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【018】精神的無能との接し方が分からない

本題に入るために、記事タイトルに書いた"精神的無能"と、それに相対する"力量的無能"の説明をさせて欲しい。

これらは私の造語だ。この記事を書くにあたって、私の悩みの種を言語化するために作り出した。

例え話として、サッカーを使おう。とあるサッカーチームにて、力量的無能な選手・通称"リキム"と、精神的無能な選手・通称"セイム"、この2人が居たとする。

リキムはドリブルが下手だ。そのため攻めようとはするもの、すぐにボールを取られてしまう。キックコントロールも不安定だ。味方へのパスは見当違いな方向へ飛んでいき、シュートはゴールポスト外へ‥‥‥というのもしばしば。

セイムは、試合中常に棒立ち。周りからパスを出されようがスルーし、チームが失点しようと一切動じない。ただそんなムーブはサッカー選手として許されるワケがないので、案の定監督やチームメンバーにそれを咎められる。そこでやっと動きが見えるのだが、相手選手とぶつかるのを嫌い、ボールを持ってもすぐに手放すし、ボールを取りに行く姿勢は見せるものの、わざと相手に抜かせるようなディフェンスしかしない。終いには、点を取ろうと唐突に手でボールを抱え、自ゴールに向かって走り出す。

この2人の無能、違いが分かるだろうか?

リキムはいわば、センスや経験不足が起因する無能だ。サッカーを始めて間もないor運動神経が無い故に、ドリブルやパスシュートがマトモに出来ない。しかし彼のプレイスキルは日々の鍛錬、努力次第でリカバー出来る可能性を有している。

一方セイムは、1つの事象と向き合うことが出来ない無能に該当する。サッカーという点を取ることが絶対条件であるスポーツで、そこに貢献する為に考え、行動することがない(出来ない)のだ。仮に潜在的なプレイスキルがあったとしても、それを発揮しようとすらしないため、彼の根本的な性格、人間性を矯正しないとプレイヤーとして使い物にならない。またセイムは、リキムも兼ねているケースが多い。行動しない=自ずと経験不足になるため、精神的無能かつ力量的無能になりがちだ。



そんな、精神的無能"セイム"が、今私と同じ部署で働いている。


※本記事では、便宜上彼自身をセイムさんと呼ばせてもらう。

そのセイムさんは、昨年11月頃、ウチの部署に異動してきた。業務領域は私と同様設計職。ただ扱っている制御が全く異なるため、こと本部署での業務スキルは初心者、といった出だし。

勿論、右も左もわからない状態だったため、業務の大まかな概要と、作業プロセスを説明した上で、1つとある案件を彼主導で実践してもうことに。‥‥‥‥まぁ始めは中々要領よくこなせない。作業ミスやプロセスの見落としもあった。ただそれは初心者の誰しもが通る道。チーム全体で一ヶ月、2ヶ月と長い目で育てる気だった。

しかし、2か月ぐらいで彼の異常性に気づく。ただでさえ慣れない業務で作業が滞ってはずなのに、全く進捗を報告しない。どこまで進んだかを問い詰めても「今、進めています」と具体性の無い濁した返答をするばかり。刻一刻と納期が迫る中、痺れを切らしたメンバーの一人が「ちゃんと進捗を共有しろ」とついに喝を入れた。そこで初めて、彼がどこまで業務を進めたか、詳細が明かされたのだが、案の定、成果物としての基準を満たしていない杜撰な代物がそこにはあった。その有り様を見て、セイムさんが継続して業務を進めるのは不可能と判断。別のメンバーがその案件を引き継ぐという形で、彼の初仕事は幕を閉じた。

私個人としてはこの時点で、彼を他所の部署に飛ばすべきという考えに達した。しかし悲しい事に、うちの業界は人手不足。前回の反省を活かし、次の案件を彼に振る事に。

結果、反省も成長もなかった。
相変わらずロクに進捗を報告しない。わからないことを聞かずに間違ったやり方で無駄な作業をする。納期が迫っているのにそのリカバリーをしない。

そんな彼の不始末はチームで支えた。定期的に共有の場を設ける様徹底。各工程の詳細と、なぜそれをやらないといけないのかの意義を何度も説明。「〇日までにAの作業、〇日までにBの作業をやらないといけない」と、細かいスケジュールを提示。ここまで介護しないと、まともに業務ができないのだ。

どうだろう?私が定義する"精神的無能"のイメージが掴めてきただろうか?

物覚えや要領が悪いといった要素は仕方ない。個々の能力によって得手不得手があるし、今後経験を積むことで挽回の余地がある。ただスケジュール感を持って仕事に取り組めない、定期的な報連相を遵守できないのは、成長とは別の次元の話だ。彼は新人ではない。私よりも一回り年上(実年齢は知らないが)、言わば"中堅"と呼ばれるべきキャリアにいる人間だ。にもかかわらず、社会人として当たり前の行動を取れない。そんなセイムと、今後どうやって付き合っていけばいいのだろうか?私には分からない。

はっきり言っておくと、彼に寄り添って、手取り足取り支えるのは無理だ。何故ならこれまでの人生、私はセイムと遭遇した際、対象を徹底的に攻撃し、その人間のメンタルと関係を破壊してきた過去があるからだ。

大学時代、グループワークでの課題製作がある授業があった。そこでグループを組んだ学生の1人に、報連相を一切せず、与えられた役割もロクに全うしないセイムがいた。私は彼に「お前みたいなのが居るとこっちが迷惑だから座学だけ取ってろ」と言い放ち、彼抜きで課題を完成させたことがある。

品出しバイト時代、平積みされた商品の上に、箱から中身を出さないまま積み上げ、休憩に入った奴がいた。彼曰く「休憩後に続きをやるつもりだった」とのことだが、客が下の商品を取れない状況を作ったまま休憩に入るなんて非常識は許されない。私は彼に、ここでは言えないような罵倒を浴びせた。

弁明させてもらうと、何もできない新人・初心者にこんな邪険な態度はとらない。ある程度経験を積んだ上で、その界隈における絶対的な常識を破る人間が許せないのだ。義務教育を終えても尚、常識を持たずにコミュニティに入ってくる者たちに、手を差し伸べる道理はない。

私のやり方が、社会ではパワハラに該当するのは自覚していた。だから就職して以来、セイムとは絶対に関わらないようにしてきた。新人研修で輪を乱す同期は見て見ぬふりをしたし、今一緒に働いているセイムさんとも、距離を取り続けてきた。正直に告白させてもらうが、先程「チームで支えた」と表現したものの、私は殆ど彼のサポートをしてこなかった。それは自分の業務が忙しいから、チーム内の教育係に任せているから色々あるが、一番の理由はやはり、彼の言動に耐え切れず、私が爆発してしまうのを防ぐため。言わば自己防衛だ。

ただこれからはそういうわけにも行かなくなる。というのも、これまで教育係だった人間が異動でいなくなり、現在チーム全体を取り仕切っている上司も育休に入る。となると、残ったメンバーで彼のサポートができるのは、私だけしかいない。そうなったとき、私は果たして耐えられるだろうか?また学生時代のように、自身の怒りを抑えられなくなってしまうのが怖い。

どうかこの記事を読んでいて、精神的無能と仕事をしているビジネスマンの方。どうか私に助言をください。メンタルコントロールの方法でも、セイムとのコミュニケーションの取り方でもなんでもいいです。お願いだから、私を怪物にさせないでください・・・・。

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