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11-3 8日目のおもひで

前回までのあらすじ

チェストとは知恵捨てと心得たり


インプロとはインプロビゼーションの略

ついに仕事のゲロ忙しい期間が終わった!
長い戦いが終わり、ようやく日常が戻ってきそうだ。色んな人の助けを借りながらの戦いだったので、ただ感謝と開放感だけがあった。理不尽な業務だったならクソだと言えるが、今回は負の感情は全然ないな。終わったことを喜ぼう。

今日は余裕を持って登校できるだろう、そう思っていた時期が僕にもありました。21時前に帰り着いた自分に待っていたのは、「日記を書く」という圧倒的に理不尽な業務。昨日寝る前とか昼休みとかにある程度書き進めてはいたけどね?お前がいるせいで結局息つく暇がないんだよ!誰だこんなことを始めたのは。もうコンコルド効果に近いなにかで書き続けている。あと少しだ。1日抜け落ちたけど。

さて、今日の授業はなんだ。・・・・・・インプロってなに?


授業前

いつものように登校。ああ、登校を「いつものように」と表現できる時が来るとはな。校舎入り口ではkatze先生とRain先生が出迎えてくれる。なぜかkatze先生は芋虫になっていた。なぜなのか。

いもいも

そしてRain先生によると今日は体育館で授業だ!まだ体育館に入ったことがなかったのでテンションが上がる。次の瞬間Air Linkが切断されて画面が暗転する。テンションが下がる。幸先不安だな。

気を取り直して案内に従って体育館に着くと、もういくらか人が集まっている。というか体育館でかいな!全校生徒の入った鮨詰めの体育館は嫌いだが、人の少ない広々とした体育館は好きだ。声の反響とか一抹の寂寥感とか。今日は後者だ。とても良い。

体育館に入る前に体育館裏をチラリ。ちゃぬさんと永塚さんがいる。
体育館裏といえば、告白か、カツアゲか、喧嘩かというイメージがある。漫画の見過ぎか。普通に談笑していたので杞憂だったようだ、軽く雑談して体育館へ。
やはり体育館広い!そして懐かしい!ああ・・・良いな。
そして高校の頃、体育館を歩いていたらバレー部のスパイクの流れ弾が顔面に直撃したことを思い出す。びっくりするほどガチ謝りされたなぁ・・・懐かしい(遠い目)。

ムギさんピース

そして体育館といえば、舞台袖から2階の通路に上がれたりする。もうほんとあるあるだな。VRなので自分の身長含みスケール感がどれだけあっているかわからないが2階の通路、結構高いな・・・。走り回って色々なところを見て回る。子供か。いやきっと子供でいいのだろうな。ここは学園で、自分は今は生徒なのだ(現実逃避)

子供の頃でもこんなことはしたことはない


授業

今日の授業は「インプロ(即興劇)でコミュニケーションを図ろう!」
タイトルにもあるが、即興で劇を行う授業だ。

メイン講師として白紙座の「めどう」先生、補佐で「mitoteyan」先生と「maropi」先生が手伝ってくれている。

フルトラの動きがすごく自然で歌のお兄さんっぽいめどう先生

正直、即興演劇と聞いてちょっと気が引けていた。出来る自信がない
まず、日頃何かを演じるという機会がないしすぐにボロが出る。私立VRC学園が始まった時はもっとニュートラルな感じを装うつもりだったのに、今は地が出まくってボロボロだ。みんなにはちょっとした変人くらいに思われているかもしれない。

おとなしく話を聞くクラスメイト

次に、こっちが問題なんだが、自分はあまり意識して人前ではっちゃけることができない。意識せずにフィーバーしてる分には問題ないが、ちょっとでも素に戻っている部分があると、頭の中の冷たい領域にいるもう一人の自分が「何してんだお前」と声をかけてくる。急に冷や水をかけられるのだ。つまり、ここまでグダグダと書いたことをひっくるめて端的に表すと、「恥ずかしい」のだ。「恥ずかしがり屋」なのだ、多分。そんな自分が即興演劇ができるのか?

インプロの授業は今までの授業とは違い座学はほぼない。
シチュエーションを決めて、演じるあるのみだ。
まずはウォーミングアップ。みんなで円陣を組み、1番目の人が自分の名前を名乗り、ランダムな誰かの名前を呼んで指名する。それが終わったら座る。指名された人は同じことを繰り返し途切れさせない、全員が座ったら終わり、というシンプルなゲーム。コミュニケーションを円滑にするためのゲームだが、学園生活一週間を過ぎたクラスには今更でしたね、と笑っていた。いつぞやの氷鬼の時にも書いたが、やはり名前を呼び合う、ということは大事なんだな。

円陣を組んでゲームを行う。バスケットゴールになんかいる。

そして次からは本格的なインプロ。
3人一組になり、それぞれがピカチュウになって、一人が座っている椅子を譲ってもらう。というもの。説明を書いていて意味がわからない。やっている絵面もまぁカオスだったろうさ。
我がグループはTakanisiさんとユリカさん。3匹のピカチュウとなり、Takanisiさんが座った席を譲ってもらおうとする。
俺はピカチュウだ。「ピカ」と「チュウ」しか語彙がない。それでもその席を譲って欲しいのだ。鳴き声やそのトーン、身振り手振りで必死に訴える。魂の主張が伝わると、Takanisiさんが席を譲ってくれる。それを立場を入れ替えて何度か行う。意味がわからない。
だが一つここで気づいた。こういう時いつも感じる恥ずかしさをあまり感じない。かなりピカチュウやっていたのだ。あまりにも突飛なシチュエーションにヤケクソで開き直っているだけなのか?それともある程度自己開示が済んだ間柄だからなのか?もしかして自分は本当は人間ではなくてピカチュウだったのか?続くピカチュウインプロ2回目も、シチュエーションと感情を織り交ぜたインプロも、あまり緊張せず、恥ずかしがらずにむしろ楽しんで演じることができた。

※これには2匹のピカチュウが写っています
※これには3匹のピカチュウが写っています

冷静に今考えるなら、きっと演じるにあたって素の自分を残していると恥ずかしくなるのだろう。なにやってんだ俺、と。
だから今回のあまりにも突飛なシチュエーションでやけくそになり、「素の自分」を吹き飛ばしてやれたのだろう。役に没入するというのはそういうことなのだろうか。そう考えるとこの一件意味不明なシチュエーションにもちゃんと狙いがあったのだな・・・と感慨深くなる。本当のところはどうだったのかは謎だが。ピカチュウ好きなだけかもしれない。

そんなこんなで授業終了。

初めはどうなることかと思っていた「インプロ(即興劇)でコミュニケーションを図ろう!」の授業。普通に楽しく、学ぶことが多かった。
先生やクラスメイトが「普段言わないようなこと」や「やらないようなこと」も見ることができた。canan先生の怒声とか。
「演じる」ということが「無理なもの」から「まぁなんとかやれそうなもの」に認識が変わったこと、これを大事にしたい。

俺が、俺たちがピカチュウだ!

放課後舞台裏

放課後はめどう先生が白紙座の劇場に招待してくれた。劇場とな!
大学の頃だったか、友達に誘われて別の大学の小さな劇団サークルの演劇を見にいったことがある。
演技も面白かったが、舞台や客席・照明やセットなど、手作り感を感じながらもよくできた劇場を見てテンション上がったことを覚えている。非日常感を感じるああいう「場」そのものがもうワクワクの対象だ。

声ノ息吹宣伝中

先生の手伝いをしていた「mitoteyan」先生も、劇団オーナーらしい。すごい人来てたんだな。しかし全然知らなかったが、VRChatの世界は劇団は結構多いらしい。アバターを着ているから現実より役に没入しやすいからなのだろうか、興味深い話だな。

めどう先生の案内で2階の劇場に上がる。そう、これだ!
暗い客席・スポットライト当たる舞台・吊り下がる照明・舞台袖の空間。なんだろうこれは。そう、あれだ。映画館に映画を見にいった時と同じ「非日常感」だ。性癖なのだろうか、こういうのを見ただけでもう楽しい。来てよかった。
走り回っていたらとあることに気づく。舞台に上がれないのだ。曰く、スタッフ以外は上がれないらしい。セキュリティは万全だ、闇のVRChatterにも対抗できる。そんなことをしていたらめどう先生が「特別に」ということで舞台裏に招待してくれた。舞台裏とかさらにワクワクするな!

スポットライトとか効果音とかいろんな仕掛けがある

舞台裏のことは極秘情報なので詳細は省くが、やはり「裏側」というのは良い。いろんなものが見えてくる。無事舞台に上がった我らが11-3のクラスメイトたちは用意された小道具をいじり倒し、謎のコントをしている。

どういうシチュエーションなんだこれは

それに茶々入れたり撮影して楽しんでいたら、遠巻きに見ていた先生たちが「あれでインプロが成り立っているよね」と呟くのが聞こえた。
そうか、全く意識していなかったが、あれも「インプロ」なのか。ということは自然に日常の中で「演じる」ということをやっていたんだな。それならあまりおびえる必要はないのかもしれない。

いつもの!

終わりに

今日は授業も放課後も、「蒙を啓かれた」といってもいい一日だった。
残りあと二日、まだ学べることがあるな!


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