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夏の盛岡へ

私は盛岡という街がとても好きだ。縁もゆかりもないのにもう5度目の訪問。

2回めに来たときに泊まったゲストハウスのご主人から「盛岡に来るなら夏もぜひ。さんさがあるからね」とすすめられてから数年、春と秋の顔しか知らなかった私は夏の盛岡へようやく来れた。

盛岡の大学に通っていた友人との2人旅、友人がおすすめの店をたくさん教えてくれて、また盛岡が好きになった。

友人と私のおそろいの白い犬とともに
一食目は大同園の冷麺!盛岡の冷麺は「別辛」というシステムがあって、キムチを別添えで出してくれるのだ。助かる。
ホテルに荷物をおいて、櫻山神社方面へ。かわいい鳩のおみくじをひく。大吉!
街はもう、さんさの気配。さんさの衣装をばっちり決めた人たちとすれ違う。
スピリチュアルなことにはノースタンスなんだけど、盛岡城跡公園のここは、いつ通っても「気のいい場所ってあるんだなァ」と思う。しばらく立ち止まって深呼吸する。
大好きな喫茶店、ふかくさへ。
ジブリの世界。窓辺に、この空間のためにあるの?というくらいぴったりな北原白秋の詩がある。
夏よ
ふかくさを出るころには16時半をまわっていた。BOOK NERDの閉店時間が迫っていたので急ぐ。平日だというのに混み合う店内。
3冊の本を購入。どれも東京の本屋では、(自分のセンサーが動いていなくて)出会えない本。
路地裏のノウゼンカツラ
さんさを見にいく途中、岩手日報社の前を通ると参加するみなさんで記念撮影をしていた。なんかすごくいいなあ。
さんさスタート!色々な企業や団体がパレードする。商業色がいい意味で薄くて、街の人たちが毎年楽しみにして、自分たちでつくっているようなお祭りなのがいい。
いつもは経理部の〇〇さん、営業の△△さんなひとびとが、たぶんその中に気の合わない関係のひともいるであろうなかで、みんなでお揃いの衣装を着て踊っているのがすごく美しいなと思った。
これは自衛隊。ひときわキレがよくて迫力があった。
ビルの中から残業中のおじさんたちが窓に鈴なりになっていたり、踊り手として参加しているだろうお友達の名前を呼ぶ女の子たちだったり、ほんとに街に根付いているんだなあと。
さんさを堪能しホテルでシャワーをあびてから、海鮮の美味しい居酒屋へ。こんなに新鮮なホヤ、はじめて!三陸の海の王といわれているのだとか。海にざぶんと飛び込んだような潮のあじ。
貝を七輪で焼いて食べる
お店の入り口に、トマト。トマトを飾るのも季節感があってアリだなあ。
2日目の朝はティーハウスリーベへ。玉子トーストを食べる。マヨネーズと玉子だけのシンプルな味なのに、パンにバターの風味がついているのかとても美味しい。
リーベのおばさまに「一緒に食べていたの?🥰」と話しかけられる白い犬。ウインナコーヒー用の生クリームと似ている。
ずっと気になっていた車門へ。静かな店内でゆっくりおしゃべりできてとても良かった。
この道、世界で5本の指には入るほど好き。
お昼ごはんは、焼肉ヤマトの温麺。クッパのようなスープに、冷麺の麺がはいっている。これが美味しい!牛肉やわらびなどの出汁が出ていて、いくらでも飲めてしまうスープ。暑いなか、汗だくになってすすった。どうしてあまり知られていないんだろう。
道端のお花。カラフルで可愛い。
夏よ
商店街の七夕飾り。フェルト寿司もセンスあるし、〆さばを作るのも最高。

久しぶりに盛岡に来たけれど、やっぱり呼吸のしやすい街だなあ。本屋さんと緑といい喫茶店があって、川が流れていて、街の人たちがみんな感じがよくて。

道を聞いたひと、お祭りでたまたま隣同士に並んだひとなど、その一瞬だけ人生が交差しただけの今後交わらないであろうひとにも、感じが良いと思わせるぶんの愛想を与えられるって、すごいことだなあと思う。

いつもは静かでひかえめな盛岡の街全体が、お祭りだからか、短い夏のあいだだからか、いつもよりなんとなくウキウキしていた。

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