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穴あけしちゃったプラスチックのリカバリー(アケコンのガワとか)

アケコンのガワを加工していると避けて通れない穴あけ。ただ、プラスチック素材に一度穴をあけてしまうと後戻りはできず……一歩踏み出せないという方もいるのではなかろうか。ありがたがる人がどれだけいるか謎だが、この記事では修復に役立つアイテムを紹介してみることにする。

おすすめアイテムその①:ボンディック

UVライトで固まる液体プラスチック。プラスチックだけでなく、金属、木材、石、レンガ、セラミックなどにも使える多用途っぷりで、UVライトを数秒あてれば硬化する素早さもウリ。ゼリー状なため、薄く塗って固めた上に塗り重ねていけば、割と大きな穴を埋めることも可能。
硬化後は半透明のプラスチックような感じになる。ヤスリやカッターで成形できるが、ボコボコになっていることが多いと思うので、ヤスリで整えたほうがよい。
最大の難点はプラスチック液本体が高いこと。Amazonで普通に買うと1800円くらいしてしまう。容量も多く入っているわけではないので、要所要所で。

おすすめアイテムその②:シアノンDW

高圧ガス工業株式会社の瞬間接着剤(瞬間というほど瞬間ではない)。穴埋めに使うのはDWという種類になるが、これは人工大理石用タイプらしい。液状なので穴埋めにはまるで向かないのだが、ベビーパウダーと混ぜることでパテのように使えるので(配合の割合は1:1くらい)、小さい隙間埋めには非常に重宝する。自分はあわせ技で、ボンディックで薄い膜を作ってからシアノンDWを流し込んで硬化させるというようなことをよくやっている。
硬化後は白色のプラスチックのような感じになる。結構硬いので、ヤスリをかけるときは目の荒いものでゴリゴリやった方がいいかも。

上に挙げたアルテコのスプレープライマーを吹き付けると硬化速度が格段にあがり、即座に固まる。ワンセットで使うのがベスト。

おすすめアイテムその③:プラリペア

合成樹脂のパウダーと専用リキッドを混合し、重合硬化させる補修剤。プラスチックの補修用途としては最強の武器だが、粉に溶剤をスポイトで落としてできあがったゲル状の物体を埋め込むという結構テクニカルな商品なので慣れが必要。溶剤がシンナーのような匂いなため、換気にも気をつけないと気分が悪くなる恐れも。
硬化はそこそこ時間がかかるが、非常に固く、分厚く成形するとカッターで削るのも苦労するほど。補修する際は盛りすぎ注意。

おすすめアイテムその④:タミヤ エポキシ造形パテ

タミヤのエポキシパテ。プラスチックモデルの補修や改造に使うものなので、アケコンのガワを加工するのにも最適。ただ、個人的にはこれで穴埋めをしたあとにヤスリがけしたりするとかけたり外れたりする印象が強く、強度においてあまり信頼感がない。ほかのものと掛け合わせて使うのがよいか。

おすすめアイテムその⑤:おゆまる

お湯で柔らかくなるプラスチックねんど。当然ながら補修材ではない。では、何に使うのかと言うと、ボンディック使用時の当て木や、プラリペアでパーツを複製する際の型。とくに自分はボンディックで穴埋めをする際に使っている。
おゆまるはボンディックやプラリペアがくっつかない素材なのだが、おゆまるで穴に蓋をし、あとはそこにボンディックを流し込んで硬化させれば面に対して穴塞ぎができる。ただ、ボンディックだけで埋めようとすると大量のプラスチック液が必要となるため、ボンディックは薄く塗布し、穴埋め自体はシアノンDWでするとよい。
ちょっと見てくれは悪いが、ボンディックとシアノンDWのあわせ技で成形した例(透明に見えるのがボンディックで、白に見えるのがシアノンDW)。

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このくらいの大きさの穴もうまく組み合わせれば簡単に穴埋めできる。ヤスリがけして塗装すれば穴があいていたとは思えない状態にまで復旧可能だ。

むすびに

おゆまるの項でも触れたが、なにかひとつだけで使うのではなく、組み合わせて使用するのがベスト。プラリペアで穴を塞いでシアノンDWで補強したり、ボンディックで蓋をしてからシアノンDWを流し込むなどが有効だ。鉄と比べて切った貼ったがしにくいプラスチックだが、道具を有効に活用して乗り切っていきたい。

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