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秋の訪れと少年

空にいわし雲が見えてくると秋が来たな、と思うわけですが。
まだまだ残暑厳しいですね。

今日は仕事の都合でちょいと東京を横断してきました。
その時の小さな出来事から多少脚色した感じで妄想文を書いてみました。
あー。うん。


誰もいない車内 終点1個前

通勤電車の時間帯にもかかわらず、某所が終点の各駅停車は残り5駅を残してかなり空席が目立ってきた。

私の目的地はこの電車の終点。

乗り換えから3駅で偶然にも確保できたシートの一番はじの席を、PCが入った重たいリュックと共に、大事に防御する。

久しぶりの出勤。そして早起き。

在宅なら起きて5分(内緒)で会議だけれど、さすがにそうはいかず、いつもより2時間も早く起きる羽目になった。

私は朝が苦手なのだ。

だから、座席では、ぼーっとしていて、周囲のことなどあまり考えてなかった。

一駅、一駅と降りていき、終点のひとつ前、JRの接続駅で残ってた人はほぼ降りた。

が。

私の隣で寝息を立てている眼鏡男子高校生は、ずっと一緒だ。

夏の終わりの終点に向かう電車の車両の中には、私と彼しかいない。
私も眠い。君も眠い。

どこの駅で乗って来たかは忘れたけれど、だいぶ長い時間彼は寝ていたと思う。私は覚悟で終点まで乗っている。でも彼はなんとなく時間を忘れて電車に乗っているような雰囲気がした。

そして、二人きりの時間は終わる。
終点の案内がせかすように流れ、折り返しを待つ人がなだれ込んでくる。
私はゆっくりと立ち上がった。

夏の時間が終わるように、彼との時間は終わった。



と思ったけど、一応ね。
「終点ですよ」と声をかけた。眠りが深すぎてどうしようかなーとおもったけど、肩をちょっとたたいて、もう一度「終点ですよ」と言ってみた。

少年からは「あああああああああああああっ」という声がもれた。
寝過ごしたな…。ちなみに今は9時32分ですよ…。
がんばっ。


今日の訪問先でのお弁当はなだ万でした。
煮物がおいしかったです。


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