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アヤメ園
200x年の初夏、新潟時代の日記が続きます。
一昨日の日曜日、天気がいいので、
新発田の五十野(いじみの)公園のあやめを見に行こうと、
午後からお出かけとなった。
新発田から五十野公園の入り口までタクシーで行く。
地方都市の例に漏れず、新潟も車社会で、
殆どの人は、マイカーで来ている。
入り口の直ぐ右手が総合スポーツ施設になっており、かなり広い。
左手は周囲一キロほどの池で、
正面に遊歩道があり、奥のアヤメ園に向かっている。
遊歩道の入り口に、ボランティアらしき女性が数人いて、
一人100円の寄付を、徴収している。
かわいい物だと思い、二人分200円を箱に入れると
公園の案内の書かれた紙を渡してくれる。
池を左手に見ながら遊歩道を進む。
水面のあっちこっちに、緑の葉が浮かび、その合間に、
黄色い花が、まっすぐ顔を出している。
河骨(こうほね)という睡蓮科の花で、蕪村が
「河骨の ふたもと咲くや 雨の中」 と読んでいる。
![](https://assets.st-note.com/img/1689116500113-0UZFiEkTg2.jpg?width=1200)
池を過ぎて、更に10分ほど歩くと、アヤメ園に到着。
遊歩道に囲まれて、あやめが畑の野菜のように、一列毎に品種を変えて
植えられている。
畑は、微妙に高さの違う、段々になっており、
段毎に水を導く側溝に囲まれている。
周囲は赤松の群生する山の連なりで、谷間を開墾した棚田といった感じだ。
遊歩道の外側には桜が植えられ、松と桜、硬軟の新緑が眩しい。
来場者はいつもの如く、おばさんグループが目立つ。
男女のペアもちらほら入るが、老若それぞれバランスが取れ、
怪しげなペアは見かけない。
あやめは、300種類、60万本とのことだが、まだ二部咲きとか。
それでも、色とりどりの花が列毎に咲き、華やかな光景だ。
特に、濃紺の花が監視人殿のお気に入りで、
これを背景に写真を何枚か撮る。
![](https://assets.st-note.com/img/1689123260140-U4N3lt5pUl.jpg)
一角に小さな湿地があり、こちらは普通の睡蓮で、
葉っぱの間からピンクの花が突き出ている。モネの世界だ。
ベンチに座り、一休みすると、柔らかい風が頬に当たり、
桜の新緑が、日差しを受けてきらきらと輝く。
![](https://assets.st-note.com/img/1689123417022-FXJVmVIXKC.jpg)
あやめ園を後にして、池の反対側の遊歩道を歩くと、
土手に赤松の子供が一面に生えている。
監視人殿が、5センチ足らずのものを、3本抜いて、
お持ち帰りしたが、どうなるのか。
出口手前に公園の管理事務所兼物産展兼レストランがあり、
前庭が池に面し、テラスになっている。
ここでコーヒーを飲みながら一休みする。
すると、女性が3人かかりで、車のついた台車を押してきて、
ヨイショと、重たそうに事務所に運び込む。
よく見ると、100円の寄付金を入れた箱を運んでいる。
5時を過ぎたから、寄付集めは終了なのだろう。
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