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【22-01】ヨットで北限に挑む

謹賀新年。

さて、今年初めてセイリングはセイリングに非ず、ひたすら機走で北限に挑む旅をします。

北極星を頼りに一路北へ、かつてスカンジナビアで武装交易民ヴァイキングが活動した最北の地「ウペルナヴィク」へ向かい、そこで彼らの卓越した技術でエンジンの重整備をしてもらう予定です。

いや、新年早々嘘はよくありませんよ、私。

ホームポートの竹岡マリーナより直線距離で10マイルちょっと、高校教師… ではなく航行距離にして(たったの)16マイル、北回帰線富津岬を超えて遥か北方の木更津マリーナへ挑まなくてはなりません。
普段の小手先整備ではなく、設備の整った工場でエンジンを下ろし、エンジンマウントの交換や諸々の部品交換、エンジンの再塗装等の重整備を行う予定です。

早朝にヨットに来まして温度計を見ると…

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キャビンは摂氏2度を切っています… 我が家の冷蔵庫より冷えてますな。
車で向かっている時も「凍結注意」の表示が出たからなぁ…

海を見てみますと、

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夜明け前ですが、海が穏やかなのは確認できますし、波もさらさらと良い音です。
風は北風7〜8m予報ですが、今は3〜4m程度と穏やか(すごい寒いけど)。
水平線の向こうに明明あかあかと光るライト、左半分は京浜工業地帯、右半分は京葉工業地域が光源ですが、富津以南の田舎、あるいはリゾートとは違う工業の雰囲気が漂っていますね。
今から右手の京葉工業地域の一端にある木更津マリーナに行くわけですが、当初は昨日が回航予定日でした。
しかし、北風15mの予報でしたので1日延期。
どちらにせよ東京に今年初めての積雪があった翌日でしたので、主要な首都高は全て閉鎖、結果的に早朝にマリーナに来る事すら出来ない相談でしたが。

本日のルートは

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こんな感じで特に難所も無く、淡々と真っ直ぐ進むだけの暇そうな感じです。
恐らく出港時と入港時以外はティラーを握ることも無いでしょう。
距離は16.37マイル、(向かい風なので)艇速4ノットとして4時間強の計算。
実際は更なる風の影響や本船回避の迂回でロスするとして、4時間半見ておけばいい感じ?

今日は目的地のある出航ですので、旅感を出すために

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チャート&ナビゲーションアプリを入れたiPadなんかを置いたりして、ぐっとヨットに高級感が… 出ないか。
時刻は7時半、早速出発です(↓2分40秒の動画です)。

船台から離床した後、船台がスロープに上がっていくところが映ってますね。
何かあった時に滑り込めるよう、せめて堤防を出るまではそのままの深さに置いておいて欲しい…

出港!と意気込んで海に出るも第1レグの進路へ頭を向けて、風の偏流角の修正分を合わせてやれば、あとは特に何かする事も無く、昇ったばかりの太陽を背に、

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淡々と

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第一、第二海堡間へ進むだけ。

寒い… キャビンに行かねば…

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寒い時は炭水化物。
本日の炭水化物は、デイリーヤマザキのザーサイ入り高菜おにぎり(美味しいよ!)。
と言うか、読み返したら先週もこれヨットで食べてたわ…
そして周囲をワッチしながら寒さに耐える事2時間弱、

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第一海堡が近づいて来ました。
目的地までのショートカットとして、この東側を通りたいところ。
しかし、昔は富津岬から歩いて第一海堡に渡った時代もあると言われるくらいの浅瀬、残念ながらウチの船はヨットでLCACではありませんので我慢して西側を通ります。

お馴染みの東海汽船、セブンアイランド愛、

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45ノットと言う、こちらのヨットの10倍の速度に嫉妬しつつ、

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第二海堡を横目にしたところで第2レグ突入、

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進路を北西から北東へ。
水深は5mと、この辺は浅いですねぇ。

話は逸れますが、一昨年に第二海堡の上陸ツアーに参加しまして、

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東京湾セイラーですと、目にする事の多いこの人工島の元要塞、

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なかなか見応えのあるツアーでおすすめですよ。
私の参加したツアーは、戦艦三笠の中でカレーライスを食べると言うイベントが含まれておりました。
気分は日本海海戦前夜?

そんな2年前の第二海堡での思い出を噛み締めつつ、富津市の長閑のどかな雰囲気から木更津市の工業的な海へ。

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錨泊している減トン型船尾の貨物船、その向こうには東京湾アクアラインが見えて来ました。

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工業地帯感を味わえる風景を楽しみ、

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タグにスピーカーで注意を促されつつ、10万トンクラスの貨物船の出港を避け、木更津マリーナを擁する堤防の内側に入ります。
久しぶりに、セイリングするヨット(この艇は何ですかね?ハンターかな?)とすれ違って手を振り合い、

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木更津マリーナに近づいて来ました。

↑6倍速映像です。

特に大きな何かも無く、 無事に木更津マリーナへ到着。
ウチの今のヨットの北限記録達成です(よく考えると東端記録も達成)。
因みに南限記録は城ヶ島のあたり、西端記録は油壺のあたりと、今のヨットの行動範囲の狭さと言ったら引きこもりレベル。

たまたま下架する船がありましたので、上下架するスタッフが桟橋にいまして、一度も舫ロープを桟橋に結ぶ事も無くそのまま

上架しました。

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うーん、

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センターボードが下りているのを見るのは初めてかも。

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普段も船台に上げていますが(むしろほとんどの時間がその状態)、こちらの汎用船台は少し高く、センターボードこそ完全には下げられませんが、ラダーを下げたまま置けるので普段見ない姿です。
この高さならスイミングラダーだけでも上に上がれるし、いいかも。
船台に載ったのを確認し、トイレに行っている間に自艇がもうありません。

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木更津マリーナ、広いな… ちょっと探しちゃった…
ここはふるさと納税で施設使用券とかが貰えるので、結構お得な気がして調べた事があるのですが、やっぱり海のロケーションが合わないんですよねぇ…
施設・設備を選ぶか、ロケーションを選ぶか、日々揺れますな。

あとね、自販機で水を買ったと思ったら

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実はGREEN DA・KA・RAで、水だと思って飲んだので吹き出しそうになりました(DAKARAは味付き)。
冷蔵庫の麦茶を飲んだら、実は素麺つゆだったくらいの衝撃。

Google Maps上でのトラック(今回は青い線)。

Walkmeterでの記録。
16.69マイルを4時間23分(実際は4時間10分くらい)。
平均3.8ノットでした。

Relive動画はこちら。

無事に最北の地木更津マリーナに辿り着けました。

これから数週間はエンジン整備のためセイリングはお休みです。
いや、今までも整備ばっかりだから同じか…