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会長が就活生の質問に本気で答えまくってみた #日本交通_会長イベント②

ご乗車ありがとうございます。日本交通(株)の新卒採用担当です。

本日は1月26日に行った川鍋会長イベントの概要をお届けいたします。

2回目となる今回は、学生さんからの質問に次々と答えていく形式で行いました。自分をさらけ出して真摯に質問する学生さんに、会長もオフレコ情報をつい暴露!?

タクシー業界の未来のお話から、会長の人生観に迫るものや就活相談まで、幅広い質問が続々登場しました。

そして、川鍋会長とはどんな人物なのか、詳しくはコチラの記事をどうぞ。

それではスタートです!

日本交通ってどんな会社?

――会長の視点から見た日本交通の社風は?

明るく、楽しく、元気よく。ただ正直、細かい戦略構築は会社としては苦手な方でしょうね。交渉や戦略的な動きと言ったものは、タイプとして皆苦手。人が良くて一生懸命で、スキルより人柄重視な社風ではあります。

そして全員が社会に貢献しているという気持ちや、業界全体のリーディングカンパニーとしての誇りを持っていますね。

日本交通の成長

――日本交通は数年前から新卒採用に力を入れている。これから5年後10年後どのように成長していく?

東京を走る3台に1台は日本交通にしたい。今はまだ5台に1台くらいだから今の倍くらいにしたいですね。一人ひとりの社員がやりがいを感じて、日々「いいじゃん日交!」と自分の人生に満足してもらいたい。

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今は新卒専門の営業所に力を入れています。最近できた板橋営業所(※池袋営業所が移転したもの)は4階建てになっていて、3階は空いてます。何でか知ってます? それは※※※(オフレコ情報)。日本交通の人まだほとんど知らないです(笑)。

なぜ新卒営業所に力を入れているかと言うと、今の葛西営業所がすごいから。日本交通には売り上げと品質のランキングがあって、50くらい営業所がある中、葛西は初登場1位で、それを維持している。

新卒営業所から新しい生活をどんどん作ってほしい。例えばシフトをスマホで入れるとか。ワークライフバランスを大切にしてもらいたい。末永く働けるよう、自分が成長できる実感をもって世の中に貢献してほしい。

――海外進出はどう考えている?

まずは東京で3分の1のシェアを獲得すること。そのくらいになれば日本交通を選びたいお客様がほぼ選べるようになります。その先に海外進出がある。

実は10年前にはシンガポール、ベトナム、ミャンマーに行って、真剣に買収を考えていました。でもその時はアプリの方が先だなと思い投資先を変えた。

物事には優先順位があります。やりたいことは1000くらいあるけど、今はまず東京。いずれは私自身も4年過ごしていたアメリカなど英語圏や、東南アジアにも進出したいですね。

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会長の価値観について

――会長が一緒に働きたいと思う人物とはどんな人?

逆に言うと、一番困るのは「何やればいいか教えてください」と言う人ですね。何がしたいかという思いが大事だから。「何でもやります」というより「私、これがやりたいんです」と言われた方がいいな。

それか、大変な状況があるときに、それを「コロナのせい」「政府の責任」と人のせいにする人は本当に嫌い。自分でコントロールできる範囲の外に大変さの原因を求めたら一生幸せになれないよ。自分が影響できる範囲をよくすることが先。そういう人がいいと思ってる。

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――会長の個人的な人生のビジョンについて。

明るく楽しく元気よくかな(笑)。真面目に答えると「期待に応える」ことだろうな。日本交通の3代目として生まれて日本交通をよくする、引いては日本交通が属しているタクシー業界、それが属している日本をモビリティを通じてよくすること。

その時大事なのはできると思うこと。もちろん最初は日本交通をなんとかするところから。そこからできる範囲が広がっていたのは、自分ならやれるという実感が生まれてきたから。

皆さんも自信を持ってほしい。根拠のない自信ではなく、自分がこれを変えたら褒められたとか、SNSでいいねが付いたとか、そういった自信をつけてください。

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――人をまとめるうえで気をつけていること。

かっこいい言葉で言うと「言行一致」。これはつまらないことほど一致される必要があると思っている。例えば、「今度飯食いに行こうぜ」と言って行かなかったら嘘をついたことになる。

間違えたと気付いたら、「ゴメン!」と素直に謝る。なるべく素直に、早く動こうと思っている。そして違和感はすぐ口に出す。

――会長が人間関係で最も重視していること。

近い人ほど大事。まずは家族、親戚。そして、やっぱり会社。アフリカの難民を救う、それも大事だけれど、まずは自分の周りの人を幸せにできなければ遠くにいる人も幸せにはできない

昔は家庭を犠牲にして仕事に邁進するという価値観があったんだけど、今は自分も子供が3人いることもあって、考えが変わった。家庭が円満であることが仕事でいいパフォーマンスを出せることに繋がる。人付き合いはまず近いところから。

周りから僕は友達多いと思われているけど、実際は違う。外の会合には行かないし、知らない人との食事には興味ない。基本出不精。それよりは会社の皆と飲みに行ったり仕事をしている方が楽しい。

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タクシー業界の未来

――脱炭素化の流れはタクシー業界にどのような影響を及ぼす?

カーボンニュートラルですね。今の立場から言えば、日本交通、引いてはタクシー業界をカーボンニュートラルにするのが第一の目標。最終的にはEVにしたい。車が蓄電池になる考え方ですね。停電しても車のバッテリーから電気が供給できる。

ただ、まず我々が実現するべきことは、全部の車両を一刻も早くジャパンタクシーに置き換えること。なぜならジャパンタクシーはとても燃費がいい。LPGのハイブリッドだから、EVの次に環境に優しい。

次にやるべきことはアプリの配車比率を上げること。アプリの方が効率がいい。流し営業しているとそれだけで無駄走りで燃料の無駄になる。

そういった足元の努力を極限まで高めながらEV開発を待つ。むしろこちらから促進していくくらいでいないとね。今度の5月か6月に、タクシー業界として2050年までに※※※と思っている。これ内緒ね(笑)。

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アフターコロナの時代の常識

――コロナによって人々の生活に変化が起きた。会長の生活に変化はあった? 会長にとって豊かな生活とは?

経済的成長に価値が置かれていた時代はもはや終わったと、正直コロナで気づかされましたね。GDPでアメリカが1番で日本が2番で……と言っていること自体が時代遅れになりつつある。GNH(Gross National Happiness=国民総幸福量)と言う考え方があって、それに近い。

いかに「仕事とは嫌なもの」という考え方から、「仕事=生活=自己実現」に近づけていくか。そうしないと長続きない時代。僕は目指したいし、世の中もそういう風に変わっていく。

会社は売上利益を上げるべきと言う使命感から脱却しないといけない。私の高校の同級生で山口周という著者が今「資本主義をハックしろ」みたいな本を書いていて、経済成長の時代を踏まえつつも、それに違和感を抱えているという内容。面白いので皆さんもぜひ読んでみて。

価値観というのは10年20年と、時間をかけて変わるもの。でも次の価値観に一足先に飛び乗っていたほうが、自分の価値観が1秒1秒広がっていくので楽です。コロナでぐっとそれが後押しされたね。

――日々変化するのは大切だが、これは変えないと思うことはある?

「徳を残そう」という日本交通の社是。Mobility Technologiesのミッションである「移動で人を幸せに」もそう。軸は変わらない。我々は移動に特化している。事業の主軸は、我々が歴史的にも一番貢献できると思っている。

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就活・人生相談

――私は好きなことじゃないとやれない。会長は好きを仕事にすることについてどう思いますか?

人って自分がより褒められたり報われたりするものを好きになる。もちろん先天的なものもあるけど、多くはそのものに親しんできたとか縁があるとか、情報をたくさん浴びている方を好きになるもの。表面だけで好き嫌いを判断するのは早合点だと思う。

それをしていく中で、自分が報われていけば好きになっていくはず。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、自分が報われるところでどんどん夢中になってほしい。皆さんにはそんな人生を送ってほしいし、日本交通はそういうことを追求できる場でありたい。

キャリアはいろいろあるが、どの仕事であっても日々の達成感や喜びがある。毎日の質をいかに高めるか。日本交通はそのためにテクノロジーで解決できることは全部やる。一つは最新鋭の車、今だったらニューノーマルタクシーの導入など、タクシー乗務員として働くなら日本交通が最高の環境だと言われるようなインフラ整備をしている。そこで自分の才能をいかんなく発揮してほしい。

社員には「これやってて楽しい」「社会貢献実現できている」と思ってほしいし、その仕組みを会社は作りたい。

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――会長のようなビジネスマンになりたい。日々どんなことに気を付けている?

とにかく「目の前の敵をぶったおす」。今僕が皆さんの年だったとき、体育会系のスキー部でキャプテンをしていた。今の時期はインカレの直前で山にこもりっきり。勉強も就活もしてない。チームがインカレで勝つことしか考えていなかった。

でもそこで突き詰めたことは次に繋がってくる。目の前のタスクに対して真摯に向き合うこと。クロスカントリーのスキー部を率いることと、日本交通を率いることって実は根本は同じ。チームがうまくいかないときって、大体ろくでもないやつが威張って、実力がある人が表に出ていないとき。そういうのはチームのパフォーマンスにおいてナンセンス。

一日一日自分のやるべきことに邁進してほしい。最低2年はその場で一生懸命やる。2年くらいやらないと合うか合わないかわからないし、成果は簡単に出るものではないから。

2年やっても成果出ないなら、環境を変える。そして、最終的には自分の力が最もフィットする場所を見つける。

今だったら皆さんは徹底して就活をやればいい。新卒の就活は一生に1回しかできない。中途はまた全然違う。新卒の就活を最大限研究・体験する。日本交通のこういうのがよかったなとか、そういう経験を自分の感性の中にため込んでください。

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――雇用の安定性について。親から景気が悪くなると首を切られるのではないかと言われる。

タクシーは景気が悪くなると首を切られるというのは誤解です。なぜなら事業構造上クビにする必要ないから。

タクシーの売り上げは歩合制。他の業種は固定給で、景気が悪くなって売り上げが下がっても給料は下がらない。人件費が固定だと、売り上げが下がったときの損失の割合が大きい。

その一方でタクシーは売上が変動します。景気ダウン局面では会社は強い。ただ乗務員さんには景気が直撃する。いきなり首切られることがない代わりに、売上次第で給料が下がるという側面はある。

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ただ、景気アップ局面ではタクシーは景気が良くなればその日から売り上げが上がる。タクシーは他の業種より圧倒的にリストラが少ない。その中でも日本交通は最後まで生き残る企業です。

お給料は景気によって変わる。それに対してはアプリ配車を取ったり、観光タクシーなど安定したものをやるなど自分で創意工夫はできます。

これからの課題

――日本交通の弱みは?

……(悩む)。あるとするなら、現時点で単一組織であることですね。ほとんどのトップは男性。ダイバーシティの面では弱い。上に女性の管理職がいない。ここは変えていきたいです。

このペースで新卒採用したら女性が上に上がってきて、女性の管理職は増えていくと思います。

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経営のインスピレーション

――会長の惚れた経営者は?

経営者ではないが、ドラッガーという経営学者です。彼の本には経営の答えがすべて書いてある。日本交通の経営規範もドラッカーをパクらせてもらってます。

それか稲盛和夫。日本人の経営者では実績を出しているし、年をとっても現役だし、あの人の本はすべて示唆深い。本当の経営と言う感じがする。セコムの創業者である飯田亮も尊敬しています。

皆も読んでみて。本読んでもピンとこないことも多いけど、その時自分が求めていることが、そこに書いてあると気付きがある。どこにピンと来るかは一人ひとりの状況によって違う。

自分がピンとくるものがあれば、何度も読んでみる。僕は多読よりは精読派。同じ本を何度も読み返す。本にはピンと来たところに色ペンで線を引く。本の後ろにでも「この色のペンで引いた線は何月何日」とメモる。3年後くらいに読んだときに、また違うときに線が引かれる。

最近は『ハードシングス』という海外の本の日本語訳を読んでいます。これはベンチャー経営者にはマスト。それを読んで皆さんがピンとくるかはわからないけどね。皆さんがピンとくるのは『タクシー王子、東京を往く』ですがね(笑)。

「入社してこれがやりたい!」

――子供の貧困をなくす企画を全国でやりたいと思っています。いつ頃全国展開しますか?

全国津々浦々行くには何十年もかかるな。今は、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、京都、神戸。この5年で関西は展開している。

タクシーの特性として、飛び地に10台あっても意味ない。その地域における補佐を務めるという意味では、台数は大事。地域を固めるということだね。

でも子供の貧困は東京にもあるよね。地方の方が課題が多いけれど、同じ事をやっても地方では人口密度が低いからお金になりにくい。地方は助成金が出て始めるのは比較的簡単だけれど、選挙で意思決定者が変わると前任者の決めた方針が簡単に覆される。それはサステイナブルな取り組みではない。

いかにサステイナブルなやり方をするかを考えたときに、お勧めなのはまず東京などで始めること。自分の中で解決するモデルを作ったうえで、東京で稼いでその余力で地方に行く。

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タクシー業界の新しい取り組み

――タクシーのサービス無料化ってどういうこと?

広告を取りまくること。運賃と同じくらいの広告料が取れれば無料にできると考えています。全部無料にするのは、今は難しい。後部座席のタブレットで月1万から2万、外で1万から2万。合わせて5万。一方で1台あたりの月の売り上げは120万円。広告全額割り引いても10%引きまではまだ行かないかな。もっと車外の広告の量を増やしたいと東京都にもお願いしているところです。

――会長はどのお話をするときもワクワクしてると感じた。今一番わくわくしてることは?

何かな~~。たくさんワクワクしすぎてる(笑)。

GOの中に予約機能を入れたばかり。ちょうど今日全国展開した。3か月くらいで段階的にリリースしていく。これはとても便利だし、雪が降って需要が集まったときは追加で料金をもらう。社会性と収益を両立できるもの。これができた瞬間は楽しい。

あと、フードデリバリー。緊急事態宣言になってからまた本数が増えてきた。いろんなレストランを開拓するのも楽しい。ミシュランの☆つきのところがどんどん増えてる。5月か6月くらいから※※※と思っている。これも言っちゃった(笑)。

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――新しい取り組みをするときには、日本交通が国土交通省に求めるのか、それとも国土交通省の方から通達があるのか。

それは「阿吽の呼吸」です。

正確に言うと、国民・政治家・行政(国土交通省)という3つの立場のパワーバランスを見てどこに働きかければ一番効果的かを考えること。

本来であれば、法律を変えるには政治家に働きかけないといけない。今回のフードデリバリーでは道路運送法の通達(法律をどう運用をするかが書かれた細かいルール)を変えた。それに関しては国土交通省と我々だけでできる。

このコロナでタクシー業界も飲食業界も大変。政府も援助するけど、できるところは自助努力してほしい。今回のフードデリバリーは、この2つの業界が自助努力で頑張ろうとしている取り組みで、それは世のため人のためになること。それを手助けしようというのが行政です。

最初は様子見で3週間、それから3か月、そして恒久化していった。根本的には国民のためになるかという目線が必要です。

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22卒の皆さんへ

――最後にメッセージを。

前回も言ったが、最後自分を信じることがすごく大事。皆さんのポテンシャルは計り知れない。やろうと決めて、やる条件を揃えれば何でもできる。もちろん突然そう言われても戸惑うかもしれない。

僕も最初は自分がどれだけできるのかはわからなかった。だからこそ早く経験を積んで、打席に立ってやる。3回に1回は絶対うまくいくから。そこで成功体験を積んでほしい。そのためにも、自分の目の前のことをしっかりやってないといけない。

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そしてあなた自身が、「あの人が言うことなら大丈夫だよね」と信頼される存在になることが大事。目の前のことを一生懸命やって成果を出すこと。

自分の信頼を高める。回ってきた打席でバットを振る。するといいサイクルに入れると思う。会社的組織ヒエラルキーで自分でバットを振るのが10年後では取り返しがつかない。いろんなことができる環境に身を置いてほしいなと思っている。

――本日はありがとうございました!

おまけ

今回も新卒採用チームで裏方を務めました! ZOOMやYouTubeから視聴していただいた皆様に感謝です。そして、質問をくださった方もありがとうございました!

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また今後も会長出演のイベントをやる予定です。ご参加いただいた方も、リアルタイムで視聴できなかった方も、ぜひ次回のご参加をお待ちしております!

また日本交通をよろしくお願いいたします。

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