大黒柱。

2020年12月。
こどもたちと昼逃げをした。

結婚生活を送っていたころ、
「大黒柱として家族を支える重圧を知らないくせに」
「家族のために働いているのに、ありがとうもないのか」
と、元配偶者がケンカのたびに話していた。
結婚初期は働いていなかったので、「気持ちを分かってあげられない、ごめん」とよく謝っていた。

昼逃げをし、家計を分けてから約1年半。
大切なこどもたちと生きるために仕事をするのはとても楽しい。
重圧というよりは生きていくために必要で重要なので働く。
収入を増やすために、情報収集をしたり、新たな職のための転職活動もつらくはない。
家事も結婚していたころよりつらくない。
家族の人数は減ったものの、総収入も減ったし、こどもは大きくなったので家事も出ていくお金も多少は増えている。
しかし、誰かに感謝しろとも思わないし重圧とも感じない。
あれだけ折に触れ、大黒柱の重圧を知らないくせにと吠えられていたのに今も重圧はわからない。

ワタシにとって、重圧だったのはこどもたちが新生児から乳児のころだった。
放っておいたら命を失うかもしれない小さな赤ちゃんを24時間1人で見ていたあの時間。
泣いていれば「おかあさん」
おしめが濡れていれば「おかあさん」
おなかが減っていれば「おかあさん」
何をしていても「おかあさん」「おかあさん」「おかあさん」
離れることができなかったあの日々。
しんどい思いを共有してくれたのは元配偶者ではなく、保育士のみなさんだった。

底をつきそうな銀行口座を見ながら、保育園に子を預け働く。
大黒柱であるはずの元配偶者は貯金を使い込み、カードローンまで手を出していた。
このころが一番しんどかった。

こどもたちを支える経済力、生活を安定させる経済力。
これからもつけていきたい。

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