私的傑作漫才15選 ①、②

昔好きだったアイツもすなるnoteといふものをワタシもしてみむとてするなり。

僕は漫才と言う演芸に執着しているので、先ずは好きな漫才のネタについてでも書こうと思います。いささかに。

①いとしこいし  「ジンギスカン」
https://youtu.be/v3Z8JEkUkOY

史上最高の漫才師を挙げよと言われれば、「いとこい師匠!」
と答える人が1番多いんじゃないかな。
たぶん。
となるとこのネタは絶対に外せないわけで。
言うまでもない傑作ですね。
誰が書いたネタなのかも分からないけど。
タイトルも合ってるのか?まあいいや。

先ず冒頭の鍋のくだり。伝説の。
圧巻。何この笑いの取り方。演者としての能力がカンストしすぎて、もう言葉なんか発さなくても、ボケを観客に理解させられるという。表情って言ったって、前の方の人しか見えないからね。佇まいと間なんだろうけど、たぶん僕は一生できないね。これぞ達人の業。
全体を通して見ても、このくだりにしても、自然さがエグいのよ。リアクションもセリフも無理がゼロで、その場で発生したものにしか見えない。THE立ち話。おもしろおじいの立ち話。おもしろおじいの立ち話なんだからそりゃおもしろいよねー。
ネタの題材も超シンプルだし、時事を使わず、普遍的なおもしろだから今見てもわかるし、ツッコミが隙をみせる瞬間もあるし、ちゃんと後半畳み掛けるし、ワンテーマで最後まで行くし、オチもストンって音が聞こえるくらい綺麗。全てが美しい。
そして、別にアイデアの斬新さとか、意表を突いたりとかに頼った笑いじゃないから、何回見てもちゃんと笑える。ウケてるのは、落語とかみたく、同じネタばっかを当たり前にやってたっていう時代背景のせいもあるけど。にしてもおもしろいなあ。明日見たってどうせおもしろいし。
これが動画で残ってて、いつでも見れるという幸せ。たぶん漫才の中で1番回数見てる。

②浜口浜村 「好きな食べ物」
https://youtu.be/07GmIpNnV5w

浜口浜村は僕の漫才の教科書とも言えるというか。先述のいとこい師匠や、今で言うとミキみたいな100点の漫才を見せられたとき、僕らみたいなのが対抗していく手段がこっちしかないっていう。浜浜は常にその1番先頭で「みんなこっちだよおいで!」って言い続けてた漫才師で、そこにまんまとついて行ったのが僕とかで、、
彼らのネタは「自己紹介」「催眠術」「ビビり」「映画と小説」などなど傑作だらけで選ぶのがかなり難しくって。一体いくつ発明してんだこの人たち。
今回選んだ「好きな食べ物」はマジでわかりやすく「この人らずっと何してんの?」なネタ。ひたすら変なことし続けて、それをなぜしてるのかの説明もなし。気持ちいい。そして、音響も道具も使ってないし、賞レースで全然やってOKなルール遵守ネタ。普通、漫才師は全部そうなはずなんだけどね。彼らは全然使うから。あと、このネタはメタも入ってない。浜浜はメタ(この言葉あんま好きじゃない)視点を使ったネタ(映画と小説など)も多くて、僕もたぶんこれの影響で多用してるんだけど、このネタはそういうのなしに完結してるのも魅力のひとつではないかと。客席のこっちからは全く関わり用のない聖域感というか。すごくかっこいい。そして、すごくおもしろに実直でかわいいですよね。設定とか人(ニン)とか、やりとりとか、大喜利とかそういうのではなく、もっと原子レベルのおもしろを研究、解明しようとしてる感じがすごくする。理系漫才。ああ、でも、理系漫才ってしちゃうと、効率主義の大喜利漫才とか、ノンスタ系とかもひとくくりになるからなあ。理系漫才の中でもマッドサイエンティスト漫才だなこれは。頼んでないもの発明して売りつけてくるというか。こんなの注文してないんだけど、、っていうね。そんなことしても儲からないのに。セクシーだなあ。
まあ、浜浜は文系漫才(「無人島」とか)もたくさんあるんだけどね。

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