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電気工務店でバイトを始めて1週間経ったので記録する

 パソコンカタカタしかできないアホなのに自前のパソコン環境が無くなるという苦境に陥って一月半、iPad で騙し騙しやるのは流石に無理やんとなり、新規購入のため重い腰を上げて肉体労働をすることにした(この辺の語りも覚えているうちにやっとかないとどんどん薄れて消えてしまうね…)。かといっていきなり仕事なんて見つかるわけ……と思っていたところ、近所の電気工務店が事情を汲んで下働きさせてくれることになった(ほんまにありがてぇ)

 というわけで、いきなり飛び込みで現場に入ってから一週間を経た時点での記録を書く。なぜ労働してすぐ書かんのかというツッコミはセルフでもあるんだが、久々に運動して疲労困憊が続いていたためである……が、流石に体力も少し余裕が出てきた。

1日目

 こういう現場職は朝が早いイメージがあったがそんなことはなく、9時ちょっと前くらいに事務所にいてくれればいいよ〜とのことだった。馬鹿正直に08:55 に到着したら社員はすでに出発したといわれ早速やらかした(?)と思ったのも束の間、部品が足りないだとか割り込みで別の作業が入ったとかそういう事情があったらしい。俺に非はないことを伝えられ安堵した記憶がある(出勤して1分で情緒がジェットコースターなんよ……)

 で、ふと気がつくと鍵を渡され軽トラを運転していた。出勤して5分後の出来事である。これまた意味不明だが「MT運転できるんだよね?じゃあ倉庫行ってエアコン取ってきて現場へ向かって〜〜♪」って一息に三つも指示を投げる陽気なおばちゃんがルンルンで背中を押してきた。問答無用。すぐ外に置いてあるサンバーに乗せられ倉庫へ走った。いや待て保険とかどうなってんだ???????(誰が運転しても降りるタイプのコンプリートなやつに入っていることが後から分かった)

 なんとか現場に辿り着き、先着していた社員からの指示を待つ。「じゃあ持ってきた室内機を4階まで上げようか、もってきて〜」荷台からエアコンを担ぎ出し、そのまま玄関へと向かう。幸い室内機はそこまで重くない。重くはなかったのだがやはり階段はしんどい。這う這うの体でどうにか無傷で部屋の前まで運んだ。10キロもないくらいの結構新しいやつのはずなのにこんなにも疲れる。しかし本日はこれを4件、どれもエレベーターがない建物なのですべて階段昇降。どう考えても先月まで重めの貧血症状が出てた人がやっていい強度の労働じゃあないよ〜〜〜(アホ)

2日目

 今日も今日とてエアコン設置。初日からは中一日となり困憊でこそないが、そこそこ疲労が残っている。初日には居たはずの仲間バイトくんが居らず、社員と二人で回ることに……(地味にプレッシャーがかかる)。どうにかこうにか終わらせて、今シーズンの設置ラッシュは終わりが見えたということだった。よかったよかった……

 周りも見渡せるようになり、荷運びをエンヤコラするだけでなく設置の具体的な方法とかも見て学んだ。肝心な部分は時間をかけてきちんと習得する必要があるので、今後余裕があるときにということだったが、一通りの流れについては本記事の一番最後にまとめた。

3日目

 本日はガラリと変わって、屋外監視カメラのリプレイスを行なうこととなった。すでに設置されているカメラを外し、新しいものと付け替えるだけである。「だけ」というのは、新規に設置する場合の手間を比べると全然ラクだからで、新しく設置する場合には電源を引くとか、固定する金具を打つとか、さまざまに手間が爆発することになる(らしい)。

 というわけで即行で4件まわり、占めて14台分のカメラを取り替えた。カメラと電線を外し、新たにカメラと電線をつけ直すだけなので手順については省略する。いつか電源引き回しから新規設置する日が来るのかなぁ……(すでにちょっと嫌な感じがする)

4日目

 とある営業所の天井空調をリプレイスするという発注があったらしい。工務店の社員だけでは回せないため、懇意にしている空調施工のエキスパート職人たちを招聘したようだ。メイン部分はその集団にお任せして、他の部分を補うような位置の業務となった。私が参加したのはさらにその補助という感じで、有体にいえば雑務だ。上半身が天井裏にある作業者を足元からサポートするとか、適宜ゴミ捨てを行なうとか、暗くて見えない部分を照らしたり、重い機材は率先して運ぶなどという具合である。

 この日はようやく社員だけではなく社長とともに作業することができた(現場仕事なので社長も率先して業務に参加している)。もちろんまだ日が浅いので色々頼むのはまだ難しいが、今後は少しずつできることを広げていけるようにちょっとずつ頼んでいくことになるから…という話ができた。ありがたい……!

いったんまとめ

 各日は中一日での勤務だったが、最初の現場に入ってから一週間が経過したということで備忘録的に書き記した。初日こそ疲労困憊でついていけるか心配だったが、段々と耐性がついて(というか運動負荷をかけたことでちょっと健康に近づいて?)、最初ほどの疲れはないし、むしろ次の日の朝は充実感さえある。それなりの重量があるものをいくつも運んだことで上半身の筋肉がいい感じに張っている気がするし、さまざまな人々といろいろにお話をして久々の刺激を得た。今の自分の境遇を深く掘り下げてこないという気遣いも嬉しかった(いろんな事情を抱えた人がいるからなのかも?)

 ここまで給与体系的な話は一切していないが、具体的には1000円無いくらいである。都心に行けば変わるのだろうが、残念ここは茨城県。最低賃金よりはちょろっと高い程度でしかないが、責任ある作業も任されず寡黙に待機しサポートするだけでこんだけもらえるのは嬉しいと言えるのかもしれない。任されるようになれば少しは上がるんかしら……?

エアコン設置手順のメモ

 一応、部屋に着いてから出るまですなわち室内機の設置が完了するまでの手順を思い出しつつ書く。プロ視点ではなく完全ど素人視点なのがポイントかもしれない。

 まず「天板」と呼ばれるパーツを室内機本体から外す。機器を壁に設置するための金属製の板である。これを、「配管」が通る位置を考慮しつつ壁面に固定する。この管は室外機と接続する「配線」はもとより、エアコンが吸った水分も排出できるような「ドレーン(パイプ)」と、ガスを冷やすための冷媒が通る「銅管」などが一体となっている(ちょうど時期がずれていたので私が見る機会はなかったが、毎日のようにこれらの配管を準備する期間があったらしい)。液体を扱う関係で、室内機本体から「室外機」へ向かう経路には傾斜をつける必要がある。重力に従って内から外へ、放っておけば排水されるような構造としなければならない。これを怠ると、ドレーン内に水が溜まって大変なことになるらしい。

 傾斜を確保した上で適切な位置を見つけたら、上下左右にある程度のマージンを取りつつ天板を固定する。この際に「水平器」を用いて傾きがないようにする(知らない人向けに補足すると、油性の液体が詰められた部分の気泡の位置で設置面の傾きを把握する道具のことである)。「天板は水平、配管には傾斜が必要なんだよね〜〜機器の性質を理解して普通に考えてればわかることなんだけどさ」と施工した社員が云っていた。固定のためにはネジを壁に打つ必要があるが、もちろん「手回し」よりは「電ドラ」のほうがいいだろう。前者は手指で扱う工具のことで、主にプラスドライバーのことを指す(「マイナスの手回しちょうだい」などのやりとりが発生することもある)。後者は電動ドライバーの略であり、うまく使えれば作業を何十倍も高速化することができる。というかDIYはもちろん電気工事をやる上で必需品なので自前で買うべきなのかもしれない。あとでメーカを訊ねてみよう……!

 次に、室内機の左右どちらから管が出るのか確認した上で「切り欠き」部分を切り取る。配管を通す穴が天板と同じ位置にある場合にはほとんど切らない場合もあるらしい(が、この現場ではそんな都合のいい穴はなかった)。市販のカッターや電工ナイフでもよいが、万能ハサミを使うとよいらしい。実際に、室内機のカバーは樹脂製でそれなりに硬い材質だったため、カッターの薄い刃では心許なかった一方、万能ハサミではザクザクと強引に加工できた。これも後で買うことになろう……。切り欠き部分を切断することで太い配管を機器本体へ繋ぐ通り道ができた。

 さて、配管を壁の穴に通して室外機へ接続したい。わざわざ言うまでもないが、外から内ではなく内から外に配管を渡す。無事階下の室外機にまで配管が届いたら、おそらく無造作なままの配管の形を整える。最初の方で述べたようにきちんと傾斜を確保しつつ、それでいて最短経路であるのが理想となる。クライアントによっては化粧カバー(無造作に配管を放置するのではなく、樹脂製カバーで覆って触れないようにし、見た目も良くするもの)を付けるひと手間をかける場合もあるらしい。

 テープでぐるぐる巻きにして保護されている先端部を解放すると、電線・ドレーン・銅管の端部が現れる。この辺りの繋ぎ方も見て学びたかったのだが、残念一日目では作業の邪魔にしかならず見学できなかった(現場が狭いし後ろが詰まっていた)。よってこれは今後の課題である。一月経った頃には自分一人でも施工できるようになっていると嬉しいな……

 室内機・室外機ともに配管が接続されたところで、施工作業はほぼ終わりである。電源に接続して急速冷房を実施し、試運転させて様子を見る。異常があれば検証作業に移るし、なければ施工が完了となる……と最後の仕上げに、配管が通る穴を内外から「パテ」で塞ぐ。いわゆる粘土質のプラモとかで使うアレと似たものだが、湿気や乾燥にも強く、風雨や太陽光に晒しても耐えるすごいやつである。袋から出して手の上でこねこねしていると、童心を思い出して楽しくなってしまう。如何にきれいに塞げるか?という謎の競い合いが発生して笑っていた。

 試運転も完了し穴も埋めたところで、クライアントへ引き渡しとなる。一通り使い方と施工内容について説明し質問がなくなれば任務完了だ。初日はこのやりとりをあと3回やることになった。一件あたりおおよそ90分くらいかかったであろうか?熟練ともなるとさらに2倍近く早まるらしいが、そんなことが本当に実現できるのか疑わしい……けどそのくらいスキルを身につけられたらいいなァ〜〜

 今回わからなかったのは、①室内機・室外機と配管の接続方法 ②異常が起こった際の検証&解決方法 であろうか。流石にこれがわからないままで一人、責任を持って業務委託を受けることは難しいという実感が得られた。実は、①に関連しているいくつかのツール群には一切言及していない。コンプレッサーが云々とか、冷媒をポンプでなんたらとか、銅管の端部は接続時にこうやって加工するんだよとか……始めた時期が1ヶ月分遅れていたのもあって時季を逃した、ということを勤務終了時に伝えられた。

 いつになるのかは不明だが、時間的に余裕がある日に工事が入ればそのタイミングで教えてくれる運びとなった。来年まで引き伸ばされたら嫌だなあ(笑)

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