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毒々しい綿菓子

Boards of Canadaのいくつかのアルバムを聴いているうちに、なんだかオーガニックな体裁をしたエコなClusterみたいだな、と思った(言葉にすると愚か者みたいだ。実際に愚か者なのかもしれないのだが)。『Zuckerzeit』は核爆発によって汚染された雲が湧き上がるような簡素なサウンド形態を持つ電子音楽であった。ある種、1970年代の子供達が考える未来の音楽であり、チェルノブイリの子供達が想像する未来の音楽であり、2021年の視点から見る濃い紫やピンク色をした毒々しい綿菓子のような未来であり、この先、いつか起こりうる人類最期の戦争を経験する兵士たちが夢想する未来のように聴こえるサウンドだった。


音楽と音楽の記憶とそのメモ。