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短編小説まとめ(四阿シキ)

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四阿シキによる短編小説をまとめています。
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記事一覧

彼は彼だけど彼じゃない(四阿シキ)

友達が転生した。幼なじみだったそいつは、わたしの3個上で、わたしが小学3年生の時、12歳の…

仁舞木華
2年前
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土足の裁判官的存在(四阿シキ)

AとBには彼らの距離感がある。ふざけて他人から見ればきついようなことも、お互いの声音でふざ…

仁舞木華
3年前
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好きなもので三題噺 #1(四阿シキ)

「恐竜」「壁倒立」「宇宙」 「ねえ君、生まれ変わったら、何になりたい?」 「あの空の向こ…

仁舞木華
3年前
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ひまわりたち(四阿シキ)

加奈子は圭に告白した。 幼馴染みとして15年そばにいた。そのうち片思い3年。一世一代の大告…

仁舞木華
3年前

「神様」のゲーム(四阿シキ)

ある日いきなり、声が聴こえるようになった。 「え、この選択肢でいいの?」 「こっちの方が…

仁舞木華
3年前
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主張の彼女(四阿シキ)

女の子にはたくさんの一人称がある。 わたし、あたし、わたくし、うち、自分の名前 と思って…

仁舞木華
3年前

本当にこわいのは(四阿シキ)

「え、女子こわ」 教室から聞こえたその声に、わたしはドアを開けようとしたその手を止めた。 声から察するにうちのクラスのカップルだ。出している名前からして、グループの仲違いを話したのだろう。荷物を取らないわけにはいかないし、自分が関係する話でもなかったので意を決して教室に入る。 と、彼の方がわたしに気がついた。 「あれどうしたの」 「忘れ物しちゃって」 「部活終わったのー?」 彼女の方がわたしに話しかける。 「うん」 仲が良くも悪くもないのでたいした会話にならない。 必要なも

「誰も使わない」の価値(四阿シキ)

彼女にはおかしな癖のようなものがあった。 あだ名をつけるのだが、そのあだ名は誰にも使われ…

仁舞木華
3年前

時代に殺された真面目(四阿シキ)

彼は大変正直で真面目な男だった。だが真面目なのは、その知的好奇心を満たしたいためだった。…

仁舞木華
3年前
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双子の王様(四阿シキ)

まだ双子が禁忌とされていた頃のお話。 王妃は生まれてきた双子を見て青ざめた。 「陛下には…

仁舞木華
3年前