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5.私が救われていた

今回のプチ自己紹介:私は大学時代、塾でアルバイトをしていました。
今日は私に強い印象を残した塾講師歴1年目に見ていた生徒(タクミ)の話を書きます。

・バレー部
・お姉ちゃんがいる
・中3男子にしては大人びていて落ち着いてる
・メガネが似合う
・意外とディズニーが好き
・意外とポップコーンはハニー派        な生徒

正直に言うと、あの頃はタクミが頑張る姿を見るために塾に行っていました。君の姿から元気を、やる気を、気力をもらっていました。ありがとう。



私は、彼を第1志望の公立高校に合格させてやれませんでした。



受験当日の朝、志望校の校門で背中を叩いて見送った。タクミがここの生徒になれるといいな、なれますようにと祈りながら見送った。

合格発表を学校に一緒に見に行った。仲良しのユウタと同じ高校を受験していたのが少し怖かった。
分かりやすくいうとユウタは確率が高い受験で、タクミは少し背伸びした受験だった。

合格者は書類をもらったり、手続きがあるからタクミと私は先に電車に乗ることになった。
電車に乗るまで15分くらい。私はよく頑張ったね、とか言ってた。私自身が泣きそうで、全然フォロー出来てなかった。

帰りの電車内でタクミが「俺、大学受験頑張りたいです」って言った。「このまま塾続けて勉強します、親に頼みます」って言った。そんなこと言われると思ってなかった。無駄だと思ってないって言ってくれたみたいで、私の気持ちが救われた。あの時の衝撃すごかったなぁ、、
本当は合格させたかった。心からタクミの合格を望んでいました。でも、そんな風に本人に思ってもらえる勉強が出来たならよかったのかも、って思えた。

その日の夜は合格したたくさんの生徒達への喜びや安心、不合格だった生徒達への悔しい気持ちと悲しい気持ちと申し訳ない気持ち、タクミが電車で私に話してくれたことに対する驚きと嬉しさ。ごちゃまぜで、でもこれがやりがいなんだと思った。

その後も塾講師を続けたり辞めたり再開したりしてるけど、今でもその時の気持ちを忘れずに先生しています。


確かに、ハニー味のポップコーン美味いね。
先生もそう思うよ。
列に並ぶ時、タクミを思い出します。元気にしてる?

2024/07/26

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