自宅から駅まで自転車で30分ほど。 この時期、駅に着く頃には汗だくである。 駅に着くと、次は人混みをかき分けて目的のホームを目指す。 ホームに着いて一安心とはいかない。 ホームも電車内も人、ひと、ヒト。 「人の波」とはよく言ったものだ。 会社の最寄り駅に着く。 毎日思う。 あと10分早く自宅を出ていれば・・ というわけで、会社まで小走りで向かう。 トライアスロンは、スイム・バイク・ランの3種目を連続して行う耐久競技である。 別名『鉄人レース』ともいう。 くわえて、仕事
歩いている。 まいにち、ただ４0分モクモクと。 １０年間の怠惰な生活のツケを清算するために始めた。 いわゆるダイエットという奴だ。 それがいつの間にか、１日の中でも大切な時間に変わった。 玄関を出るまでは少し億劫だ。 正直まだ寝たい。 ただそれも、３歩踏み出すと気分は変わる。 まだ町が起きていないと感じる朝のにおいを背景に、鳥や蝉が鳴く。 シンプルに気持ちがよい。 何も考えない。 何にかを考える。 どちらにしても、この時間は自由だ。 そしていつの間にか、こころが整う。
30年ぶりである。 別に逃げていたわけではない。 逃げていたわけでは無いが、避けてはいたのかもしれない。 微妙なニュアンスの違いという奴だが、とにかく30年ぶりに扉を開いた。 急を要するような状態ではないが、気になる状態ではあった。 しかし、これはきっと面倒なことへ発展するはずだと根拠のない自己防衛本能と自己正当化に浸ること30年。 私は目を背け続けた。 予約をしていた時間の１０分前に到着。 かなり久しぶりなので緊張することは織り込み済みで、第一印象がこわばるのを避けるた
