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空港の人手不足解消策①


空港でのグランドハンドリングの人手不足が深刻

2023年11月30日にNHKは『成田空港 「グランドハンドリング」人手不足で国際線に影響』と報道しました。空港でのグランドハンドリング業務は、航空業界の重要な部分ですが、人手不足により飛行機の就航数に大きな影響を与えています。

国土交通省の「我が国の航空をとりまく現状」によると、旅客サービスを担当する従業員数は過去4年間で18%減少し、荷物や航空機の地上処理を担当するスタッフは10%減少しました。また、保安検査員数も同期間に21%減少しています。このように、空港業務全体が人手不足となっています。

注1:旅客ハンドリングは搭乗手続きや予約発券業務などの業務、ランプハンドリングは荷物や航空機の地上処理などの業務のこと。 注2:保安検査員数のみ2019年4月から2023年4月までを比較 出所:国土交通省「我が国の航空をとりまく現状」

グランドハンドリング業務とは

グランドハンドリングは、航空機が空港に到着してから出発するまでの限られた時間内で行われる地上支援作業の総称です。その内容は航空機の誘導や客室の整備、旅客の案内、手荷物・貨物の搭降載、燃料の給油等です。グランドハンドリングにおける人手不足は、航空機の遅延や荷物の紛失など、旅行者にとって不便をもたらしかねません。

足し算だけでなく、引き算の発想も必要


グランドハンドリングの人手不足は、空港オペレーションの効率性に大きな影響を与えています。人手不足の原因は多岐にわたりますが、特に若い労働力の減少と業界全体の魅力の低下が挙げられます。グランドハンドリング事業者は日本全体で400社以上存在します。各社とも賃上げなど労働条件改善により、グランドハンドリングに従事する従業員増加の努力をしています。しかし、こうした足し算の発想だけでなく、荷物取り扱い量の削減を通じて、この課題に対処するという引き算の発想が必要なのではないでしょうか。旅行者用衣類レンタルサービスなどは荷物量削減に寄与できるサービスであると考えます。

次回はグランドハンドリング負担軽減による航空チケット価格下落の恩恵について述べます。

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