今日はイチゴの日
登場モノ
銀蠅銀次:銀蠅の妖精
ほっぺ紅子:イチゴの妖精
烏丸:カラスの妖精
ケイ子:けいこの妖精
豚細子:豚小間切れの妖精
細田串男:串の妖精
ほっぺ紅子(ほっぺべにこ)は銀蠅銀次(ぎんばえぎんじ)を従えて、
モノとモノとの縁結びをしている。
けれどもお供の銀次は怠け者で、寒い冬場などは特に動こうとしない。
銀次の右触手で触られたモノは恋をし左触手で触られたモノは憎しみを
覚える。
紅子が相性の良さそうな二人を見つけても、銀次は少し、頭がクルクル
なので、右触手と左触手の区別がつかず、本来、相性の良い二人に憎悪を
植え付けたりする。
また、その失敗を見て紅子が大笑いするものだから、つい、調子に乗って、
愛と憎しみを交差させる。
今日はあんまり動かないので紅子に叱られ、2組のカップルを成立させるように
言い使った。
フラフラ飛んでいると目の前にハゲ、デブ、チビ、口臭い初老男が歩いていた。
銀次は手っ取り早く仕事を終えようとこの男の頬のあたりを右触手でタッチ。
そして男が最初に目にしたのはフレッシュ、ピチピチのケイ子だった。
もとより、男は大のケイ子好き。年末に彼女を食べそこない、はやる心が抑えきれず、
彼女をその場で鷲掴み。男はもれなく、器物破損、無銭飲食で引っ張られて行った。
銀次はアララ、と思いつつ、次のターゲットを見つけた。前から歩いて来るのは
不貞腐れ顔の豚細子(とんこまこ)彼女を追い越そうと歩いているのは細田串雄
(ほそだくしお)
銀次は左右がこんがらがって、左触手で串雄の手の甲にタッチ。すると串雄に
細子に対する憎しみが湧きおこり、串雄は己の先のとがった串で細子をブスリと
一突き。
二人は憎しみあいながらも離れられなくなった。そしてそれを見ていた歩行者から、
拍手が巻き起こる。モノたちの目にはお似合いカップル誕生に見えた。
銀次はなんとまあ、良い事をしたものだと一休み。普段は紅子から厳しく食事制限され、
生ゴミ漁りはご法度中の御法度だけど大好物。一人、これをモクモクと食べた。
けれど季節は冬。銀二大好物のイチゴは見当たらない。
銀次はどっかにイチゴ一円で売ってないかなと思った。
今日の一句
縁結び一期一会の勝負です
詠みモノ
銀蠅銀次
大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!