千盤一夜物語(6)

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本日はプロコフィエフ作品集。なんとなく手に取ったら、ライナーとかストコフスキーって見えて、買った1枚という記憶がある。もちろん、偉大なテミルカーノフ先生の名前は目に入ったものの、テミルカーノフ先生のRCAでプロコフィエフっていうと、持っている「アレ」だなと思い、これは別の機会に譲ることにする。

プロコフィエフはいまだによくわからない作曲家の一人で、妙にリリカルな面を示すかと思えば、メカニカルにスコアに音にしてみたような音をさせてみたり、デモーニッシュな面も垣間見せたり。とにかく、頭が良かった人なんだろうというのはわかる。かつて、サンクトペテルブルクのオケのトロンボーン奏者たちと話した時に、プロコフィエフは天才だ、プロコフィエフの本質はロマンティストな性格にあるというようなことを言っていた気がする。

2枚組ながら、1枚はテミルカーノフ先生の交響曲第5番なので、実質今回聴いたのは2枚目のF.ライナー指揮シカゴ響の「アレクサンドル・ネフスキー」とストコフスキー指揮NBC響のメンバー(契約上の問題か、このような表記)による「ロミオとジュリエット」より抜粋の1枚。

F.ライナー指揮シカゴ響の「アレクサンドル・ネフスキー」はいい。いい音がしている。やはり、うまいオーケストラは、打楽器とかいい仕事をしている。上手だなって思う。ライナーは情感とかには興味がなかったんだと思われる。音を再現することに興味があって、そのために”楽器”としてのシカゴ響の性能を高めることに腐心したのではなかろうか。その結果、雑味のない解釈と鍛えた音がマッチしたときは、得も言われぬ感動がある。この路線を強化していけば、同じくハンガリー系のショルティに行きつくのもなんだか納得できる。

若かりしハーセス率いる金管の充実も安心して聴ける。少々、弦楽器が遠くに聴こえるが、何にも不満はなく上手。プロコフィエフの「アレクサンドル・ネフスキー」を十分に堪能できる。

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