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【オートパイロット修理02】諭吉を犠牲にしたソケットからツールを発見した偶然

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前回は犯人がオートパイロットのプラグである事が判明し、文字通りその場で斬って捨てました。いや捨ててないや。
実際は「斬って」じゃなくて「切って」で、「捨てた」じゃなくて「持って帰った」ですわ。全然文字通りじゃない。
そして、家でこれと同じプラグが売っていないかと様々な通販サイトを探し、ついに…

見つからない…


いや、あるんですよ、純正のなら。
いくらでも売ってます、国内でも海外でも。
しかしRaymarine純正はいかんせん高い。
クロアチアのどこかのおっさんが自作(?)したのを売ってたりもしましたが、それは胡散臭い。かと言って、わざわざ3Dプリンターで?いやいや、そんな手間かけるなら純正買おうよ!のような葛藤の末、プラグとソケットをRaymarineとは全く関係ないやつにしてしまうか?と思ったりもしました。
いや、でもこれは後々の事を考えると変えちゃダメな気が。
なぜなら…

北欧のある山の麓にはRaymarine霊廟野と呼ばれる場所があり、そこにはオーディンの宮殿、つまりヴァルハラが建てられていると言い伝えられています。ヴァルハラの中にはワルキューレによって世界中のマリーナから集められた何百本、何千本もの壊れたST1000が横たわっており…

と言う、ヨット乗りなら誰もが知る有名な神話が。
あのワーグナーニーベルングの指環の第1日目3幕で、その壮大な叙事詩を素晴らしい音楽で見事に描き切りました。
バストランペットとワーグナーチューバの響きがゾクゾクしますよね。
当然全部嘘ですが、そんな新しい北欧神話がホイホイ作れるくらい壊れるイメージのST1000ですよ?
ウチのST1000も絶対に壊れ、ヴァルハラに召す事になるのは明白。その時はすぐに買い直す事になろうかと思いますが、新品のST1000にハサミを入れて他のプラグを付ける姿を想像すると泣けてきます。
断髪式で、引退した関取の髷(まげ)にハサミを入れる親方より悲しいです(親分や関取になった事はないので想像ですが)。
やっぱりここは観念して純正品を買うことに。

送料を考えると国内外の価格差はほとんど無かったので、国内の通販サイトで購入。
翌日には届きましたよ、別に急いでないのに。
ちょっと前のAmazonみたいだな。
Amazonは一時期、当日配達とかあったからなー。

さて、届いた箱を開けますと、

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RaymarineのD337(プラグ)とD338(ソケット)が普通に入ってました。
しかし、この2つを入手するのに…

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こんなに多くの犠牲を出してしまいました。
「福沢、夏目(達)、お前達の死は決して無駄にはしない。」
D338、つまりヨット側(ソケット)の方は別に今回は必要無いんですが、後々アクセサリーバッテリーとは別系統のバッテリーにもオートパイロットを接続したくて、ついでなので一緒に購入しました。
これが後でラッキーな事につながるとは、お釈迦様、ヤハウェ、オーディンでも気が付きませんでしたよ。

家にオートパイロットやハンダゴテは持って帰って来てはいませんが、ドライバーセットは持って来ましたので、早速バラしてみます。

期待していた説明書の類が入っていませんでしたので、そしていちいちwebで検索するのも面倒なので、フィーリングでバラしてみましょう。

多分ドライバーを突っ込んで、こう…

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回せば…  ああ、回りました。
ちょっと緩んだら、後は手で回せます。
全部バラすと…

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左から、太陽、水星、金星… ではないですし、下はシューメーカー・レヴィ第9彗星でも無いです(SL9は94年に木星に衝突・消滅しました)。
これ、絶対に組み上がった後に1個くらいパーツを通し忘れてて、泣く泣くもう1回バラして、涙で曇った視界の中で組み直すパターンのやつだな…

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線はセットスクリューで留めるタイプ。ふーん、ハンダ付けじゃないのか。
小さいセットスクリューなので、菊川怜さんがお尻で踏んづける眼鏡が必要なやつですね。キャッ!

しかし、今はゆるゆるの状態から外したからドライバーで回せましたが、逆にちゃんときつく締められるのか??(と、この時は思ってました)

そして、こっちはソケット側。

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こっちにもフタが付いてますな(使うのは1個なんですけどね)。

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しかし同じ場所に使う物なのにフタの外側の形が違いますね。
ロットの違いかな?
今使ってるのは左のタイプですわ。

あれ?

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もしかして、お前…

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やっぱり…

ソケットに付属していた方のフタの凹凸が、プラグをバラすための道具になってるじゃないですか!偶然の発見。
これ、世界中で知ってるのはRaymarineの社員と私だけじゃないの?
(多分webサイトとかに書いてあると思うので、そんな事はないはず)

しかし、なぜソケット同梱のフタがツールになってて、プラグに同梱のフタは違うのか?プラグに同梱するフタこそ、これが必要なのでは?

私のヨットのソケットに付いてるフタも、プラグに付属のタイプのフタなので、プラグをバラすことはできません。
今回たまたま偶然にソケットも同時に買ったから良かったですが、そうじゃなかったら、延々とこのプラグを締めたり緩めたりするツールを探してるとこだったよ…

よし、あとはヨットに持っていき、線をつなげるだけですよ。
珍しくスムーズに進んでます。

オートパイロット修理03へ続く