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きれいな渦

女の子はきれいな渦を持っています
いくつかのごく小さなきらきら星を抱えて、それは生まれたときからずっと女の子のまわりを回り続けています

渦が女の子の目にうつることはありません
でも例えば彼女が海の底で1人膝を抱えたい気持ちになったとき、渦はそっと灯りになり虹になり、あるいは誰かから届けられるやさしい言葉になったり
そんな風に女の子を守っています

自分を包むやわらかな存在のこと
大人になった女の子は知っています
あの時もこの時も、ほんとうは1人じゃなかった
姿を見てお話が出来たらいいのに、と彼女は時々思います
でも見えないからこそたのしい、とも思っています
前を向いて心を静かにしていたら、世界はいつでもメッセージで溢れていること
受け取れたら深呼吸をして投げ返す
生きてるあいだこのキャッチボールが続くのは、たのしくてうれしい

たくさんの日々を紡ぎながら渦は今日も女の子のまわりを回り続けます

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