「この子が死んだ後どう(処分)しよう」

「この子が死んだ後どう(処分)しよう。焼き場で焼こう。」「熱いからいやだ。。」

僕のお祖母さんの兄の亡くなる前の会話だそうです。
1930年代後半の出来事です。当時まだ小学校に上がるか上がらないかくらいの年でした。
彼は、髄膜炎で意識障害になっていて、聞こえていないと思って話していた父と叔父の枕元でのセリフに対して、つぶやいた言葉です。
悲しいですね。
今は激減した病気とその背景を簡単に記事にしました。

彼らを責めるのは簡単ですが、当時の子供の死亡率は高かったです。

脳を包んでいる膜、髄膜に感染する細菌が原因です。
発熱、頭痛、嘔吐といった症状がメインです。
今は他の原因の方が割合として多くを占めていますが、昔は、文字通り髄膜炎菌が原因となる場合が多かったです。
この髄膜炎菌による髄膜炎も今では激減した病気の一つです。

https://www.imd-vaccine.jp/risk/

感染は、食器の共有、回しのみでも感染するとのことです。
有効な治療法が少なかった時代では、防ぎようがありませんね。
致死率は19%と高いです。後遺症もありえます。

ちなみに、Waterhouse-Friedrich 症候群と言って、急に副腎というホルモンを作る臓器(腎臓の上に左右1対ある)が出血して、死亡することもあります。
怖いですね。
教科書の中でしか知りません。

戦後では、年間数千人が罹患していましたが、
今では数十人になりました

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/404-bac-megingitis.html

主に抗菌薬の発達で激減したと考えられています。

現代の医者は、医学の歴史に疎いですが、
昔を見てみると、それはそれは、簡単なことで人が死ぬ時代でした。

子供が死ぬのが当たり前の世界と、
子供は基本的に死なないものという世界では、
人々の死に対する感覚が今とは全然違うのでしょうか、統計からはそこが見えてこないです。