私的傑作漫才15選 ⑤、⑥

書かない。

⑤カナメストーン 「カウンターファイター」
https://youtu.be/dsA6MhX1t1g

忘れていたものを思い出させてくれる逸品。そうだ、あの頃の僕らは、これが楽しくて、面白くてたまらなかったんだ。あの頃ったって僕なんてまだ大学生なんだけど、、
小学校時代、美味そうな道草で生い茂ったあのキラキラした帰り道。僕は自分で考案した意味のわからないRPGや、アクションゲームを友だちにプレイさせながら帰った。もちろん、そんなプログラミングなんて出来やしないから、敵とか味方とか全部、僕が演って。動き回って。自分で「くそー!やられたー!覚えとけー!」つって倒れて。超自作自演で、友だちにクリアさせて。やるじゃん!お前!って。今、振り返ってみれば、最高に変で楽しかった。かけがえのない時間とはこのこと。
だけど、たぶん、もうできない。
自分もあれを恥ずかしげなく道端でできないし、できたとて、やってくれる友だちなんて、、ねえ。。
よし、忘れよーっと。
いつしか心の奥の方へ。
それが、突然、漫才として目の前に現れる。「カウンターファイター!」意味のわからない、絶妙に青臭いタイトルがコール。そこから僕らが目にするのは、友だちが作ってきた謎のゲームをなぜかクリアしたいやつと、自分で作ってきた謎のゲームをなぜか友だちにクリアして欲しいやつ。楽しくて仕方がない。
自分で作ってきたゲームをクリアしてもらうっていうのは、快感なんですよ。相手と心が通じあった気がするから。こっちの意図が伝わったわけだから。それがクリアという結晶として現れる。
この意図が伝わって、心が通じ合うってもう漫才じゃん。こうツッコんで欲しいなとボケて。まさにそれがくる。通じ合いの繰り返しで、掛け合いになって、やり合いになって、それが漫才になる。
こういった感じで、なんか漫才しよーぜ。じゃなくて、自然発生的に漫才になってしまってるみたいなこの圧倒的なエネルギー。たまりません。(千鳥とかもそうだよね)
そして、このネタは、グロいも、キモいも、熱血も、スポコンも、青春も、なんだそのボケも、山口も、零士も、全部あって、これぞカナメストーンなネタ。

そういえば、機嫌直しだってクイズゲームじゃん。
山口のゲームを零士がクリアする。通じ合う。結晶になる。最高で最強の結晶。カナメストーン。
欲しいものを全て持ってるコンビ。

⑥あした順子ひろし
https://youtu.be/qkOYgPVqa0c

またネタを限定できてないけど。賞レース以前の漫才師はそこまで、カッチカッチにテーマを申告する必要性が高くなかったから。選べないとか、そもそもタイトルわかんないが多い。柔軟にくだりを組み替えてるパターンが寄席で主流だし。

あした順子ひろし。キャラ漫才、人(ニン)の漫才の最終進化。関東の怪物。
お二人ともパンチのあるキャラクターで。個性的な声で口調。順子師匠なんかほとんどモンスターズインクのロズ。ロズがボケたり、ツッコんだりしてんだよ。そりゃ面白いでしょ。そこに飄々とひろし師匠が刃向かって入ってくる感じ。絶妙。ひろし師匠の投げやりなツッコミも、テンポ作ってるだけじゃなくて、その人っぽさが乗っかってるからいちいち面白い。この2人は一挙一動すべてが笑いどころになってる。これがキャリアか。
ボケもツッコミもくだりもフレキシブルで、話術でも、けなし合いでも、動いても、コントインしても、どこからでも大爆笑をかっさらう。
にしてもあの踊りのくだりはマジで脈絡なくてエグいな。面白すぎる。ゴキブリが悶えてるんじゃないんだから。のスピードと間。凄すぎ。

超面白い2匹の怪物が、超仲良く舞台にいる。
これ以上の説明は要らない気がする。
生で見てみたかったなあ。

このお2人も間違えなく漫才の最高到達点のひとつで、それが、関西弁でないというのも、なんかいい。全然関東弁でも漫才はやれます。


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