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ふくすけ2024 -歌舞伎町黙示録-

見てきました。THEATER MILANO-Za。
最近何かを観ても忘れちゃう、あれってどうだったっけ?が思い出せない。ことが増えてきたので、備忘的に乱暴な感想を書いてみます。
ネタバレ有りなので、未見の方はご注意ください。

正しいことは本当に正しいのか?
悪いことは本当に悪いのか?
どう生きるか?
詰んだ時、どうにもならない時にどう生きるか?

12年前の公演を観た時の感想は上記のものでした。

当時の公演は衝撃を受けて、当日券も取って2回観た記憶。WOWOW放送も録画して何回も観ましたが、観る度に自分の常識を揺さぶられるような、毎回息を呑む場面がありました。
ただ、理解しきれない部分があったことも事実で、いつか再演があったらな。。と思い焦がれていたので、今回の再演は夢が叶ったといっても過言ではないです。

情報解禁日から楽しみにして、二公演を観ることが出来ました。しかも、最前列と、3階のLBブロック(サイドブロック)という真反対の座席での観劇。
※ミラノ座の3階サイドブロックは、全然観やすいのでおすすめです。

前回公演よりも説明が丁寧な部分が多く、より舞台に没入することが出来ました。人物相関もわかりやすい説明が入るので、相関の理解に頭を使いすぎずに演技に集中出来てよかったです。
わかりやすくなりながらも、松尾スズキらしいというか、ハッとするような表現が随所に盛り込まれており、舞台の醍醐味を感じました。

演技で特に素晴らしかったのが、岸井ゆきのが演じる、ふくすけ(前回は阿部サダヲ)。特に長尺の一人語りの場面。偽善に対する怒り、失望。それを感じながらどう生きるか。訴えかける場面が印象に残っています。その後の歌も含めて必見です。
阿部サダヲのふくすけの時は怒りがもっと強かったように感じたけれども、今回は世間への嘲笑と感じる部分が多かったです。怒りでどうにかしてやる、というよりもどうにもならないものは嘲笑い、こっちはこっちで何をしてでも生きてやりますよ。といった意思表示を感じました。

黒木華が演じるサカエ(前回は平岩紙)も良かったです。しっかりとした演技は、説得力があるなあと、役者としての凄みを感じました。舞台は数年に一回くらいしか観ないので詳しくはわからないですが、ちょっとした動きとかセリフの聞き取りやすさや抑揚、阿部サダヲと並んで実力があるっていうことなのかなと素人ながらに感じます。
こういう役者さんが中心にいると、なんだか舞台が骨太になったような気がします。

サカエがコオロギ(阿部サダヲ)との間に子供が出来なかったことを嘆くような場面があり、ここは同じく子供が産まれなかった、ヒデイチ(荒川良々)マス(秋山奈津子)夫妻との共通点。
子供さえ産まれていれば=もっと思い通りに進んでいれば、、、、そうならなかった時にどう生きるか。といった視点からも観られる舞台なのかなとも思いました。

Xの感想で見かけましたが、現実がふくすけの世界に近づいており昔ほど舞台の中とは思えなくなったとの意見。
もしまた再演があるなら(ないかも)、その時は現実との距離はどうなっているのだろう。
また次の夢として楽しみにしたいです。



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