、桑の葉、小豆などなど魅力的なラインナップが揃ってどれもティーバッグ10個から20個入りで298円。ちょっと興奮してしまう。お母さんに試してみたいものがあるか電話をかけてみたら出なかったのでお父さんにかけてみる。お父さんにお茶の話をしてもなんのことやら伝わらない。変なものを送るなよと返ってくる始末。そりゃそうだとやっと冷静になる。今日は弟夫婦に産まれた赤ちゃんのお宮参りに同行させてもらったらしいので話を聞く。抱っこさせてもらってお愛想してくれたと喜んでいる。写真もたくさん送ってくれたけれど、集合写真のお父さんの嬉しそうな顔が特に印象的だった。お父さんは白内障の手術も無事に終えたばかりなのでそちらも経過を聞いてみる。部分的に白くぼんやりしていた視界がはっきりと見えるようになり、また新聞を読む気になってきたとのこと。唯一不都合があるとすれば、自分の顔を鏡で見たら思った以上にシワがあることに気づいてしまったことだと言っていて爆笑してしまった。ユーモアのある返しはお父さんの真骨頂。その調子でいつも機嫌良くみんなを笑わせていてほしい。ひとまず野草茶は自分が試してみたいものだけ買った。美味しかったら実家用にまた買いに行くことにしよう。

いいにおいに誘われて寄ったコーヒー豆のお店でラージサイズ250円の破格のお値段のアイスコーヒーを買い井の頭公園へ。今日はなんだかお得なものに出会う日だなと嬉しくなる。普段シビアにもの選びをしておくと、こういう時の判断も早くなるのだろう。
メインの池の周りはやっぱりたくさんの人で賑わっていた。スワンボートには大行列。公園内を散歩しながら公園のはずれの駐輪場のある場所へ。うまくひとつ空いたベンチにすべり込み休憩。大きなイヌシデの木の周りに弧を描くようにベンチが設置してある。どら焼きを取り出しぱくり。ベンチで食べるどら焼きは格別に美味しい。欲張ってラージサイズにしたアイスコーヒーは少々冷たい。冷たい飲み物にするにはまだ早かったかな。風に乗って毛虫のような花の穂がぽろぽろ落ちてくる。調べるとイヌシデは雑木林を形成する代表的な木らしい。葉っぱの形状が涼しげですごく好き。ずっと眺めていられる。隣の方では外国の方がたくさん集まって音楽をかけながら円になって踊ったり歌ったりが始まった。大学生くらいの方々かな。自国の音楽を流しながら時々手を叩き合ったりして楽しそうに踊る姿。ほっこりした。やっぱりここ好きだなと思いながら帰ることにする。近ごろは道端の雑草たちを観察するのに忙しい。前回はなかった大好きなカラスノエンドウ、ノカンゾウだかヤブカンゾウだかが出てきていた。野草図鑑が欲しい。公園のフィールドワークが楽しい。キジバトも発見。ドバトとキジバトの違いを知ってからハトにも目がいくようになった。キジバトは小さくてかわいい。うちのハトスケはいたり、いなかったりだし近くで観察できないのでじっくりとエサを探す姿を眺めた。何度も立ち止まりながら帰路につく。

感覚をフルに使い休日を楽しむことができた。これまで休みの日の夕方ってすごく苦手で憂うつだったのだけれどそんな気持ちもなくなってきていることに気づく。休日を特別だと思わなくなってきている。無職だからと言われればそうなのかもしれないけれど、それだけではなさそうな気がする。わたしはいま、休日も平日も自分で設定し構成して生きている。時間の使い方すべてが自分の責任で動いているのだ。そんなことできると思っていなかった頃はぜんぶ自分の責任で動くことをこわいと感じていた。経験していないことはみんなこわい。でも今はなんでもっと早くにこうしなかったのだと思うくらい一日、一日に満足しながら生きている自分がいる。休日の夕方のこころの状態を比べてみると違いがほんとうによく分かる。変なところに感覚を使わずに済んでいる。自分で作っていく毎日がいまほんとうに楽しい。これはわたしだけの気持ちなのだろうか。

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