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公認会計士試験論文式試験 開示答案(令和2年度/令和3年度)

1.はじめに

 ニコです。このnoteを開いていただき、ありがとうございます。開示請求した答案が届きましたので、昨年のものと比較しながらまとめていこうと思います。気が向いたら色々文章を追加します…。


2.とりあえずまとめ

 とりあえずまとめて見やすいように、pdfファイルを置いておきます。

 ここから下では、各科目ごとに年度比較しながら見ていきます。結構見づらいです。ごめんなさい…。ちなみに企業・監査以外はCPAの解答速報ベースで丸つけしてあります(理論とか適当ですが)。

3.総合成績

 まずは総合成績です。各科目ごとの振り返りは科目ごとに行っていきますが、全体的な感想だけここで述べておきます。

・R2

総合51.05(156位(不合格者中))、ボーダー51.8

R2 総合成績

 最初この成績を見た時は、「健闘は出来ていたようでまあよかった」と思いました(不合格なのは既に分かっていたので)。ただよく見ると、企業法のおかげで全体がカバーされていて、企業法がなかった場合の総合得点率は49.97となります。
 なにしろ監査論が悪かったです。しかも、どちらかの大問で足を引っ張っているというわけではなく、第1問・第2問ともに偏差値44程度ですから、根本的に勉強方針を見直さなければならないなと感じました。ちなみに企業・監査がなかった場合の総合得点率は50.99となります。他の科目はあと一歩といった印象です。ただ、会計学第5問は悪かった(偏差値45.79)ですね。
 以上より、R3に向けての戦略(目標)としては、

①租税法・会計学第5問で稼ぐ(偏差値56以上)
②監査は偏差値50を死守する(平均を割らない、足を引っ張らない)
③あとの科目は、偏差値52を割らないように頑張る

としました。R3に向けての勉強時間(次節に記載)にも、それが表れていると思います。この目標が達成された場合の総合偏差値は52.8となります。合格するためには十分です。
 ちなみに、租税法・会計学第5問で偏差値56以上(科目合格ライン)を確保できた場合は、他の大問は偏差値49.7以上であれば耐えることになります(企業免除かつボーダー51.5の場合)。努力に応じて偏差値が伸びやすいこの2分野に注力することが、特に過年度生の場合は、有効な戦略になると思います。

・R3

総合60.75(130位)、ボーダー51.5

R3 総合成績

 思っていたよりかなり良くて、自分でもびっくりしました。全科目が科目合格ラインを超えているとは全く思っていませんでした。本試験後の手ごたえ・自分での偏差値予想というものは全く当てになりません…。2桁合格以上の人だけが合格発表日まで安心して過ごせる、という噂は本当なのかもしれません。ただ、CPAのボーダーの精度は高いと思うので、それは参考にしてもいいと思います。ちなみに予想はこんな感じにしていました。

前日予想/合格後予想/実際の結果

 今年の論文が色々な面でイレギュラーなことも大きな要因だとは思いますが、予想はほとんど当たっていません笑。ただ、手ごたえがあった大問の偏差値は実際に高くなっています(租税法第2問、会計学第5問)。なので合格発表までは、できた科目のことだけを考えるようにするのが、メンタル的にはいいかもしれません(人間そんなにうまくできていませんが、、、)。

 去年との比較も置いておきます。

R2とR3の成績比較

 また、今回の論文に向けて(2021年2月~8月)の時間配分は、
監査:約253時間
租税:約473時間
管理:約195時間
財計:約310時間
財理:約251時間
経営:約203時間
計画・模試・本試験:差分→これ差し引くと1,700時間くらいですかね
という感じです。

勉強時間配分
2021年2月~5月
2021年6月~8月本試験前日

 では、次の節から本題に入ります。よろしくお願いします。


4.監査論

・R2

合計素点22/100、偏差値44.90(919位(不合格者中))

第1問素点11.5/50、偏差値44.70

第2問素点10.5/50、偏差値45.10

 去年の監査論の何がいけなかったかというと、「答案を必死に埋めなかった」ということです。もちろん、10行の問題で5行しか書けなかったからと言って、残りの行を無理やり埋めることは特に意味がありませんし、その記述内容が間違っていた場合には、試験委員の先生方に悪い印象を与えかねません。しかし、何も書かないのは問題外です。私の開示答案を見ると、第2問で何も書いてない箇所が4箇所あります。論文式試験では、1点で偏差値1動くと考えていた方がいいです(もちろん大問毎の標準偏差によって異なりますが)。1点を削り出していく意識が最も大切です。これは模試などから強く意識したいです。
 あと、「問いの形式に沿った解答をしていない」ことも悪い点として挙げられます。例えば大問1-1や1-2では、~と~の関係を述べろと言われているのに、自分の解答ではなんとなくの記述になっています。問われたことに答えていないことになるのでこれも問題外です。よく言われていることですが、試験委員の先生方の意図を汲み取り、答えて欲しい答えを解答することがベストです。当たり前のことですが、これはなかなか難しいことです。この力を養うには、日々の答練での訓練が必要になります。なお、これは監査論に限った話ではありません。
 最後に、「監査論の全体像を俯瞰して見れていなかった」ことも反省点です。R2の段階では、私は論点を各章ごとに抑えていました。短答の段階ではそれでなんとかなるため、良い点が取れていました。しかし論文ではそうは行きません。横断型の問題を問われることも少なくなく、俯瞰して思考する必要があります。例えば報告論の論点は、実施論の論点の積み重ねによって存在します。これも当たり前の事なのですが、日々の学習で意識していないとなかなか身につかない視点です。その意味では、CPAの松本先生の論文対策講義では、レジュメにある「監査契約の締結から監査意見の表明までの俯瞰図」というものを適宜使用しながら講義が進んでいくので、俯瞰することを意識しやすいです。
 R3にむけては、以上の3点を反省点として、日々の学習に取り組みました。どれもはじめからできる人にとっては当たり前のことではあるのですが、もしそうでないならば、常に意識しておくことが必要です。


・R3

合計素点52.5/100、偏差値64.70(54位)

第1問素点32/50、偏差値73.30

第2問素点20.5/50、偏差値56.10

 監査論でリベンジできたのはうれしかったです。第2問もう少し頑張れればなお良かったです。


5.租税法

・R2

合計素点40/100、偏差値51.10(287位(不合格者中))

第1問素点16/40、偏差値49.50

第2問素点24/60、偏差値52.17

 租税は、正直もっと取りたかったです。
 特に理論は答練・模試等でも出来ていたので、偏差値49.50という結果は不本意でした。ただ、解答の記述方法が今見ると甘いと思います。「論点把握→当てはめ→結論(条文)」の流れをもっと意識して、配点箇所を1箇所でも多く拾う意識が必要でした。
 計算は、ボーダー(偏差値51.8)は超えているものの、ケアレスミスが多い印象です。あと5点くらいはこの時の実力でも取れた気がします。


・R3

合計素点60.5/100、偏差値65.30(73位)

第1問素点24.5/40、偏差値65.00

第2問素点36/60、偏差値65.50

 こちらもリベンジできて良かったです。計算(第2問)はケアレスミスが目立つので、もう少し取りたかったです。結局配点は法人2点、所得・消費1点という感じなんでしょうか?自分の答案だとどうも合わないような気がします…。


6.会計学

・R2

合計素点125.5/300、偏差値50.23(381位(不合格者中))

・R3

合計素点163/300、偏差値58.38(396位)


6-1.会計学(午前)

・R2

合計素点38.5/100、偏差値51.40(順位不明)

第1問素点34/50、偏差値59.40

第2問素点4.5/50、偏差値43.40

 小問ごとの時間配分は死守しましたが、このような結果となりました。第2問の2つめの小問は、雪崩失点をしてしまっているので、それが無ければ、、、という感じです。特に反省点は有りません。


・R3

合計素点31/100、偏差値50.35(順位不明)

第1問素点21/50、偏差値47.40

第2問素点10/50、偏差値53.30

 第1問は実力不足です。特に理論がダメでした。管理理論は直前の詰込で何とかしようとしていたので、ある意味作戦成功ではありますが…。
 第2問はなぜこんなに点がもらえているのか分かりません。シェアードサービスだけしかあっていないと思っていたので。理論部分で点がもらえたのか、それとも単位ミスの計算で1点ずつくらいもらえたのか、、、。


6-2.会計学(午後)

・R2

合計素点87/200、偏差値49.65(順位不明)

第3問素点32/60、偏差値49.08

第4問素点33/70、偏差値54.00

第5問素点22/70、偏差値45.79

 財務も悔しい結果となっています。第3問はソフトウェアで死にました。第4問は収益認識はガチっていたので、この点は良かったです。第5問はかなりの実力不足です。計算・理論ともに単に実力が足りませんでした。


・R3

合計素点132/200、偏差値62.40(順位不明)

第3問素点33.5/60、偏差値58.92

第4問素点46.5/70、偏差値59.50

第5問素点52/70、偏差値68.29

財務でもリベンジが成功しました。特に第5問は嬉しい結果となりました。コントレが最強です。第5問の問題5が出来ていれば、言うことなしでした。


7.企業法

・R2

合計素点51.5/100、偏差値57.55(525位(合格者+科目合格者中))

第1問素点19.5/50、偏差値49.00

第2問素点32/50、偏差値66.10

 第2問の問題1の結論は、各予備校の模範解答と逆になっていますが、点をいただくことが出来ました。そういうこともあるようです。


・R3

 科目免除のため無し。今年は難しかったようで、去年運よく免除になっていて本当に良かったです。


8.選択科目(経営学)

 私は選択科目として経営学を選択しました。

・R2

合計素点65/100、偏差値53.15(150位(不合格者中))

第1問素点27/50、偏差値48.80

第2問素点38/50、偏差値57.50

 第1問でこれしか偏差値が来ていないとは思っていませんでした…。致命的なミスは(主観的ですが)穴埋め1つだけだと思っていたので驚きました。記述勝負の面があるのかもしれません(配点的に)。今年もそんな感じがします。
 第2問(計算)の方は、自分の中ではよくできたと思います。ケアレスミスもほとんどありませんし、実力は反映できたと思います。


・R3

合計素点58.5/100、偏差値59.40(409位)

第1問素点32.5/50、偏差値60.70

第2問素点26/50、偏差値58.10

 第1問(理論)はたまたま記述で点をもらえた結果かなと思います。差がつきにくそうですね…。
 第2問(計算)は、思ったよりボーダーが低かったようです。去年と比較してかなり難しかったですね。


9.おわりに

 ここまで見て頂いてありがとうございました。時間が出来たら、使用教材のことくらいは追加してみようかなと思います。

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