見出し画像

今日はお菓子の日

登場モノ

ネルネルネルネル:ネルネルの妖精、放浪の画家

その他お菓子の妖精たち

写真:ハルヒ(アメブロ)


ネルネルネルネルは放浪の画家として有名だったけれど誰もその姿を見たことはなかった。

ある日彼は山越えの道を歩いていて腹が減ったので、一軒の寂れた、小枝の茶店に入った。

そこで芋金にお茶を貰った。

しかし持ち金は足らなかった。ネルネルネルネルはお得意の絵を描いて主人にこれで勘弁してくれないかと言ってみた。

この店の主人カラムーチョは欲張りな男だったけれど、その日は機嫌がよく、また、

姿なき放浪の画家の話は知っていたので、もしかしてと思い、

ネルネルネルネルが代金の足しにと差し出したきのこの山の絵を受け取った。

この色紙を飾ってみると、きのこの山は本物みたい、美味しそと評判になり、小枝の茶屋は賑わうようになった。

ネルネルネルネルが今度は海岸沿いを歩いているとまた金もないのに腹が減った。

目の前には寂れたたこ焼き亭茶屋があった。彼は以前のことを思い出して、また絵を描いて代金の足しにしようと店に入った。

店の主人、スッパムーチョも強欲な男だったけれど、きのこの山の絵で儲けた小枝の茶屋の話は噂に聞いていたので、

自分にもそんな運が向いてきたと思い、快く、おっととの描いてある色紙を受け取った。

この色紙のおっととは本当に動いているみたいにリアルだねと

こちらも評判になり、たこ焼き亭茶屋には長い行列が出来るようになった。

この話は瞬く間にネルネルネルネルの姉、甘栗剥き子に伝わり、彼女は茶屋に金を返してくるように言いつけた。

ネルネルネルネルは仕方なく、小枝の茶屋に行くと、茶屋のカラムーチョはこの色紙でもっと儲けようと欲をかいて

足りなかったお金は要らないので、その代わりにこの色紙にたけのこの里も描いてくれと言った。

カラムーチョはきのこの山にたけのこの里と里山を楽しめればもっと客は増えるだろうと考えた。

しかし、きのこの季節にたけのこはないよねと言われ客足は遠のいてしまった。

たこ焼き亭茶屋のスッパムーチョも金は要らないからおっととにこんがり焼き目をつけてくれと頼んだ。

彼は魚に焼き目がついていたら、客が焼き魚を注文してくれるようになると考えた。

しかし、アレ、動いているみたいに見えたおっととが、焼き魚になって、

動かなくなったのでもう、見る価値ないねと言われ、こちらも客足は遠のいた。

カラムーチョもスッパムーチョも余計な注文しなけりゃ良かったと後悔して

人気のなくなった色紙を眺めて暮らしましたとさ。

大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!