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インドの安いお香を買う

お香がわりと好きだが、火事的な不安があるのでもっぱらアロマをたいている。

ただ、アロマの香りは揮発性が高いので、その場ではいい香りだが長続きしない。

部屋を自分だけの世界にする手段として、自分のお気に入りの家具や趣味の道具でいっぱいにするというものがあげられると思うが、「におい」も自分だけの世界を作る際に大切な要素だと思っている。

例えばポプリ屋や老舗の喫茶店は、もう床や壁に染みついて取れなくなっているのだろうなというくらい売り物のにおいが充満しているが、あのような感じで、においが染みついてるような空間を演出したかった。

そんな時スーパーの一角の、期間限定でスーパーとは無関係の店が出店しているエリアでインドのお香が売っていたので衝動買いしてしまった。

インドのお香は220円だった。100円ショップやサブカル系の店で売っているのは時々見かけるが、買ったのは初めてだ。日本のお香よりはるかに安いので少々不安ではある。

ただ使ってみてよければ、日本のお香や、今買っているアロマオイルより安価でにおいも長持ちするのでコストパフォーマンスはいいはずだ。ものは試しである。

箱の外観はこんな感じだ。

「for export only」と書かれている。元から輸出用として作ったようだ。

確かに多言語が書いてある。

「HEM CORPORATION」の文字。これを作っている会社の名前だろう。ムンバイの文字もある。

公式HPのURLがあったので少し見てみる。ものすごく洗練されているというわけでもないが、商品や会社情報が快適かつスムーズに検索できる完成度の高いサイトだ。

会社情報に住所があったので調べてみよう。

記載されている住所の辺り。ストリートビューがなく投稿されている写真も少ないため分かりづらいが、都会というわけではなく、かといって田舎でもない、モスクや集合住宅、商店の建ち並ぶ郊外っぽい印象だ。

もう少し検索してみると、どうもこの会社はお香業界では世界トップシェアをほこるらしいということが分かった。日本を含む約70か国へ輸出しているという。

そのエキゾチックな雰囲気と安っぽさから、葉っぱを重ねて作った木陰の下で老人が手でこねて作っている光景を勝手に想像していたが、世界をまたにかけるバリバリの一流企業だった。

ひとまず、たいてみよう。

中には破損防止のための紙のポールが入っており、ポールの中に袋づめのお香が入っていた。結構しっかりとした梱包だ。

お香。日本のものと比べて長く、先端は木製だった。お香というより花火みたいだ。

さっそく火をつけようとしたが、お香立てがなかった。

取りあえず見た目が終わっているお香立てを作る。ふただけだと長すぎて倒れるので、ボトルも必要だ。

たいてすぐに分かったのは、日本のお香と比べると煙がすごいということだ。煙がはっきりと線になってのぼっていく。

あと、近くにいるとのどが痛くなって目がしぱしぱする。

よく見たらパッケージに換気するように、顔を近づけないようにというイラストがあった。私は毒を吸いこんでいたようだ。

香りについてもふれよう。日本のお香のようなほのかにただようような感じではなく、たちのぼるような強くてくどい香りだ。他の部屋に移動してもにおう。

あとで調べたら、10畳程度であれば1本で十分だそうだ。

お香は40分ほどで燃えつきた。翌日も香りが残っていたので、思った通りアロマより揮発性は低いようだ。

安いし実用性もあるので、またこの会社のお香を試してみたい。

※ちなみにネットで発見した「ペットボトルを利用したお香立て」を試してみたら、煙が中にとどまってくれた上に、ヤニもペットボトルにこびりついて周りにまきちらさなかったのでよかった。

煙も見ていて面白いので、ガラスの瓶やお洒落な透明容器を上手く加工してお手製のお香立てを作ってみるのもいいかもしれないと思った。

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