宝石の国カードゲームのすすめ

【ノートを書く発端】
市川春子先生の『宝石の国』4巻特装版に付録として付いている宝石の国カードゲームの紹介をしたいと思います。(以降宝石の国カードゲームと呼びます)
なぜかというと、プロモカードであるフォスフォフィライト異の入手に成功したからです(笑)(ただし、まだ未プレイです!)
限定版の付録ということもあり、すでに絶版で入手困難ですが、再販されたりしたら良いなぁという意味も兼ねています。

本当に面白いので広まれ…!

本音は抽選の景品であるパパラチアも入手できるようにしてほしい…。

なお、発売は2015年5月22日と5年も前です。
わたしも当時はアナログゲームの存在を知らず、宝石の国の面白さにも気づいていなかったため、発売日には購入していません。
その後、アナログゲームにハマった後に宝石の国にハマりヤフオクで新品を入手しました。
市川春子先生書き下ろしの宝石たちに加えて、ホログラム仕様のコレクション性も高かったことから、当時も希少性が高く、定価以上の値段でしたが、プレイ回数を考えるとお釣りがくる楽しさなので、今となってはむしろ得した気持ちです。
その後、アニメが2017年に放送されたため、一時期さらに高騰していましたが、今は程よい値段に落ち着いている模様です。
もちろん定価から比べると非常に高いですが…

発端となったプロモカードは連載誌『アフタヌーン』の付録であり、複数冊購入していない限りファンは手放しませんし、ファン以外の方は捨てたりしている可能性も高いと思います。
結果、ヤフオクなどでもなかなか出回りません。
今回運よく中古品を入手できたという運びです。

【ルール説明】
基本的にカナイセイジ先生のラブレターと同じです。
宝石の国カードゲームのデザインもカナイセイジ先生の監修なのでパクリとかでは無いのでご安心を。
なお、ラブレターのルール説明は省いてます。ラブレターはやったことがあるけど宝石の国カードゲームはやったことがない。といった人向けです。

さて、肝心のルールですが、ラブレターと基本的には同じです。
大きく異なるのはカードの数値とカードの名称の関係性です。
例えば[1]兵士は[1]フォスフォフィライトに、[2]道化師は[2]アレキサンドライト[2]レッドベリルに、[3]騎士は[3]アメジスト[3]モルガナイト…となります。
お気づきのように、ラブレターでは1つの数値につきカードの名称は1種類で、一部のカードが複数枚存在しますが、宝石の国カードゲームの場合、同じ数値でもカードの名称(宝石たちの名前)が異なります。

[1]兵士の効果は、他のプレイヤーの持っているカードを予想し、カードの名称をコール、的中したら脱落させます。「姫」や「将軍」といった具合です。
このとき名称と数値は同義なので、数値でコールしてもゲームの進行上問題ありません。(上の例の場合、[8]や[6])

宝石の国カードゲームでは、兵士の効果を持つカードは[1]フォスフォフィライトになります。
効果は、他のプレイヤーのフォスフォフィライト以外の「宝石」をコールしなければいけません。
上でも述べたように、カードの名称が、宝石たちの名前に変わっているので、ゲームが進んで、相手のカードが[5]であることが予想できたとしても、[5]にはユークレースとジェードの2枚が存在するため、どちらのカードかを当てなければ脱落させることができません。(もちろん場に片方が存在していれば確定で当てることができます。)
つまり、ラブレターでは[5]もしくは魔術師とコールするだけですが、宝石の国ではユークレースかジェードの宝石名を指定する必要があります。
この時点で、選択肢が増えるため、ラブレターよりも当てずっぽうが利かず、戦略性が広がっていることがわかります。

他にも、ゲーム終了時に[7]に変化する[0]シンシャや、ゲーム終了時にいずれかのプレイヤーの手札にある場合、数値が低いほうが強くなる[2]アンタークチサイト(大富豪の革命状態になる)などの特殊な効果を持ち宝石や、
[7]大臣と同じ効果の[7]ボルツに加えて、手札の合計が12以上になった場合強制的に捨てなければいけない[7]ダイヤモンド(脱落ではありません)があります。
推奨ルールは[7]ボルツか[7]ダイヤモンドのどちらか一方を入れることになっていますが、私は両方を入れることを強くお勧めします。(理由は後述)
さらに、手札に来た瞬間に脱落してしまう[X]モフモフというカードや、今回のノートの発端である[7]フォスフォフィライト異です。
[X]モフモフに関しては、即脱落するため、選択ルールになっていますが、こちらも入れることを強く推奨します。
また、[7]フォスフォフィライト異の効果は、このカードが捨て札になった場合、ゲーム終了時まで脱落しない。というものですが、数値が[7]と大きいため捨てなくても勝てる可能性が高いことや、ゲーム終了時までに使わないと効果がないことに加えて、ゲーム終了時に勝てる数値を引いてこれるかがわからないこと、[7]ボルツを引いてしまい脱落するリスクがあるなど、使いどころが非常に難しいカードです。

[0]シンシャもなかなかに悩ましいカードです。
[0]シンシャはゲーム終了時まで手札にあれば[7]になるため、勝てる可能性が高いですが、最後まで脱落しない工夫が必要です。
また、[2]アンタークチサイトがいた瞬間、[8]金剛先生の次に弱いカードになってしまうこともあり、実に悩ましい。
[2]アンタークチサイトも、[1]フォスフォフィライトがすべてで払っていれば、最強カードです。しかし、[2]なので脱落せずにやり過ごすのは難しいです。また、[1]フォスフォフィライトが4枚しか見えていない場合でも、ゲーム最初によけた1枚に[1]フォスフォフィライトが入っている可能性もあるため、勝てる可能性は十分にあります。(ただし、多くの場合[1]フォスフォフィライトを持っているプレイヤーに返り討ちにされます。)

以上のように、特殊効果を持ったカードが多数存在していることから、通常のラブレターにはない、戦略が生まれます。
推奨ルールは、これらを選択ルールとして入れるか入れないかを判断しますが、私は、全部のカードを入れてプレイすることを強くお勧めします。

ただし、[X]モフモフを引いた場合、即脱落となる点や、[7]フォスフォフィライト異がカードバランス的に強いという点を考慮して、以下のルールを追加します。

【宝石の国カードゲーム特別ルール】
① ゲームに勝利したプレイヤーは勝利点1を得る。そして、先に勝利点5に到達したプレイヤーを最終的な勝利者とする。(長く遊びたい場合、勝利点10にするなどもOKです。ゲーム会終了間際の軽く遊びたいとき、終了時間時点で最も勝利点を稼いだプレイヤーが勝利とすることもよいでしょう。)
② 初手で[X]モフモフを引いて脱落したプレイヤーは、脱落するが勝利点1を得る。ただし、このルールで勝利点5に到達した場合は、勝利点6にならないと最終的な勝利者にはなれない。(運要素を極力減らすためです。)
③ [7]フォスフォフィライト異をプレイしたが、勝利できなかった場合、勝利点-1を得る。ただし、マイナスにはならない。(思考停止でプレイすることを回避するためです。)

以上のルールを追加することで、運要素を極力除外した上で、より戦略性が高いゲームとなります。
※③の追加ルールについては、実際にプレイができていないのでバランス未確認です。例えば、『初手でプレイした場合に限る。』や、『[7]フォスフォフィライト異が最後のプレイになる場合に限る。』というように制限を追加する方がよい可能性があります。(プレイ出来たら追記・修正したいと思います。)

どのように戦略性が上がるかというと、例えば[7]ボルツは、ラブレターの場合[5]以上のカードは残り5枚なので、脱落する確率は35.7%(5/14)です。しかし、宝石の国特別ルールでは、[5]ユークレース[5]ジェード[6]ルチル[7]ダイヤモンド[7]フォスフォフィライト異[8]金剛先生の残り6枚なので、脱落する確率は30%(6/20)になります。運の要素が若干さがります。しかし他プレイヤーの手札状況など山札に残っている数は予想が困難です。初手でいきなり5以上を引いてしまって脱落したり、後半の山場で引いてしまうなど、引くときはあっさり引いて脱落します。つまり捨てるか捨てないかの判断に戦略性が現れ、わざと捨てるといったことも起きるのです。また、[7]ダイヤモンドが捨て札になった場合、他のプレイヤーは[7]ダイヤモンドの効果で捨てられたのか、あえて[7]を捨てたのかの判断をしなければいけません。[7]ボルツを持っていないことだけはわかりますが、残った手札が高いのか低いのかの判断は意外と難しいです。ここにも戦略性が生まれます。

以上のように、選択ルールをすべて取っ払い、全部入りした上でルールを追加することで、ラブレターでは味わえない戦略性の高いゲームになっていると思います。

【最後に】
文字だけでは面白さが伝わりにくいので、ぜひプレイしてほしいのですが、冒頭述べたように入手性に難があるためゲーム会などでもなかなかお見掛けしません。
持っている方はぜひゲーム会に宝石の国カードゲームを持っていっていただき、ラブレターが好きな方や、より戦略性を求めるゲーマーに広めていただければと思います。

あわよくば再販を! 講談社様なにとぞ。

書きたいことが多すぎて長文すぎました。
最後まで読んでくれた人はありがとうございます。
それでは。

【おまけ】
白浜鴎先生の『とんがり帽子のアトリエ』5巻限定版にも
ラブレターをベースにしたオリジナルカードゲームが付録としてついています。(もちろんカナイセイジ先生監修)
勝利条件が変化する特別ルールを採用していますが、カード構成がラブレターと同じく数値とカード名称が1対1になっていることから、ラブレター寄りのゲーム性であり、初心者向けです。むしろ勝利条件が変化することから運要素が増えている印象です。
そのため、わたしは宝石の国カードゲームの方が断然好きです。
宝石の国カードゲーム同様、デザインは白浜鴎先生書き下ろしの美麗イラストなのでファンは買って損なしですよ。ゲームとしては眠ってますが…(汗)

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