今日は玉の輿の日
登場モノ
栗万子姫:栗万の妖精
父栗万十郎:栗万子の父で栗万の妖精
その他、大福佳代、豆子、塩子、草餅男:大福ファミリー
柏餅の君:柏餅の妖精
母親に早くに死なれた栗万子姫(くりまんこひめ)は父栗万十郎(ちちくりまんじゅうろう)
と二人、何不自由なく暮らしていた。
しかし父栗万十郎は大福佳代(だいふくかよ)と知り合い、そのボインボインでムチムチな
体に溺れ、再婚した。
大福佳代には連れ子の大福豆子(だいふくまめこ)と大福塩子(だいふくしおこ)と三男の大福草餅男(だいふくくさもちお)がいた。
豆子は白くって丸い顔に大きな黒いイボがいくつもあり、これを気に病んでいた。塩子は甘いばかりの女ではなく、生まれつき、しょっぱい意地悪をする娘だった。草餅男はこんな姉たちが嫌いだった。
大福家族は栗万子姫の評判がよく、自分たちよりもお高くしていると感じて、彼女をイジメて召使のようにこき使い、自分たちは毎日、白粉をはたいてはでかい面をしていた。
ある日、父栗万十郎の上司である柏餅の君(かしわもちのきみ)が仕事で万十郎のもとを訪れるとそこには色黒だけれど肌が艶々した栗万子姫がいた。彼女はいつものように家事をクリクリとこなしていた。
柏餅の君は子孫繁栄の神事をつかさどる由緒正しい家系だったので大福佳代は自分の娘のどちらかを嫁がせたいと思っていた。けれど柏餅の君は父栗万十郎に栗万子姫を嫁に欲しいと願った。
大福佳代と娘たちは栗万子姫を屋敷に幽閉し、柏餅の君に万子姫は流行り病の黒カビで死んだと説明した。柏餅の君は大そう嘆き悲しんで、玉露の川に飛び込みそうになった。
これを救ったのは草餅男だった。
彼は事の次第を柏餅の君に話し、二人で万子姫を救出した。栗万子姫は事の流れで、柏餅の君と結婚し玉の輿に乗れるはずだったけれど、時代遅れの女になりたくない。愛、自由、独立を手に入れると言って、今では栗栗を武器に男たちを翻弄し甘い誘惑のわなを仕掛けている。
今日の一句
栗万は大福よりも高いよね
詠みモノ
大福草餅男