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ムスコとムスメとその仲間達

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子育て関連エッセイ。現在、ムスコ大学院生、ムスメ大学生。
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2021年7月の記事一覧

バイリンガル読書。(3)

私も弟も本好きになったのは両親の影響がある。子供の目に本を読む親の姿が映るってのは子供に本を読ませるには必須条件だと思う。食卓のテーブルで、こたつに入って、横になって、あの二人は本を読んでいたし今も読んでいる。新聞もよく読んでいる。そしていい本があると、読めといって送ってくる。 アメリカまで送ってきた本は「蜩の記」「崩壊朝日新聞」「琥珀の夢」「永遠のゼロ」 バイリンガル読書。英語の本と日本語の本を読む時期が、雨期乾期、みたいな感じでやってくる。日本語の本はやはり日本語で、

子供が運転し始める。(1)

アメリカでは(ん?それとも私の住んでる州?)高校2年の授業でDrivers Ed(ucation)というクラスをとって筆記試験合格まで学校で面倒見てもらえる。その合格証をともに、16歳の誕生日を迎えると、Driving Schoolのインストラクターを雇って(家まで迎えにきてくれる)2時間ずつ3回、合計6時間の路上レッスンを受けて仮免を取得。仮免は21歳以上の運転経験が最低3年ある人が助手席に同乗して、早朝と夜中以外の時間帯に限って運転できる。最低6ヶ月間、実地練習して17歳

子供が運転し始める。(2)

ただですら自分を何様だと思ってる的なムスメなので、いちいち反応すると一日中ケンカ状態になってしまうから、ここぞというときにだけ反撃する。「アンタ、仮免とってまだ3週間足らずでしょう?ひよっこのくせに偉そうな口効くんじゃない!ママが何年運転してきたと思ってるの!」この前は車の中で日清戦争状態(=日露戦争まではいかないレベル)となり「私が運転してる時に怒鳴らないでよ!事故るでしょ!」ときたもんだ。こっちを怒鳴らせるような態度をとるな、である。怒鳴られるから、怒鳴り返すと「どならな

子供が運転し始める。(3)

さて、20歳のムスコの方である。大学2年生が終わって今年秋から3年生。車で4時間ほど離れた州外の大学の寮で最初の一年を過ごし、そこで知り合った同じ工学部の男仲間4人と2年目はルームメートとして一緒に暮らした。大学生になってから帰省するたびに、私の計算通り見事に成長してるのが手にとるようにわかるムスコである。 コイツは家大好きっ子で外食よりも私の手料理を好む。友達のところへ遊びに行くよりも友達を家に呼ぶ。新しいことを始めるのが苦手で、にっちもさっちもいかなくなってからシブシブ

バイリンガル読書。(1)

小さい頃から本がスキだ。特に歴史小説。司馬遼太郎と池波正太郎はお決まりの好きな作家で、私のAcura MDXには「柳生十兵衛」とフルネームがついている。 二十数年前にアメリカにきた時、英会話もカタコトだったし英語の本ところか書類を読むのはほんとうに一苦労だった。日本語で読めるのと同じレベルの英語の本が読めないことに苛立ち、かといって日本語の本を読んでいては英語が学べないという苦悩の中で、私は両言語の読書を捨てた。まず英会話に集中し、TVと映画にまみれ日本語をいっさい使わず順

バイリンガル読書。(2)

高校生になると、学業と大学受験準備で忙しくなり、小さい頃たくさん本を読んでいた子の読書時間が激減する。Englishのクラスで自分の好きな本を自由に読める"free reading time"があるけれど焼け石に水。 ムスコの高校時代に、私は彼が中学時代に読んだ本を読みまくり、Percy Jacksonに惚れた。黒髪に碧眼。お父ちゃんは海の神ポセイドン、人間のお母ちゃんとの合いの子なのだが、Percyは知らないで問題児として育つ。Camp Half Bloodで、ポセイドン

育児的視点から、大学生の扱い方。

日本では20歳だが、アメリカでは18歳になると「成人」扱いになる。投票できる。でもお酒を飲めるのも、運転免許証が普通に横長になるのも21歳から。来年1月に21歳になるムスコはこの秋から大学3年生。5月から4ヶ月間もある夏休みのうち、最初の2ヶ月だけ帰省した。 私が実家に帰った時と同じで、最初の2週間は和やかに楽しく親と過ごす。3週間目に入るとお互いに苛立つ場面が出てくる。当然である。お互い自分だけのルールで暮らすようになったのだから、片方が帰ってきて(侵入してきて)片方のル

子育ての鉄則。自然発生的な罰-"Natural Consequence"

私は相変わらず助手席に座って、私の同乗なしには運転できないムスメに怒られている。一体なんで私はこんなに怒られているんだろうと、家に戻ってきてひとり笑い。 今日はGPS(カーナビのこと。Global Positioning System)で運転していたのに間違えて左折しなかった。ちゃんと曲がるかどうか黙って見ていて(事前に言うと"I know!"と怒られるから)通り過ぎたから思わず息をのみ「そこ曲がり損なったよ」と言ったのに、それでもやっぱり怒られた。 「これから一人で運転

きちんとしてなくてもなんとかなるのは。

アメリカでの生活は、何が起こるかわからない未知の要素に取り巻かれているという感じがする。日本で育った私の目には、たいていが人為的なミスであることがほとんど。時間に遅れる。約束を守らない。予約していたのに予約されていない。決めておいた約束を直前になって変更する。事前に通知されているべきことがされていない。とにかくキリがない。そして、人為的ミスなのに「すみません」の言葉が続くことがほとんどない、といっていい。 今朝も11時から娘は受験する大学に提出する一斉テスト(SAT/ACT