見出し画像

【東日本大震災から6年。オランダと3.11】

過去のポスト(2017.3.11)をnoteに転載。

東日本大震災から7年、2018年の最新記事はこちらです。

毎年、この時期はとりわけ人生の様々なことを考えます。自分が震災後に東北に赴任し、被災3県の担当となり、復興支援に携わったことで、自分の人生の価値観が根底から揺さぶられる原体験をいくつもしました。

 
6年後の現在、オランダにいます。恥ずかしながら、日本にいた時はオランダを含むヨーロッパの諸外国がこのような形で被災地、日本を支えてくれていたとはつゆとも知りませんでした。当時、オランダだけでなく、諸外国の対応はメディアの限定的な情報で表面的に知るにとどまっていました。改めて調べる中で、こういうことは知るだけで各国の公式・非公式の対応に感謝の念が込み上げますし、友和や他国への関心にも自然とつながるものと感じます。そして、また泣いてしまいました。君の名はの時も含め、加齢もあるのか非常に涙もろいです。

 
以下、オランダの被災地支援に関する2011年当時の具体的な話です。
 

こちらは2011/4オランダのアリーナでのチャリティコンサートの様子です。3万人以上の参加者とTVを通じた多くの支援が集まったとのことです。6年前に実際あった心温まるイベントとWe are the worldのメッセージは色々と重なり、心が強く打たれます。

 
ダイジェスト 



We are the world

 
フルバージョン
http://www.uitzendinggemist.net/%E2%80%A6/Nederland_Helpt_Japan.html



本リンクである、別の2011/6チャリティイベントには、5万人が参加。上述のアリーナでの3万人含め、5万人の祈り、願い、希望のメッセージには圧倒されます。


 
震災直後のオランダ政府およびオランダ大使の対応も心に残るエピソードです。


 
日本で有名なミッフィーに関しても、作者であるオランダのディック・ブルーナさん(2017年に他界されました。R.I.P)より、震災を受けて描かれた涙目のミッフィーが被災地に送られています(朝日新聞記事)。


 
震災後に東北におり、復興に携わっていた自分の中ですら、風化を時に感じてしまいます。自分自身、月日の経過や物理的な距離を、残念ながら言い訳にしてきたのだと思います。


ただ、それでもなお、6年経った今でもなお、震災復興に資することはこのような情報発信を含めて、どんなに小さなことでも出来ることが自分を含む各人にあるのだと、今改めて強く思います。


日本や他国が将来、同様の地震、津波に巻き込まれる可能性はかなり高いです(例えば、熊本地震含めて実際に起きています)。地震や津波でなくても、甚大な自然災害という観点に立てば、自分が生きている間に日本やそれ以外の地域で見舞われる可能性も相当に高いです。

 
そういうことを意識するのは、自分が運命的なタイミングで東北にいたからであって、あなたは特別だと言われるかもしれません。でも、そんなことは決してないと力を込めて言えます


自分の実家は埼玉県の越谷市で、自然災害なんて全く程遠い地域と疑わずに生きてきましたが、ここ数年の間に、

①局所的な竜巻が発生して実家や母校が一部損壊、車全壊(以下、参照。バックから車を写したもの。竜巻の威力には驚嘆です)


②歴史的大雨により腰の下まで冠水等、


これまで想像すらしなかったこと「想定外」が実際に複数起きています。本当に、もう何事も他人事ではないと改めて痛感させられました

 
日本全体や各人が東日本大震災や、直接・間接に経験してきた自然災害、人災の教訓を忘れず、自分や家族のこれから、そして次の世代や他地域に伝承し、役立てることは自戒の念も込めて、一つの使命、責務だと思っています。

 
日本は、高齢化、少子化を含め、課題先進国と言われますが、まさに災害先進国でもあります。


これだけ多種多様な災害を国全体として経験して、蓄積してきた知見や技術は、間違いなくオンリーワンですし、将来再び起こるだろう自国や他国にとって間違いなく有用ですし、積極的に発信・共有してこそ日本が価値、プレゼンスを発揮できる領域だと思います。

 
その点、オランダは大変参考になります。「世界は神が創ったが、オランダはオランダ人が創った」といわれるように、オランダの歴史は水害の歴史と深く結びついており、水と時に闘い、管理し、共生し、出来上がってきた社会です。オランダの土地造成という物理的な側面も、合理性等を重んじる精神的な側面も、水と深く関わって形成されてきました。

 
雑は承知で単純化すれば、日本の鎖国時代の西洋技術は基本、オランダ経由で入ってきています(それもあり、ビール、コロッケ等オランダ由来の日本語は多い)。


上述のような先進的なオランダの治水技術が当時、日本に導入され、現在の治水技術の礎の一つになって日本を支えています。そして、現在もオランダは先進的な治水技術をビジネスモデルとして各国・地域に輸出・展開しています。

こういう社会性を備えた「三方よし」のモデルには、やはりワクワクするし、「いいね!」と感じる性分です。


人口2千万、面積は九州程度の物理的に小さい国オランダに江戸時代だけでなく、現在でも学ぶことは改めて多いです。日本も数多くの自然災害を通じた経験や知見を風化させずに、もっともっと内にも外にも共有、展開していく方が、悲劇として片付けるよりはるかに有意義だと感じます。

 
と、色々言ってきた自分も結局やはり、頭でっかちで全然行動出来ていないのが正直なところです。改めて論より行動、言行一致を心がけます。

 
そして、被災地へ行ったことがないけど、実はまだ行きたい、行ってみたいと思っている方へ。


私も当初、被災地へ訪問することにどこか申し訳なさを感じたり、遠慮していた部分がありました。そんな中、今でも被災者の方に言われた、心に残る言葉が「過去の悲劇は変えられないけど、この事実と現状を自分の目と耳と肌で感じることで、将来にいかすことは出来る。それは必ず意味があるし、被災者や犠牲者も報われると信じている」。

 
自分が東北にいた当時ですら、復興の目途は立ったと既に思っていた域外の知人が少なくありませんでしたが、6年経った現在なお、仮設住宅で暮らす人は数万おり、復興はおろか、復旧の目途も立たない、時が止まったままの地域は数多くあります。


6年経った現在でも、前向きな動きとともに、影の部分を含め、各人が感じ、気付き、考えることはたくさんありますので、被災地へ行きたい思いがある方は今すぐにでも行くことを個人的にはおススメ致します。


そして、既に足を運んだことがある方も定期的に赴くと、新たに気付くこと、考えること、出来ることがあると思います。私も少なくとも1年に一回は行っていますが、毎回新たな気付きや思いに至っています。今年も日本に帰った際には必ず赴きたいです。

 
被災地訪問に関するアドバイス含め、自分が出来ることは惜しまないので、社交辞令ではなく気軽にご連絡ください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?